2拠点生活のススメ|第312回|おとなって何?折り合いって奴の正体
NETFLIXオリジナルの映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」を見た。
主人公たちとは年齢に開きはあるけれど、バブル崩壊後の90年代からコロナ禍の現在まで、生きてきた時代は同じ。私自身60近くなるまで、何とか社会と折り合いをつけながら生きてきたけど、この映画を見ていて折り合いっていったい何なんだろう・・・と改めて考えさせられた。
折り合いって言葉には、自分を曲げている感が多分に含まれている気がする。
自分の世界を構築したいなんてデッカイ夢を語ってた若かりし頃。映像ディレクターの修業時代、プロダクションの社長に「あんたは大人やから分かるやろ」なんて言われて、褒められたような気になってたけど、本当は違うって薄々感づいていた
普通なんて人生、面白くないや。
心の中でそう思っていたはずなのに、いつしか「普通が最強、普通にはかなわない」と思い知らされる。
それが折り合いって奴の正体なのかも知れないな。
映画を見ている内に、切なくて切なくて、辛くなって一時停止ボタンを押した。社会とうまく折り合いが付かない登場人物たちの気持ちはそれぞれみんな痛いほど分かるし、それが例えどんな所でも自分の居場所を見つけないと生きてはいけない。大人にならないことには生きにくくてしょうが無いと、もがいている姿を見せつけられる。だんだん自分を見ているような気がしてきて、胸が苦しくなったのがその理由だった。
映画そのものは、切ない恋愛映画なんだけど、あの時代の記憶や匂いまでが蘇ってくるようで、自分の過去にタイムスリップするような感覚があった。
こんな気持ちや時代の空気感を映画に出来るって、凄い才能だなと嫉妬。それがまた自分のココロを締め付けた理由なのかも。
未だ大人になりきれていないと感じるすべての人たちへ、これは必見です。
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