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比江島慎の栃木ブレックス加入がもたらす効果を改めて考えてみた
1月9日11時27分、比江島慎の栃木ブレックス“復帰”が発表された。
1月5日にオーストラリアのブリスベン・ブレッツ退団が発表されてから様々な憶測が飛んだ。『ブレックスに復帰?』『もう一度海外挑戦か?』『Twitterのプロフィールから栃木ブレックス文字が消えて、Bリーグの文字は残ってるから他のチームに加入?』とブレックスファンだけでなくBリーグのブースターも彼の選択に注目していたと思う。彼が加入すれば間違いなくチームは強くなるだろうし、対戦相手としたら驚異でしかないだろう。
1月9日の早朝に下野新聞から比江島慎のブレックス復帰の報道が流れた。ブレックスの移籍情報といえばスポンサー様である『下野砲』である。
その後は上記の通りブレックス復帰が正式に発表され、リーグ登録手続き完了次第ベンチ登録が可能となる。先程終わった入団会見で鎌田社長からメディカルチェックなどスムーズに進んでいて問題なければ1月16日のアウェイの千葉ジェッツ戦からロスター登録されると語っていた。千葉ジェッツ戦でブレックスデビューを飾り、ブレアリデビューは23日のサンロッカーズ渋谷戦になるのだろう。
▼比江島コールが決まったとのことです。
天皇杯の悔しみと、比江島加入の楽しみが入り混じっているので、比江島慎がもたらす効果について思ったことを書いていく。
①オフェンスバリエーションが増える
今シーズンのブレックスのオフェンスの特徴は、ハイプレッシャーのディフェンスからトランジションの早い展開に持ち込みイージーに得点することがまずは理想。ハーフコートオフェンスの場合は、ピックアンドロールからズレを作ってボールを回してシュートを狙い、シュートが外れてもオフェンスリバウンドを回収し得点を奪う。
ブレックスはオフェンスリバウンド数は現在リーグ2位423本に対し、FG%は11位の44.5%と下から数えたほうが早い。
ちなみに天皇杯決勝で戦った千葉ジェッツがFG%1位の49.7%を記録しており、ブレックスはオフェンスリバウンドを奪いFG%の穴を埋めていた形だった。
比江島といえば『ヒエジマステップ』と言われている独特のステップが持ち味で、他の選手には真似できないような得点パターンを持っている。また、得点面だけではなくアシストでも貢献してくれるだろう。
▼ダブルピックからペネトレイト
また、比江島が加入したことで大きい部分がある。それはアウトサイドシュートの確率が高いこと。昨シーズンの三河のデータになるが、3P%が39.5%と高確率でありBリーグ初年度でも42.0%を記録している。
更に、彼は2P%も53.9%を誇っている。ここまでチームを引っ張っている遠藤の数字を出してみると2P%が44.5%なので、比江島の凄さがわかると思う。勝負強さが印象的な比江島だがここまで確率が高いことに筆者も驚きだった。
▼こんな試合もありました。
今シーズン接戦だったブレックスの試合では終盤の得点がインサイドに偏ることが多かった。例えば敗戦した滋賀戦、琉球戦、ホームでのアルバルク戦があげられるだろう。勿論ブレックスの強みではあると思うが、アウトサイドで安定的なスコアリング能力のある比江島の加入はとても大きい。比江島加入でナベや遠藤のパフォーマンスが更に向上することを期待したい。
▼比江島ベストプレー集。最後だけ見たくない。
主力選手の負担を大幅に削減
今シーズンは開幕前の喜多川の全治未定の重症から始まり、田臥が腰痛でリーグ戦25試合連続で欠場中。そのためバックコート陣はナベ、遠藤、鵤を中心に回してきた。
『思いのほか試合に出過ぎてる』とナベの言う通り今シーズンのブレックスは好成績とは裏腹に、台所事情はかなり厳しいところがある。2019年最初の試合では田臥、ギブス、山崎が欠場だった中、Bリーグ王者アルバルク相手に8人でローテーションを回してなんとか1勝をもぎ取った。翌週の天皇杯ファイナルラウンドも4日間で3試合も同様に戦い抜いた。決勝ではオーバータイムにまで突入している。
主なバックコート陣の平均プレータイムは以下の通りである。
昨シーズン→今シーズン
ナベ 17.0分→27.5分
鵤 19.3分→26.2分
遠藤 24.3分→26.0分
栗原 16.2分→16.2分
山崎 6.7分→15.0分
橋本 5.8分→10.7分
田原 3.1分→5.3分
過密日程の今シーズンの方が昨シーズンに比べてプレータイムが増えている。特にナベと鵤は顕著に現れていて、ナベと鵤、遠藤この3人がいなかったら今のブレックスはかなり厳しい戦いを強いられる。ちなみに今シーズンすべての試合に出場しているのはナベと橋本の2人のみ。
比江島は昨シーズン三河では25.9分の平均プレータイムを得ていて、去年の代表戦でも25分近くプレーしていた。これらから考えるとナベと鵤、遠藤のプレータイムから各3〜5分くらいは削って長く休めるのではないだろうか。ブレックスはローテーションのパターンがほとんど決まっているので、プレーする時間帯によって求められるプレーにより専念できるだろう。
欠場者の多い満身創痍の中で比江島加入は主力選手の負担を軽減する意味でもとても大きい。
ブレックス戦の観客アップ!?
日本代表のエース、去年のバレンタイン企画のモテ男No.1、BリーグMVP。
これほど話題になる選手の加入をマーケティングにも活かさない手はないだろう。
Bリーグなどを知らない人にも誘いやすい材料がブレックスには多い。アウェイでの試合で田臥勇太を見たさにブレックスとの試合を観に来る人がたくさんいることは今に始まったことではないし、今年ならば田臥、ナベ、ライアン、ギブスとオールスター出場選手が4人もいるのだ。天皇杯でベスト5に入った遠藤だって誘いのネタにも使える。そして比江島という日本代表のエースも加わった。
比江島とナベのBリーグイケメン2トップというところも女性を誘う上では重要ではないでしょうか?
盲牌をしているパートナーにもきっと誘いやすいはずだ。
また、3月には比江島の古巣である三河戦がブレアリで開催される。三河には昨シーズンまでブレックスに所属していた生原もいるし、竹内と喜多川も古巣対戦となる。そして、昨シーズンブレックスがCSで破れたチームということもあり、個人的に楽しみな試合。チケット争奪戦が予想されそうだ。
チケット発売は以下の通り。
ちなみに2019年最初のホーム開催であり、比江島のブレアリデビュー戦だと考えられるのが1月23日水曜開催のサンロッカーズ渋谷戦。
チケットの売れ行きは1月9日12時現在で下の画像のような状態になっている。
めちゃくちゃチケット余ってます!寂しい!笑
来場者全員に生ビールorソフトドリンク1杯無料!比江島グッズも発売開始です!
なので皆さんブレアリデビューの比江島のためにもブレアリを満員のファンで迎えましょう!!!
▼Bリーグ チケットのリンク
少しだけ懸念点
比江島の加入が楽しみなわけだが、すぐにフィットするとは限らない。
なぜならば1月は毎週水曜開催で試合があり、まとまった練習が取れない。ALL STAR期間中に連携面を高めたいところだったが、主力選手4人が富山に行ってしまう。まさかこんなことになるとは思わなかった(笑)
2月に入るとリーグ戦自体は少ないが、比江島の代表活動が活発になることが想像できる。
なので、代表ウィーク明けの3月から噛み合ってきてCS出場を決められればいいなと個人的には思っている。ブレックスは決まりごとの多いチームだと思うが、比江島のことだからすぐアジャストするだろうし、何より日本語でコミュニケーションが取れることはとても大きいだろう。
今の勝率を維持しつつCSに標準を合わせてチームを強化していく流れであれば特に問題はないかなと。
比江島がオーストラリアで得たものや学んだことは多かっただろう。だが、今までの彼のバスケ人生では考えられないほど試合に出場できなかったこともあり、モヤモヤだったり悔しさをもって日本に帰ってきたと思う。それらをBリーグで思う存分発散して、オーストラリアでの経験を見せつけて欲しい。彼の活躍をブレックスファンが全力で後押ししたいところだ。
攻守でチームを引っ張る遠藤は天皇杯ではベスト5に選ばれ『3&D』だけの選手ではないことを証明した。復帰時期未定の田臥も遅くともCS進出が決まる頃には戻ってきてほしいところ。また、先日のラジオ出演の際に昨シーズンの3P%王の喜多川がシーズン中には復帰できるくらい順調にリハビリが進んでいると語っている。
比江島だけでなく、彼の加入によりチームがどのような相乗効果で更に強いチームになっていくかも注目したい。
現在満身創痍のブレックスだが伸びしろが多く後半戦も楽しみだ。
まずは1月16日水曜日アウェイ千葉ジェッツ戦、天皇杯の借りを返しに行こう。そして、比江島がどんなプレーでブレックスファンだけでなくバスケファンを魅了していくか注目したい。
終わり
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