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本棚08 森山大道「サン・ルゥへの手紙」
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2005年河出書房新社より発行。
タイトルのサン・ルゥというのはフランスの街の名で、あのニエプスが「ル・グラの窓からの眺め」という現存する世界最古の写真を撮影した場所。最古の写真が生まれた土地へ送る手紙、ということだろうか。
街中のスナップ中心だが、被写体の質感が似ているものだったり、何か対比になっているものだったり、別の意味を持ってしまったように見えるものだったりの写真が並び、続いていく・・・
この写真集の編集作業はほぼ全て森山氏が手がけたという事である。氏のインタビューを読んでいると、作品を本にまとめる際は編集者に大量の写真を渡して「あとは好きにやってくれ」というスタイルであえて他人の考えが入るのを楽しんでいる、というような事を言っていたように思う。しかしこの作品集の場合は森山氏による写真の組み方、ページネーションまで見れるので氏の写真に対する考え方がより深く垣間見れるかもしれない。