見出し画像

B.LEAGUE SEMIFINALS 2018-19 千葉ジェッツvs栃木ブレックス レビュー

今シーズン栃木ブレックスの試合を全試合(アーリーカップ、レギュラーシーズン、天皇杯)見てきたワタシが楽しみすぎて個人的注目ポイントなどを書き出したプレビューの答え合わせと感想文的なnoteになります。
今回は完全にブレックスファン目線で書きました。
お時間ありましたら読んでいただいて、良かったらシェアしていただけたら幸いです。

※千葉のあれこれには特にコメントしていませんので悪しからず。


GAME1


スタッツから見るGAME1

ベンチ得点
栃木18得点 - 千葉42得点

GAME1のスタッツの中で一番目を引くのがベンチ得点。
千葉はトップスコアラーのダンカンが14得点、田口と西村が13得点、原4得点の計42得点。
栃木は比江島の14得点と竹内公輔の4得点の18得点とベンチからの得点に大きく差が出た。
特に田口と西村は3Pがお互いに3/4と高確率で沈めチームに勢いを与えた。
逆に栃木は怪我から復帰明けの田臥や喜多川が思うようにプレータイムを伸ばすことができず得点することができなかった。

アシスト数
栃木10アシスト - 千葉16アシスト

レギュラーシーズン(以後RS)リーグ1位の平均アシスト数の千葉(22.1アシスト)とリーグ3位の栃木(21.7アシスト)の対戦だったわけだが、ディフェンスで持ち味を消しあう展開になり、お互いに思うようにアシスト数を増やすことができなかった。
栃木はこの試合で10アシスト、これは今シーズン最低の数字だ。特に後半では4アシストとディフェンスの強度を上げた千葉に中々アジャストすることができなかった。今シーズンの栃木のオフェンスの良い悪いはアシスト数に現れるのでGAME2以降は要改善が必要だ。

リバウンド数
栃木39本 − 千葉49本

前後半ともに千葉がリバウンドを制して、栃木が負けてはいけないところを負けてしまった。
千葉はパーカーがオフェンスリバウンドに奮闘し、要所でも石井がオフェンスリバウンドを抑えるなど大きな仕事をしていた。
栃木は前半悪くても後半盛り返す事が多かったのだが、栃木のリバウンドリーダーのロシターを怪我で欠く展開は少なからず影響してしまった。その中でも16リバウンド(OR3本、DR13本)と獅子奮迅の活躍だったギブスと、後半だけで8リバウンド(OR4本、DR4本)と体を張った竹内公輔の活躍はGAME2以降でとても重要になるだろう。

GAME2の感想

試合前に悲しいお知らせが…

#22 ライアン・ロシター選手が、5月4日(土)の試合中に負傷し、右腓骨骨挫傷と診断されましたのでお知らせいたします。(全治約2ヶ月)

この怪我によりライアンが出場できなくなった。本人が一番悔しいのはわかっているが、今シーズンの彼の活躍を見ているとベスト5に選出されてもおかしくないくらい素晴らしいパフォーマンスを披露したと思う。
それだけに、このようなシーズンの終わり方は想像していなかったし残念だったし、悔しかった。

そして…

千葉ジェッツが連勝で2年連続ファイナル進出決定。


スタッツから見るGAME2

栃木の失点数
88失点

栃木の88失点というのは今シーズン3番目に多い失点数。
一番多かったのが3/30のアウェイ千葉戦の86-95で負けた時の95失点。その次が11/3のホーム滋賀戦の90-93、12/8のホーム琉球戦の90-93の93失点。
気付いている方もいると思うが滋賀と琉球との試合はオーバータイムに決着がつく大激戦だった。つまり、今回のGAME2での83-88の88失点は栃木の今シーズン40分間で2番目に多い失点数ということ。千葉の強さがわかりますよね。

この試合では特に1Q、試合のスタートから富樫に好き勝手やられてしまい、ゴール下もギブスと竹内が奮闘したものの大黒柱ロシターを欠いた影響もあり苦しんでしまった。終始心が折れかけるようなオフェンスを千葉に展開されるも、意地で喰らいついた姿は心打たれた。

リバウンド数
栃木30本 - 千葉43本
(オフェンスリバウンド 栃木15本 - 千葉18本)

2試合ともリバウンドで負けてしまったことは栃木にとっては大きいことであり、千葉は注意していた部分だった。千葉はペリメーター陣のリバウンド数が15本、栃木が12本。栃木もロシター不在ということでリバウンドを全員で取りに行く姿勢は見れたが、千葉のリバウンドやルーズボールの意識の高さが結果として現れた。そして失点に繋がってしまったことを竹内も試合後語っていた。

ターンオーバーからの得点
栃木21得点 - 千葉13得点

栃木が88失点しながらも83得点できた要因はターンオーバー(以後TOV)から得点できたこと。
千葉の17TOVに対して栃木が21得点、栃木の11TOVに対して千葉が13得点。栃木は1.2得点/TOV、千葉も1.2得点/TOVだった。栃木がオフェンスリバウンドが奪えればもう少しこの得点は伸びたかも知れない。要するにリバウンドは栃木にとってそれほど重要な要素だったということ。

注目ポイントの答え合わせ

▲こちらのプレビューであげた注目ポイントの答え合わせをしていこうと思う。

千葉ジェッツの注目ポイント答え合わせ

攻守に厄介な石井講祐

プレビューでは厄介な男だが、CSでは活躍できていないと言っていた石井。RSの彼とは別人ではないかと思うくらいのパフォーマンスだった。2試合通じて得点することができず、大舞台に弱いということが言い切れてしまうかも知れない。ファイナルでどのような活躍ができるか注目したいところ。

富樫へのディフェンス対応

GAME1の対応はほぼほぼ完璧だと言っていいと思う。
問題はGAME2。試合開始から遠藤ではなく鵤や渡邉がマッチアップする事が多く、スタートから止められず千葉に1Qだけで26得点されてしまった。

ハイライトを見ると分かる通り、マッチアップしている選手が遠藤という場面が右コーナーのタフショットの場面のみ。千葉にうまくそういうシチュエーションを作られたと言ってもいいだろう。実況の永田さんが言うように「相手の心を折るようなオフェンス」だった。日本代表でもこれくらいやってほしい。まじで。
ファイナルでアルバルクが富樫をどのようにして止めるか注目したい。個人的には馬場をマッチアップで付けるような気がしてます。

小野龍猛の起用法

2試合通じて1秒もプレータイムが無かった小野龍猛。この様子だとファイナルでも出番が無い可能性が高いのではないだろうか。チェンバースと原が良いプレーをしているだけに無理に変える必要もない。もしかしたらこのままオフに…


栃木ブレックスの注目ポイント答え合わせ

比江島の活躍

バッシュに栗原、ロシター、田原、ロバーツの背番号を書いて試合に望んでいた比江島。彼本来の持ち味のオフェンス力と、栃木に移籍して培われたディフェンス力と諦めないで攻め続ける姿勢。その姿はまさに『栃木ブレックスの比江島慎』だった。
いらないTOVも確かにあったがそれを補う以上の得点力と貢献度があり、CSで4試合連続二桁得点を記録している。この調子でワールドカップでも活躍して欲しいところ。そして、来シーズンも栃木ブレックスでプレーしてくれたら嬉しい。


3Qの重要性
GAME1 : 千葉 19-11 栃木
GAME2 : 千葉 24-18 栃木

千葉と8試合戦って1度しか3Qのスコアを上回ったことがないと言っていたが、今回の対戦でも今までと同じように点差を広げられてしまった。
得点以上にGAME1ではライアン、GAME2では鵤が負傷退場してしまい『魔の第3Q』となってしまった。

田臥勇太の活躍

クォーターファイナルでは要所で大きな働きをしていた田臥だったが、セミファイナルではインパクトを与えるような活躍ができなかった。それほど千葉のインテンシティの高さが凄かったかということ。この結果をバネに来シーズン活躍している姿を見たいところだ。


展望で挙げたポイントの答え合わせ

インサイドの攻防

GAME1のパーカーはリバウンド面で印象に残るプレーが多く出ていて、得点面で言えばよく守れていたと言える。
GAME2では2Qと3Qで走られる展開にされた時にパーカーが持ち味のFG%の高さを示した。
今回の2試合ではパーカー以上にダンカンが活躍したことも大きく、いつもよりもプレータイムが少なかった。

ギブスはGAME1では得点面で苦しみながらもリバウンドで大きく貢献。16リバウンドは今シーズン2番目に多い。
GAME2ではロシターがいない分もスタートからエナジー全開で攻めた姿が印象深い。序盤ギブスの得点がなかったらもっと苦しい展開になっていたことが容易に想像できてしまう。GAME1で多かったリバウンドが今シーズン最少の3本になったのは意外だったが、持ち前のスティール力を発揮するなどロシターがいない穴を必死に埋めてくれた。ファウルアウトした後のベンチでの姿は思い出すだけで苦しくなる。


ラッキーボーイ候補と予想してた鵤と田口

GAME1で千葉が勝った要因の1つとして挙げたベンチポイントで13得点を挙げた田口。高確率の3Pとフリースロー(以後FT)で大きく貢献。
GAME2ではFTのみの得点だったが石井の調子が良くない中で大きな働きをしていたと思う。

GAME1で11得点を挙げた鵤。とはいえお世辞にも確率は良くなかった。千葉はアウトサイドシュートを打たせてもいい選手として鵤に打たせていた。彼は打つべき時に打っていたので入らなかったのはしょうがない。それ以上に彼がアタックすることで味方のスペースが生まれたり、アシストから得点したりと持ち前のペイントアタックは素晴らしかった。
最後の最後で大怪我をしてしまったのが本当に悔しいが、彼のプレーはチームやファンに勇気を与えた。


確率の悪いフリースロー

両チームとも確率が悪かったFT。
誰かが言ってた。

「GAME2フリースロー決めてれば栃木勝ってたじゃんw」

知ってる。両チームとも外してるから。もちろんFT決めたほうがいいに決まってるけど、それ以外のところに差があったと思う。

セミファイナルで活躍した選手

プレビューで取り上げなかった選手で個人的に印象的な活躍をした選手を挙げたいと思う。

西村は限られた時間で大きな仕事をしていたと感じたこの2試合。GAME1では11得点、3Pが3/4と大当たり。GAME2では得点面こそ伸びなかったが、3スティールに3アシスト、富樫のノールックのバックビハインドパスに3Pでしっかり応えてみせた。ルーズボールに飛び込むなど数字に現れないような部分でも仕事をしていた。

渡邉裕規はCS4試合の平均得点が二桁を超えた。GAME1では3P3本を含む14得点と3アシストで、これは両方ともチームトップタイの数字だ。GAME2では得意のFTを6本決め、最後には意地で3Pを沈めて11得点。何よりも2試合通じてTOVが1つというところ。これは本当に素晴らしく、今シーズンのナベを象徴しているスタッツでもある。今シーズンがセミファイナルで終わってしまったが今シーズンの栃木を引っ張ってきたのは間違いなくナベだったので、彼が活躍して負けてしまったのならばしょうがないと個人的には思う。


感想

千葉のディフェンスが素晴らしかった。率直にそこが大きかった。徹底されたスカウティングからの遂行力。特に栃木のセカンドユニットの時間帯は得点が停滞した。前までの千葉は個を活かした戦術といった感じのイメージだったが、今シーズンはチームとして戦えて我慢強いチームになったと思った。

栃木は残念ながらセミファイナルで今シーズンが終了。シーズンを通して怪我に泣かされたと言ってもいいかも知れない。そしてロシター、鵤、比江島と3人が怪我をするとは思わなかった。比江島は顔が腫れたぐらいとはいえロシターと鵤は重傷だ。

#18 鵤 誠司選手が、5月5日(日)の試合中に負傷し、左足関節外側靭帯損傷および左足舟状骨骨挫傷と診断されましたのでお知らせいたします。
(全治約6週間)

ポジティブに捉えるならば長いオフシーズンでゆっくり治療ができるというべきか。ただ、最後までコートでプレーする姿を見れなかったのが非常に残念だった。


もし田臥と喜多川が怪我をせずに1シーズン戦えていたら?
もし比江島が途中加入ではなく最初からブレックスで戦えていたら?
もしロシターが怪我無くGAME2も出ていたら?

タラレバを言い出したらキリがないのだが、どうだったんだろうと思ってしまう。恐らく違う結果だったんじゃないかな。

『BREX MENTALITY』から『ADVANCE』して臨んだ今シーズン。目標だった令和初代王者には届かなかったが、セミファイナルはブレックスが積み重ねてきたものが何なのかを示しましたし、ブレックスの在るべき姿を見せつけた試合だったと思う。本当に僕たちの誇り。感謝しかありません。

さいごに

読んでいただきありがとうございました。あの試合から数日経っていますが未だに悔しさが残っています。それと同時に来シーズンどうなるんだろうとも考えてしまいます。(気がはやい)

気が向いたらシーズンの振り返りも書くかも知れないので、そのときは読んでいただけたら幸いです。

P.S.

バスケットLIVE。お前だけは駄目だ。許せない。


おしまい

サポート頂いたお金はブレックスに使います!