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2拠点生活のススメ|第316回|今日の仕事は、楽しみですか
川西の家の裏が更地になって、早速新しい家が建ち始めた。
基礎だけはもう数週間も前に出来ていたのだが、2日ほど前から柱が立ち始めた。1日の作業で1階部分が完成、今日は2日目で2階の床張りからスタート、ちょうど書斎の窓から工事の様子が見えるので、パソコン仕事をしながらチラ見。
あっという間に柱が立って、骨組みが組み合わされていき、夕方には屋根の骨組みと基礎となる板も張られていた。何というスピード・・・最近はプレカットというのか、すべて細工された木材が運ばれてきて、現場ではパズルのように組み合わせていくだけ。3〜4名の作業員が次々とテンポ良く組み合わせ固定していく。
ときどき声が聞こえてくるのだが、作業員の中に外国人も混じっているようで、何語か分からない言葉も飛び交う。釘打ちも機械なので、早いのなんの。ずっと見張っていたわけでは無いので分からないが、ほとんど休憩をしている様子も無い。きっと今日中に屋根まで作れという指示が出ていたんじゃないだろうか。日が暮れるのも早いので、休んでいるヒマは無いという感じだった。
しかし、たったの2日で屋根も含め家の形になるなんてビックリだ。昔ながらの木造の家といった雰囲気だが、道具や工法も進歩して、作業もかなり効率化されている。人の動きも作業もまったくムダが無いので、清々しいくらいだが、自分はこんな風には働けないし、もはや時代の落ちこぼれなのかも知れないと感じた(笑)。
家を建てる作業だけで無く、今の日本で働くというのは、こうしたシステムの中に効率的に組み込まれるということ。鼻歌なんかを歌っている余裕なんて無いし、コミュニケーションも不要なぐらい効率化されているんだな。
今の時代の「仕事」を垣間見た気がした。
そういえば先日、東京品川駅に表示されたメッセージ広告に批判が相次ぎ、わずか1日で取り下げられたというニュースを見た。
そのメッセージとは「今日の仕事は、楽しみですか。」というもの。
「上から目線が気になる。働く人をバカにしている印象」「時代と合っていない」「不快になる」など多くの批判が寄せられたそう。仕事に対する人々の気持ちが透けて見えるニュースだった。
悲しいけれど、それが今の時代、今の日本なんだろうな。