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シン・ニホンジン (徳島宿プロジェクト)

ドイツ、スペインなどの強豪国を次々と撃破。
誰もが疑っていた決勝トーナメント進出を自らの手で決めた日本代表。

この強さは本物だ!
世界と対等に戦える時代がやってきたと、日本中がその躍進に歓喜した。
朝から晩まで日本代表が映らないチャンネルなど無く、暗いニュースなどすべてどこかへ吹き飛んでしまったような日々だった。

次のクロアチア戦も楽勝だ!  
楽しみはまだまだ続くと、ようやく誰もが信じ始めたというのに・・・
勝手なもので、あんなに興奮した日々もすでに遠い昔、いきなり現実の世界に引き戻されて、世の中が急に色褪せてしまったような気さえしている。

いったい日本に、何が足りなかったのか。

メディアが、解説者が、日本中のサッカーファンたちが口々にそう騒いだ。

あくまで個人的な見解だが冷静に振り返ってみると、大会を通じて活躍が期待されていた鎌田が、どこかやりにくそうで、本来の輝きを放てていなかったし、南野、久保建英といった海外で評価されている選手たちも力を出し切れていなかったように感じた。現代サッカーにおいて、どんな選手であれ懸命に守備をするというのは当たり前なのだろうけど、本来は攻撃でこそ強みを発揮する彼らが、その力の大半を守備に割かなければ対等に戦えなかったという事実も、彼らが輝けなかった要因で有り、日本が勝ちきれなかった理由なのではないかと思っている。

ベスト8へと進んだ国々の試合を見ていると、そこにはエムバペやメッシ、ネイマールといった圧倒的な攻撃力を持った選手が存在。彼らは守備もするが、やはり攻撃においてその力を余すこと無く発揮し、チームを勝利へ導く要となっている。

彼らは日本の強みであるチーム一丸となって戦う団結力、森保監督が最も大切にする「和の力」から、はみ出す圧倒的な個の力であり、日本という国の「和を以て貴しと為す」といった教えの中では、決して生まれてこない存在なのかも知れない。

これは日本人のおもてなしの心やお行儀の良さが、世界で持てはやされている一方で、サッカーに限らず、日本が世界と肩を並べていく上で足りていない何かのような気もする。そう思うとここから先は、「シン・ニホンジン」の登場が大きな鍵を握っているのかも知れないな・・・。

マスクを始めコロナ禍におけるすべての制限が取り払われたカタールワールドカップ

一方で、世界中から集まった人々がスタジアムで熱狂する姿を見ていて、コロナの時代は確実に過ぎ去ったことも身をもって感じることができた。

世界ではアフターコロナの時代が、すでに始まっている。

リスクヘッジだけで、ワールドカップを勝ち抜けないように、あらゆる批判や賞賛に一喜一憂することなく、常識を疑い、信じる道を行く。
アフターコロナの時代には、その勇気こそがもっとも大切なのかもしれない。

日本代表からもらった、たくさんの勇気。
重圧の中でもサッカーを楽しむという、ブラジル代表の遊び心。

宿プロジェクトもそろそろ大詰め、我が道を信じ、楽しみながら進もうと思う。

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