【22-23シーズン】宇都宮ブレックスの新加入選手と期待すること
こんにちは、hiroです。
今回は22-23シーズンに新しくブレックスに新たに加入する3選手についてフォーカスしつつ、新生ブレックスについて書いていこうと思います。
新加入選手のこれまでの経歴や、プレーの特徴、ブレックスに加入して期待すること、気になる点についてまとめてみました。一個人の考えではありますが、少しでも参考になってワクワクして頂けたら幸いです。
では早速書いていきます!
新加入選手のプロフィールと経歴
新たに加入した3選手のプロフィールと経歴を簡潔にまとめました。
そんな情報知ってるぜ!って方はスルーして先に進んでください。
笠井 康平
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ウィンターカップ準優勝
香川県出身の笠井は『カメ』と呼ばれるきっかけとなった丸亀東中学校を経て、強豪尽誠学園高校に進学。尽誠学園といえばNBAブルックリン・ネッツと契約した渡邊雄太の出身校であり、笠井は渡邊雄太の1学年先輩。笠井が高校3年生のウィンターカップでは、ノーシードから駆け上がり準優勝。笠井は準々決勝以降フル出場で渡邊雄太とともにチームの得点源として貢献。その後、強豪青山学院大学へ進学しました。
苦労した青学時代
当時の大学バスケといえば青学と東海の2強でしたが、笠井が高学年になるに連れ強豪青学の牙城が崩れていきます。笠井の2つ上には畠山俊樹、永吉佑也、小林遥太、野本建吾、張本天傑といったそうそうたるメンバーがいて、彼らが抜けたとほぼ同時期に長谷川健志HCも日本代表のHCに就任し青学を去ることになります。この辺りから風向きが変わりだし、更に追い打ちをかけたのが同級生の鵤誠司と船生誠也の退部。2人がNBLにプレーの場を移したこともあって笠井は苦労したようです。
キャプテンとして臨んだ最後のインカレでは青学をベスト4に導き、ベストファイブに選出。ベストファイブに選出される活躍を見せたものの、2016年の青学卒業後はプロの道には進まず実業団の四国電力への就職を決断。過去のインタビューでこう語っていました。いろいろと苦労したことが伺えます。
社会人からBリーグへ
皆さんは知ってましたか?実は四国電力時代に笠井はブレックスと天皇杯で対戦しています。Bリーグ初年度の2017年1月5日に対戦し99-66でブレックスが勝利。笠井はブレックス相手に40分フル出場し12得点8リバウンド2アシストの活躍でした。
四国電力に就職した笠井は実業団で2年プレーした後、18-19シーズンに名古屋Dに加入してBリーガーになった。実業団からプロに挑戦するにあたり、後輩の渡邊雄太だけでなく同級生の富樫勇樹や田渡凌が背中を押してくれたようです。(鵤には特に相談しなかったとのこと)
名古屋Dでの2シーズンは3番手のPGとしてなかなかプレータイムを得ることが出来ませんでしたが、20-21シーズンに当時B2だった群馬に移籍。そのシーズンは57試合中53試合にスタメン出場し主力として活躍、群馬はホーム無敗を含む52勝5敗という圧倒的な強さでB1昇格とB2プレーオフ優勝を果たしました。
B1初挑戦の群馬でマイケル・パーカーとともにキャプテンに任命された笠井でしたが、持病の腰痛で開幕に出遅れ、年末には右肩鎖関節脱臼で戦線離脱。群馬としてはB1昇格チーム歴代最高勝率を残しましたが、笠井個人は怪我や久々のB1に苦労して納得の行くシーズンを送れなかったのだろうと推測します。
その後群馬との契約が満了になり、ブレックスへ移籍といった流れです。ブレックスには青学出身者が数多く在籍するので、環境的には馴染みやすいのかなとは思います。
ヤン・ジェミン
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アンダーカテゴリー韓国代表から海外挑戦
韓国女子バスケットボール連盟の元事務局長の父と日本の大学に通っていた母の元に生まれ、今も仲の良いKBLでプレーしている2個上のお兄さんであるヤン・ジェヒョクとともにバスケに励んだジェミン。(お兄さんは現在は兵役中のようです)7歳からバスケを始め、アンダーカテゴリー韓国代表でキャプテンを務めたU16アジアカップでは優勝、U17ワールドカップはベスト8進出に貢献し、フランス戦では32得点を奪う活躍を見せました。
中学生の時にナイキのアジアキャンプに参加してから海外挑戦したいと思い始めたジェミンは、高校2年生で初の海外挑戦へ。スペインのプロクラブ3チームの入団テストを受け、トレロドネスのU18チームと契約。また、4部リーグながらトップチームにもコールアップされプロデビューも果たしています。NBAグローバルキャンプにも参加すると、現在NBAニューヨーク・ニックスに所属するRJ・バレットにマッチアップするなど活躍し、韓国籍選手初のキャンプでTop 10選手にも選出。
U19ワールドカップに出場した後、韓国の大学に進学するもアメリカ挑戦のために退学。NBAグローバルキャンプに参加した時、コーチに「あなた以外に英語ができない選手がいるか?バスケ選手であれば英語を話せなければならない。英語が話せるようになればアメリカでバスケができる」と言われたことも影響したとか。ちなみに父親はアメリカに行くことを反対していたようです。
NCAAのD1に進むために、まずアメリカの短大に進学しオファーを待った。実際にD1の10チームから連絡が来て、ジェミンが一番行きたかったのは強豪ジョージタウン大学(LJ・ピークの母校)。しかし、同時期に世界中でコロナが大流行。大学に進学できるか不透明な中で、夢だったNCAA進学を辞めてBリーグでプレーすることを決断します。母国である韓国のKBLだけでなく、BリーグやオーストラリアNBLの数チームからアプローチやオファーがあったようですが、勝久マイケルHCのラブコールを受けて信州に入団します。特に監督と英語で話ができたことが良かったとも語っています。ちなみに、韓国の報道によると2年契約で、信州の他に関心を寄せていたチームはSR渋谷と北海道だったようです。
信州での2シーズン
ジェミンがBリーグに来た年はアジア特別枠が誕生したというだけでなく、信州がB1に昇格したのと同時期。昇格したシーズンはどのチームも苦戦していますが、彼が苦労したのは他にも理由がありました。コロナの影響で多くの外国籍選手が開幕前に来日できず、ジェミンもチームに合流したのは開幕後。
マイケルHCが就任しB2時代から強固なディフェンスを構築してきた信州で、戦術やディフェンスシステムを理解し、プレータイムを勝ち取ることは日本人選手でも簡単なことではありません。現にプレータイムを貰えずシーズン中に移籍した選手もいましたから。ルーキーのジェミンがシーズン開幕後にこれらに順応しなければならなかったのは酷な話です。開幕直後の会見でマイケルHCが「非常に可哀想」とジェミンのタフな状況について話していたものの、最後まで信頼を掴むことが出来なかった悔しいシーズンとなりました。
信州での2年目は、オフに韓国で下半身強化を中心にトレーニングをし、シュート練習に励んで臨んだシーズンと語っています。12月の島根戦でキャリアハイの26得点した試合があり、プレータイムは1年目から平均4:30の13:31に伸びてはいるものの、思ったよりプレータイムが少なかったかなという印象。ただ、3P%が試投数が少ないものの21.6%→35.7%と成長を見せています。ジェミンは3月末の試合で負傷し韓国に帰国。その後信州との契約満了が発表されました。
韓国でも注目された今オフの動向
韓国ではジェミンがKBLドラフトに参加するのかに注目が集まりました。ドラフトに参加するか2週間悩んだことや、関心を持っているBリーグのチームが複数あり「思った以上に良い評価を受けた」こと、エージェントが信州が再契約に動いてる他に3チームから連絡があったとも韓国で報道されています。その後、ジェミンは日本でプレーすると決め、数日後には『Bリーグ優勝チーム宇都宮ブレックスと2年9億ウォンで契約』というニュースが日本にも届きました。
▲公式よりも先にブレックスと契約が報道された韓国の記事
信州時代から約6倍の年俸になり、2年で60~70万米ドルでの大型契約になったとも報道されています。円安…(笑)ちなみに、ジェミンと同年代のKBL選手の年俸が7000万~8000万ウォンとも書かれており、単年換算にしても約5倍以上の金額。KBLでドラフトされるとそれよりも低い金額の年俸になるとのことなので、大型契約と書かれても不思議ではないです。
ある韓国の記事では「優勝チームから連絡が来て光栄だった。信州にいた時、あんなチームでプレーしてみたいと考えを持っていたから、連絡が来てビックリした、予想外だった」「契約して興奮していると同時にプレッシャーも感じている(意訳)」などと心情を述べ、契約の経緯も書かれていました。ブレックスがオファーする前には他のチームからオファーがあり、そのオファーは3年契約で金額も最初はブレックスよりも良かったようです。ブレックスは金額を修正し再オファー、佐々HCが「スペインやアメリカで挑戦している時から見ていて、今よりも高いレベルに行かないといけない選手(意訳)」と説得。ジェミン自身も韓国代表になりたいので信州時代以上のプレータイムを望んでいると伝えた際には「今のロスターでシーズンを戦うのはかなり厳しいから、内外出来る若い選手が必要だ(意訳)」とも言われたようです。この返答に悩む余地なくBリーグ王者ブレックスと契約しました。もしかすると、優勝してなかったら来てなかったかも?
ジェミンのことを調べていて感じたのは、日々の成長を求め誰もやったことのない道に挑戦する気持ちが素晴らしいということ。ブレックスにも田臥勇太という日本バスケ界のパイオニアがいますし、ジェミンにとっては良い環境になるのでは感じました。
ジュリアン・マブンガ
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幼少期と学生時代
南アフリカ共和国の隣国、ジンバブエで生まれ育ったジュリアン・マブンガ。ジンバブエは貧困で幼少期は大変だったと語っている。マブンガが9歳の時にアメリカに引っ越し、アメリカの環境に慣れることにも苦労したようですが、両親が与えてくれた環境に感謝し、両親が苦労し努力してきたことを理解しているから、常に頑張らないといけないとも語っています。
バスケを始めたのは高校1年生の14歳。アメフトで遊んだ帰り道に突然車に乗った男性から「バスケをやったことある?」か聞かれて「やったことない」と言ったら「明日トライアウトあるから受けてみなよ」と言われたのがきっかけだったようです。声をかけた男性はマブンガが通う予定の高校のバスケ部の監督で、マブンガは当時約198cmと大きかったこともありトライアウトに合格してバスケを始めるというマンガのようなストーリー。
バスケを始めた当初はレイアップも外すくらい下手くそで最初は練習以外でも5時間練習してスキルを身に着けたと語っていますが、最終的にはNBAでプレーしている同級生のゴードン・ヘイワードとマブンガ2人でチームの得点の7割を稼ぐ主力選手として州大会で優勝を成し遂げます。プロになってからは、マブンガはヘイワードからガードのスキルを、ヘイワードはマブンガからポストプレーのスキルをワークアウトで学び合うほどの仲で、ヘイワードがマブンガにBリーグオールスターの投票を呼びかけていたのが当時衝撃でした。
▲州決勝の決勝点はマブンガのアシストからヘイワードがスコア。動画の最後には2人でトロフィーを掲げている
▲ヘイワードがマブンガをBリーグオールスターの投票を呼びかけていて驚いた
高校を卒業したマブンガはマイアミ大学へと進学。マブンガと同い年には凄い選手が多く、名だたる選手たちと対戦しています。有名なNBAプレイヤーだとカワイ・レナードやカイリー・アービングやジョン・ウォール、セス・カリーやモリス兄弟、Bリーグ関係だとアルバルクに所属していたデショーン・トーマスとも対戦していています。大学時代対戦した中でベストプレイヤーだったのはジョン・ウォールとも語っていました。
ブレックスに来るまでのプロキャリア
マブンガはイタリア、ウクライナ、アメリカGリーグ、イスラエル、コソボでプレーした後、日本でプレーしています。プロ一年目の時のポジションは今とは違い5番で、当時はスリーポイントをほとんど打っていませんでした。また、体重も116kgあったようで、イタリアでチームメイトだったクレイグ・ブラッキンズがPF、マブンガがCとしてプレーしていたとも語っています。彼らはBリーグ初年度滋賀でもプレーしていますが、その時はマブンガがPF、ブラッキンズがCだったのでポジションが逆転していますね。ちなみに、海外サイトでマブンガの体重が116kgと記載されているのは、ルーキーシーズンから訂正されていないからだそうです。
最初に日本でプレーしたチームは2015年当時bjリーグに所属していた滋賀レイクスターズ。そのシーズンはチームの得点王として牽引し、チームは歴代最多の35勝を記録し西地区12チーム中5位でプレーオフ進出。プレーオフファーストラウンドで浜松(現在の三遠)に連勝したものの、カンファレンスセミファイナルではレギュラーシーズン西地区1位の京都との京滋ダービーで連敗しbjリーグのシーズンを終えました。
Bリーグが開幕した滋賀での2シーズン目は、昨シーズンから大きくメンバーが変わり、開幕後の11月にはアメリカ挑戦していた並里成の加入が当時話題になりました。ただ、成績は振るわず途中まで全体最下位だったものの、滋賀に春が来て4月以降10勝3敗と猛烈に勝ち上がり、残留プレーオフを回避。個人スタッツランキングでは上位にランクインし実力を示しました。
翌シーズンから3シーズンは京都ハンナリーズでプレーします。京都時代のマブンガはボールハンドラーをする機会が増えアシスト能力が開花。また、17-18シーズンにアシストの定義が変わったことによりアシストの数が増えました。
17-18シーズンの京都はジョシュア・スミス、永吉佑也、岡田優介、晴山ケビン、伊藤達哉らを中心に旋風を巻き起こしたシーズンでした。天皇杯ベスト4を皮切りに34勝26敗で初のCS進出を果たすも、スミスが5試合の出場停止でCSに出られず、マブンガもQFGAME1終盤にアンスポとテクニカルファウルを立て続けに貰ってGAME2は出場停止。躍進したシーズンは後味が悪い最後でした。
18-19シーズンはスミスが移籍し相棒がデイヴィッド・サイモンに変わりました。マブンガのアシスト能力が大きく花開いたのがこのシーズンで、前のシーズンから倍以上の8.5アシストを記録しアシスト王を獲得。このシーズンだけでトリプルダブルも7回達成。京都はCS進出を逃したものの天皇杯は2年連続のベスト4、マブンガが唯一ブレアリで勝利したのがこのシーズンの試合で、39得点8リバウンド10アシストのパフォーマンスでブレアリを黙らせていたことを鮮明に覚えています。あと、遠藤がマブンガの絡みにタジタジになっていたのもこのシーズンのアウォーズでした。参考リンクにその動画貼っておきます。
▲今や十八番になっているマブンガのパスフェイク
途中で中止になってしまった19-20シーズンは、松井啓十郎を加え強力な攻撃力を見せつけた試合もあれば、マブンガとサイモンが怪我で欠場なども影響し13連敗した乱高下のあるシーズンでした。その中でもアルバルクや千葉や琉球や川崎といった強豪も撃破し、噛み合った時の強さは見せていました。規定試合数に乗らなかったものの平均8.9アシストで前シーズンを上回る活躍を見せています。
20-21シーズンからは富山グラウジーズへ移籍。移籍した理由を「ハマグチ」と言うように、ともに富山に移籍した浜口炎HCの影響が大きかったようです。このシーズンだけで30得点オーバーが6回、トリプルダブル7回と大爆発し、2度目のアシスト王に加えベストファイブも受賞。特に2OTまでもつれた千葉戦でのパフォーマンスは富山ブースターだけでなく、他のチームのファンブースターも熱狂させました。マブンガ自身2度目のCSではQFで敗退したものの、琉球をあと一歩のところまで追い詰めました。
▲千葉戦ハイライト。何度見てもすごいけど4Q最後のフリースロー決めていれば…
キャリア最高のシーズンを過ごした翌シーズンの21-22シーズン(昨シーズン)は膝の怪我に苦しみ、スタッツを落としてしまった。富山自体も主力の若手が移籍し苦しんだ1年だったと思います。それでもトリプルダブルを2度達成していたのは流石です。
bjリーグ出身で7シーズン連続B1でプレーし続けている唯一の外国籍選手のマブンガは人気もあり、21年と22年のオールスターにも選出。特に21年はファン投票でスターティング5に選ばれ、田臥、比江島、ギブス、ロシターといった当時ブレックスに所属していた4選手に囲まれて「これはブレックスに招待されたオールスターだ」と冗談交じりに話していました。開催されなかったのが残念です。また、去年バスケットボールキングで行った『Bリーグ歴代最高の外国籍選手ランキング』では1位に選ばれています。そんな選手がブレックスに加入しました。
余談ですが、マブンガの妹はWNBAでもプレー経験があるバスケ選手で、弟は昨シーズン奈良でプレーしたジョーダッシュ・マブンガ。マブンガには元WNBAでプレーしていた奥さんがいたのですが、現在はお互いSNSのフォローが外れていました。今はお一人なのかもしれません。だから夜な夜なCoDが出来るのか?
新加入選手のプレースタイルと期待すること気なること
ブレックスにはディフェンス、リバウンド、ルーズボールを大切にするカルチャーがあります。これらを40分間徹底して遂行する覚悟を持っているか?
ということで、新加入選手のプレースタイルと期待すること気になることを書いていきます。
笠井 康平
ゲームコントロール
笠井が2シーズンプレーしていた群馬にはトレイ・ジョーンズ、マイケル・パーカー、ジャスティス・キーナンといった個性が強い主力選手が揃っていて、彼らを2シーズン気持ちよくプレーさせるためにコントロールしてきた経験値には期待したいです。群馬のような癖の強い選手はいないブレックスとは勝手が違うと思いますが、仲間の長所を掴んで、アドバンテージを上手に活かして欲しいです。そういう点では田臥やナベがいることで成長することも期待してます。
もう少し3Pを決めてほしい(シュート打て)
対極になるかもしれませんが、アグレッシブなプレーも見たいです。プレシーズンを見て思ったのが「今シュート行けたのに」というシーンがプレータイムの割に多かったこと。シュートを打つべき時に打たないから手詰まりになり、タフショットやターンオーバーが増える。攻める時は攻める。攻めない選手は怖くない。オープンになったら積極的にシュートを打って欲しい、決めてほしい。そして、スリーをもう少し決めてくれると助かります。正直スリー成功率が30%乗ってないのはキツい。
前線からのハイプレッシャー
個人的に一番期待したい部分は前線からのディフェンスです。昨シーズン、ディフェンスでの役割が大きくなっていたテーブスがいなくなってしまったので、ベンチから出てきて相手ガードを苦しめさせるような活躍を期待したいです。プレシーズンを見た現状だと、笠井のプレータイムはそれほど多くはないと思います。まだまだ改善しない点も多いと感じるものの、HCが笠井の前線からのプレッシャーに対して拍手を送っていたシーンもありました。また、笠井自身も過去にディフェンスを強みにしたいとも語っていたので、この部分は今シーズン頑張ってほしい。少ない時間でもブレアリを沸かせ、ベンチからディフェンスで流れを変えてくれるような存在になってほしいです。
ヤン・ジェミン
▼信州での2シーズンのハイライト
▼キャリアハイの26得点をマークした島根戦のハイライト
2.3.4番をプレー出来るユーティリティ性
韓国では世代屈指の選手だったジェミンは、攻守にいろんなことが出来る選手だと思います。オフェンスではポストもできるし、ハンドラーもできるし、3Pも打てるようになった。明確な武器を身につけるのはこれからの課題だと思いますが、ブレックス側も彼のポテンシャルには期待しているはず。
ディフェンスでは信州で揉まれただけあり、フィジカルも強くリバウンドも強い。EASLでは外国籍が2人しかエントリー出来ないので、4番起用の可能性もあると思います。プレシーズン仙台戦では外国籍相手にも問題無くマッチアップしリバウンドが強かったことは嬉しい収穫。
スリーの試投数を増やして欲しい
毎年オフシーズンはスキルファクトリーでワークアウトを積んできて(中3の時から通っている個人トレーニングが出来る場所)最近はシューティングを重点的にトレーニングしていると語っていたジェミン。その成果は着実に出てきています。スリーは本数自体は少ないものの、ルーキーシーズンの21.6%から昨シーズン35.7%へと成長。これはブレックスでも伸ばしてほしい部分です。ブレックスは昨シーズンセカンドユニットの日本人選手のスリー成功率の確率が低かったこともあり、ジェミンがスリーのアテンプトを平均2本以上に増やして昨シーズン以上の成功率を残してくれるとブレックスとしてはいろんな意味で大きいです。
ミスマッチでのポストプレー
B1で外国籍選手を除く、帰化アジア枠と日本人選手のSF登録の選手の中で3番目に身長が高いヤン・ジェミン。ミスマッチを作りながらジェミンのポストプレーで得点するオプションは面白そうだなと思いました。
下のプレーは主に比江島にポストプレーをやらせるためによく使われていたセットですが、ジェミンでも使えそうだなと。
ジェミンは若いぞ、たくさん使え
韓国ではグループの最年少者をマンネと呼びますが、ブレックスのマンネがジェミンです。荒谷の1個下の23歳で、日本人選手ならば大卒ルーキーと同じ学年。ブレックスの日本人選手はリーグ最高齢の32.4歳(2022年9月23日現在)そして海外遠征の伴う過酷な日程の中では若くて動ける選手は何人いてもありがたい状況。20分近いプレータイムの試合が増えると、ブレックスの未来は明るいと感じています。もちろんミスもたくさんすると思いますが、それらを織り込んででも個人的には長くプレーを見たいです。
イケメン
プレーとは関係ありませんが、今シーズンのB.LEAGUE モテ男 No.1の座はブレックスのヤン・ジェミンに決まりました!おめでとうございます!
ジュリアン・マブンガ
▼昨シーズン、トリプルダブルを達成した京都戦のハイライト
▼昨シーズン、トリプルダブルを達成した信州戦のハイライト
▼昨シーズン、琉球戦のハイライト
リーグ屈指のオールラウンダー
得点、アシスト、リバウンドをどれも高水準で結果を残し、アシスト王2回とベストファイブの受賞歴を持つマブンガ。皆さんご存知の通り、リーグを代表するオールラウンダーです。代名詞となっているトリプルダブルはBリーグでこれまで17回も達成しています。
リーグ屈指のスタッツを残す一方で気になるのが、プレータイムの多さ。bjリーグ時代を含めた日本に来てからの平均プレータイムは30分を超えています。輝かしい成績を残せるシーズンもあれば怪我に苦しんだシーズンもあり、Bリーグ6シーズンのうち半分は規定試合数に達していません。プレシーズンを見た感じだと、昨シーズン苦しんだ膝のコンディションも万全ではない印象です。
ブレックスに移籍してプレータイムはコントロールされ、多くても25分前後のプレータイムに落ち着くのではないかと思います。その中でマブンガに一番期待しているのは、比江島のいない時間帯、セカンドユニットでのプレーメイク。昨シーズンのブレックスはセカンドユニットのオフェンスが課題でした。マブンガには積極的にボールハンドラーとしてプレーメイクしてもらい、気分良くオフェンスを組み立てて欲しい。
小難しいスタッツで表すならば、USG%が25%くらいであれば良いかなと。昨シーズンのCSでフィーラーのUSG%が25.4%だったので、それくらいですね。マブンガがあの時のフィーラーくらいボールに絡んで気分良くオフェンスを展開できれば、周りの日本人も気分良くプレー出来るはず。ブレックスの選手たちは賢い選手が多いので、お互いが良いところを引き出し合える関係になれると思います。本人は「オフェンス中心の役割を担いたい気持ちはない」と言っていますが、これまでが担い過ぎてたのでこれくらいはやってくれることを期待したいです。
フリースローが貰える選手
フリースローを打つ本数もリーグ屈指の多さを誇るマブンガ。もちろんボール持つ時間が多いこともありますが、駆け引きが非常に上手なのでファウルを貰いに行くプレーも得意です。チームの流れが悪い時に個の力で打開してフリースローを貰うシーンも何度も見せています。
ただし、フリースロー成功率はブレックスクオリティ(笑)70%は超えて欲しい…
今シーズンこそチャレンジしてほしいビッグラインナップ
昨シーズン志半ばで終わってしまったビッグラインナップ。竹内公輔+外国籍2枚の大型ラインナップにマブンガが加わることで、ディフェンスだけでなくオフェンスでも驚異になれることを期待したいです。ナベや喜多川のサイズの小さい選手がシューターとしてオープンでのシュートが増えたり、マブンガをPGにして荒谷やジェミンといったサイズのある若手を同時に起用して過去最大級の大型ラインナップも出来たりと、器用なマブンガがいるだけでオフェンスの可能性がめちゃくちゃ拡がるんじゃないかなと。この部分はプレシーズンでは見ることは出来なかったので、開幕が待ち遠しい部分です。
うまく行かなかった時のマインドセット
リーグ屈指のオールラウンダーはこれまでボールを沢山持ってプレーしてきました。良い時があれば悪い時もあるもんで、マブンガは過去に1試合のターンオーバー10個を記録した試合があります。
▲マブンガ1人で10ターンオーバーした試合
ターンオーバーを連発からの失点が増え、ディフェンスの強度が落ち、それが仲間に伝染していくのが一番避けたいパターン。そこの部分のマインドセットが恐らくブレックスファンが不安視しているところじゃないかなと。チームとしてマブンガのターンオーバーをどの程度許容し、マブンガのメンタルをどうコントロールしていくか。マブンガ自身も自己犠牲すると口にしていますが、それが最初から最後まで継続することは簡単なことではないし、口では何とでも言えるので、まだ懐疑的な部分があるのが正直なところ。何事もうまく行かなかった時に人間の本性が出ますから、そうなった時にチームとしてどう乗り越えるのか注目してます。
新シーズンのブレックスのあれこれ
新ヘッドコーチが赤裸々に話しちゃっているこちらの動画は皆さん見ましょう!こちらの動画の内容も踏まえつつ、新加入選手以外のことなんかも書いていきます。
外国籍選手は新ヘッドコーチ好みの選手たち
今回のブレックスの外国籍は、宜央ちゃんが好んでいる選手をしっかり獲得できたということがわかりました。スコットは宜央ちゃんが琉球時代に獲得した過去があるし、去年はフォトゥ獲得を進言したと動画で話していて、今回のマブンガ獲得もロスター編成の状況を見ながらだったようなので、満足のいく獲得だったと思いました。
ATOはヘッドコーチの色が出てて良い
昨シーズンのHC代行で指揮した広島戦もそうだったのですが、タイムアウトの後のセットオフェンスがこれまでブレックスが使っていないようなプレーが多く、プレシーズンの段階から面白かったです。昨シーズンは勝負所でタイムアウトを使ったのに「もう少しやりようがあったのでは…」と思ってしまうシーンも多々あったので、今シーズンのATOにはすごく興味があります。
ベテラン達の有効活用
特にマブンガが来たことによってセカンドユニットでプレーするベテラン達がロールプレイヤーとして昨シーズン以上に機能させたいのだろうなというのは感じました。
昨シーズンのブレックスのスリー成功率はリーグ9位と中の上といった具合で、正直セカンドユニットで出ている選手のスリー成功率には物足りなさがありました。ナベは得意だったプルアップの精度が落ちていて衰えを感じるし、喜多川は怪我の影響もあったもののシューターでスリーの成功率30%を下回ったのは厳しかった。ただ、マブンガがプレーメイクする時間が増えることで、ナベと喜多川がスポットアップの良い形でシュートを打つことが増えそう。2人はコーナースリーの成功率が非常に高く、良い形でパスを供給されれば高確率で決めきれる力がまだあると思っています。
公輔は特にEASLで頑張ってもらわないといけない選手。外国籍選手が2人しか使えないので、15分以上のプレータイムになると思います。ソウルは外国籍選手が2m以下、韓国人には2mオーバーの選手が5人ほどますが公輔より高い選手はいません。ベイエリアには225cmの中国人がいるなど公輔より高い選手が何人かいます。TNTのロスターもソウルと同じような感じのようです。スピードを突かれると厳しいですが、インサイドのディフェンスとリバウンドは何としても頑張ってもらいたいところ。そこ次第でEASLで外国籍をフォトゥにするか、マブンガが使えるかが決まるのかなと思っています。アクシデントが無い限り大黒柱のスコットは起用するでしょうから。
田臥は13番目の選手で、プレーイングマネージャーのような立ち位置なのかなと思います。笠井やジェミン、荒谷や今後入ってくる特指の成長を促して欲しいです。あとはワンポイントでチームを落ち着かせてくれる精神安定剤的な存在かなと。
とは言っても若手の成長は必須
特に荒谷とジェミンの成長無くしてブレックスの未来は無いと言っても過言じゃないと思ってます。2人が成長してほしい理由は今シーズンの話で言うと3つあります。
ひとつはマブンガがいない時のセカンドユニットを引っ張って欲しいから。先程触れたとおりEASLは外国籍選手が2人しか使えないので、マブンガを使えない可能性があり、リーグ戦でもコンディション不良で出れないこともあり得えます。プレシーズンを見て感じたのは、ベテラン達だけでセカンドユニットのオフェンスを動かすのは正直厳しそうだということと、荒谷がハンドラーをやる機会が増えて課題もあるけど好印象だったということ。ジェミンが初戦の仙台戦以外のプレータイムが減っているのは気がかりですが、彼にも絡んできて欲しいです。
ふたつ目はジェミンに期待することでも触れましたが、海外遠征の伴う過酷な日程の中でベテラン達を長時間使うことは怪我のリスクが大きすぎる点。ジェミンが荒谷もキツいことは変わりないのは重々承知だけど、チャンスだと思ってたくさんプレータイムを勝ち取って欲しい。出られれば成長すると思うので。
最後はCSを標準を合わせた時の戦い方。今シーズンもCSに出ることは簡単なことではないけれど、CSに出た時に荒谷とジェミンがどの程度試合に絡めるかでブレックスの結果も変わってくると思います。ベテラン4人は昨シーズンのCSでプレータイムが減っています。そしてCSでは移籍したテーブスが平均18分出ていたので、単純計算この18分を埋めなければならない。強度が上がるCSで若手が絡めるくらい成長して欲しいし、経験値としてもプレータイムが増えてほしい。そのためにもリーグ戦でプレータイムを勝ち取ること。荒谷とジェミンには個人的にかなり期待してます。
ディフェンスは少し心配
フィーラーとテーブスはディフェンス面で大きく貢献したことが優勝にも繋がっているので、この部分は少し心配です。身体能力を活かしたテーブスの貢献の部分が個人的に不安ですかね。荒谷とジェミンはもちろんですが、ここは笠井に頑張ってほしいという希望を持って見守ります。マブンガはプレシーズンでショウディフェンスをして驚いていた人もいましたが、ちゃんとやると言っているディフェンスがどの基準で出来るものなのかは気になるところです。シーズン通してバチバチにディフェンスをするマブンガは不安がありつつも楽しみにしたいですね。
終わりに
日本人がリーグ最高齢の平均年齢に目を向けなければ、今オフのブレックスのオフの補強は理に適っていると思います。
開幕したらリーグ戦の試合に加え海外遠征の伴うEASLがあり、コンディションを整えることが最優先になると思うので、シーズン中に色々と手を加えることも難しいと思います。そういったことを加味してロスターの入れ替えを最低限にし、ケミストリーの構築されているベテラン勢を中心にピンポイントで補強した選手たちと融合させていく。個人的には若くて伸びしろのある選手を多く見たい派ではありますが、昨シーズンの弱点を補強した良いオフの動きだと思いました。(流石に来年は日本人選手の入れ替えをしたほうが良いと思いますが)ただ、ベテラン達の衰えも目に見えてわかる状態なので、ディフェンスの強度が毎試合継続できるかは不安なところです。
兎にも角にもやってみないとわかりません。EASLもあり未知で過酷なスケジュールですから、ヘッドコーチも強調していたようにまずは怪我無く戦い続けることが一番重要。昨シーズン同様に成長しながら戦うシーズンになると思いますし、開幕する前からネガティブになっても仕方がないので、いろいろ妄想しながら開幕を心待ちにしましょう!
よろしければ、いいねやリツイートもよろしくおねがいします。リプライや引用リツイートで感想もお待ちしてますよ。投げ銭も非常にありがたいですm(__)m笑
読んでいただきありがとうございました!
参考リンク
すべてこちらのnoteに載せております。気になる方はご覧ください。
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