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大人の階段 (徳島宿プロジェクト)
8月頭から続いていた補助金の交付申請がようやく採択された。
なんとか9月中に採択されホッと一息、しかし長かったなー。最初の頃は、なぜ修正になったのか、その意味をいちいち考え過剰に反応して悩んでいたが、いくら考えたところで分かるはずもなく、途中から言われた通りただ直すということを覚え、ずいぶん楽になった。意味なんて考えちゃダメ、もっと早く気づいていれば、我を見失うという訳のわからないモードに陥いることもなく、もっと申請時間も短縮できたのかもしれないな(笑)。
納得しないと前に進めないという性分は、今まで割と良いものだと信じてきたが、かえって仇になることがあると知った。60歳にして、大人の階段を少し登ったということか・・・。
これで事業開始の申請関係は徳島県の建設局に提出する、倉庫から宿への用途変更届を残すのみなのだけれど、ここにきて思わぬ問題が噴出。今度の問題はただ従っていれば通り過ぎるといったものでは無く、相手があることなのでここで詳しいことは書けないが、どうやら上級者向けの大人の階段が現れたようだ。
・・・補助金の交付申請時もそうだったが、
うまく行かない問題が起こるたび、その相手を「敵」だと思ってしまうのが私の悪い癖。どうしてそんなことになるのか、理解ができない事があると「イジめられてる」とか「嫌われている」とかという発想がムクムクと顔を出して、どうしても相手を「敵」に見立ててしまう。
本当は、お互い自分の仕事を粛々とやっているだけなのかもしれないのに・・・
いくらこちらが「正しい」つもりでも、それはあくまで自分の側から見た「正しさ」で、世の中にはいろんな方向から見た、実にたくさんの「正しい」がある。
だからネットは炎上するし、戦争も絶えない。
理解できない人は「敵」という単略的な考え方は、こうした不幸を助長するだけ。ここは、大人の誠意ある対応で乗り越えるしかないようだ。
そんなことを考えていて、どハマりしていたドラマ「初恋の悪魔」の1シーンをふと思い出した。世の中で居場所を見つけられない少女たちを自宅に招き寄せ、面倒を見ていたリサ(満島ひかり)の言葉。
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「人生で1番すてきなことは、遠回りすることだよ。だから私たちはかなしくない。遠回りしてる今が、1番すてきな時なんだよ。」
しかし、リサと少女たちの擬似家族のような共同生活は長くは続かず、彼女たちの幸せな時間は奪われてしまう。この彼女たちの幸せな時間を奪った人たちのことを脚本家の坂元裕二は「頭が良くて、正しくて、近道の好きな人達」がやってきたとリサに言わせている。
そうそう、その感じすごく分かる。
私が理解できない人たちは「敵」ではなくて、この「頭が良くて、正しくて、近道の好きな人達」なのかもしれない。
本当は大人の階段なんて、どうでもいいのにな。