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MEMBER自己紹介 vol.3  鳥海 絢


1,はじめに

 皆さまこんにちは。鳥海絢です。東京の下町で生まれ育ち、主に新橋にてサラリーマン生活を送っておりましたが、2017年より夫の帯同で赤道直下のシンガポールに引越し、現在家族4人で暮らしております。こちらに住み始めて6年目ですが、シンガポールの暖かな気候や子育て・女性にとても優しい社会の中で学びの多い日々を過ごしています。

2,働くことから断絶されアイデンティティロスの日々

 2017年、当時第一子妊娠中、産休に入った直後に舞い込んできた夫の海外転勤の話。当初は3年予定とのことで、当時勤めていた会社での育児休暇を上限の3年まで延長しこちらへ引っ越してきました。初めての育児に初めての環境、言葉も文化も流れる時間も全てが変わり、夫は海外出張ばかりの中で、可愛い我が子を目の前に「なぜこんなに幸せなはずなのに、涙がでるのだろう」と孤独で辛かった日々を思い出します。あの頃の私は、母として、また妻としての役割はあれども、私個人としての生きがいがなくなり、アイデンティティロス(自己喪失感)になっていたのだと思います。
 そして周囲にも同じように、仕事を退職したり、休職したりして帯同してきた日本人女性が多くいて、また皆とても優秀な方ばかりで、”駐在妻は人材の宝庫”といつかどこかの記事で読んだ言葉がいつも頭をよぎっておりました(今思い出すと当団体の代表加治屋の新聞記事だったのかもしれません)。

3,日本を離れたからこそ見えた視界

 「働きたいのに夫の会社の規定で働けない」という日本人女性が多くいることに当初驚きました。ビザの関係や言葉の問題などが理由で働けないのであれば理解はできたのですが、「夫の会社が妻の就業を禁止する」また「女性は男性を支えることが仕事だ」と説明を受けて帯同してきた女性が多く存在し、その理由を明確に説明されたり理解していない方が多いことを悲しく感じました。
 そして多くの民族が共存するこの国に来て初めて、”普通”というものがない世界に出会いました。肌の色や言葉、着る服も髪の色もそれぞれ異なります。また同一民族が一つの場所に固まらないようなしくみもあるほどです。故にそれぞれの価値観が尊重され、とても生きやすいと感じた私は、私自身が生まれ育った日本の環境を振り返り、”普通”という概念や同調圧力の中で周囲と自分を比べて過ごす時間は息苦しくもあったなと、そんな風にも感じました。

4,育休終了。退職か?母子帰国か?悩みはてた末の決断と新しい道

 コロナの影響で駐在期間は延長され、私の育休も終了する予定だった2022年。大好きな会社を退職してシンガポールに残るか、それとも子供達を連れて母子帰国をするか、選択を迷いました。私にとってそれまで積み上げてきたキャリアは非常に大切なもので、仕事のないこの先の人生は考えられず、私にとって「働く」とはどんな事なのか、とことん考えた期間です。考え抜いた末、「ライフステージに合わせてフレキシブルに働きたい」「仕事に夢中になりたい」という2つの軸が見つかり、ここシンガポールからでもできる新しい仕事を探す、という結論に。現在は、コーチングサービスを営む株式会社mento(メント)にてフルタイム・フルリモートで法人向けのマーケティングやインサイドセールス関連の仕事をしております。(※この働き方にはいくつか条件がありますのでご興味のある方はご連絡ください。また正式には専門機関にお問い合わせください)

5,Dual Career Anywhereで成し遂げたいこと

 現在の仕事に就くまでに、ビザや税金関連の詳しい情報に辿り着けずとても苦労しました。私と同じように新しい環境でも働くことを諦めない方々の力になりたい。また、世界中にいる同じ想いをもつメンバーと共に、企業に対して正しい情報を提供し、変化を起こし、その結果「世界中・日本中どこにいても、夫婦が共にキャリアを重ねていける社会」へと変えていきたい、そんな事を考えております。
まだ見ぬ同じ想いを持って下さる皆さまに、これからお会いできることを楽しみにしております。


プロフィール

新卒でリクルートGr.にて人事採用・法人営業を担当した後、スポーツ業界にて事業開発及びマーケティング職に従事。育休中の2017年に駐在帯同でシンガポールへ転居後、育児の傍らコーチングを勉強しマザーズコーチング・ジャパンの認定講師として活動開始。育休終了までに日本へ帰国ができず、またリモートでの就業も叶わず本職は離職となったが、現在はシンガポールからフルリモートでコーチングサービス事業を営む株式会社mento(メント)にて法人向けマーケティング・インサイドセールスを担当中


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