米国の歯科保険の仕組み
日本での歯科治療は予め診療報酬(保険点数)が厚生労働省によって定められており、保険診療の場合では、異なる診療所で同じ治療を受けた場合でも、請求額が大きく異なると言う事は基本起きません。そして請求額の一部を患者が支払い、残りは公的医療保険が支払います。それとは別に一般的に自費と呼ばれる自由診療を希望した場合では、保険が適応されませんので全額自己負担となり、治療費も高く、各歯科医院によって治療内容も異なり、資料費も高くなります。
では米国での歯科治療はどうなのでしょうか?
米国では歯科治療も歯科保険も市場原理、自由競争にもとづき運営を行っているので、歯科医院ごとに治療費は異なりますし、歯科保険も民間保険会社から提供されているので各保険会社のプランに沿って自己負担率、保険適用の有無が決定されていきます。原則、自由診療と考えて良いでしょう。
この様な状況下に置かれている米国の歯科医療はビジネス色が強く、治療費も各歯科医院で大きく変わってきます。ポーセレン1本見ても5万円〜30万円と価格幅は広いですが、おおよそ10万円前後が一般的な価格となります。
歯科医院で治療を受ける際には歯科医によって治療内容が決定されるのは当然ですが、保険適応診療を決めてるのは保険会社であり、さらにその保険商品を選んだのは患者自身ですので、治療内容を決めてるのは患者自身とも言えるわけです。もちろん保険適応外の手段でしか治療が不可な場合にはその旨は伝えられますが、その場合には保険に加入していても全額負担となります。
この保険が適応される治療内容が異なるのは歯科のみならず医療全般で言える事であり、救急搬送された際にも治療に入る前に保険の所持と内容の確認がまず先に行われると言われる米国の医療事情も少し納得いくのでは無いでしょうか?
医療はビジネスなのか、サービスのなのか。共に一長一短ですが、ビジネス化された医療の現場についても主観ですが書いてみたいと思っています。
少し話がずれましたが、米国で歯科治療を受ける場合は、歯科医院の技術、知識、評判の良し悪しも大切ですが、歯科保険でいったいどんな治療を受けれるのかを自分で把握しておくのも大切な事の一つです。
次回はそんな歯科保険の気になる価格、自己負担率を見ていきましょう。