「農山漁村キャリア」のガイドブック 地球のローカル仕事図鑑を製作します。
脱都会型ライフ・キャリアシフトの未来を示す。
アースカラー・地球のしごと大學では、「地球のローカル仕事図鑑」を製作しています。「地球のローカル仕事図鑑」とは、農山漁村の未来を創る仕事を集めた図鑑です。
都会を脱し農山漁村へ足を踏み入れることを考えている人へのガイドブック
となることを目的に製作します。
「地球のしごと」とは、地球にとっても良いしごと。
社会、地域、他人、自分自身のために「よいしごとをしたい」と誰しもが考えますが、私たちはここに「地球のために」も入れています。
グローバルよりもローカル、都市集中よりも地方分散、大規模よりも小規模、廃棄よりもリサイクル、分断や独占ではなく循環共生を大事にします。
現在、地球は大変革期です。グローバル資本主義システムが地球上を席巻し、地域社会、農山漁村は消滅していく危機に瀕しています。個人のキャリアを考える視点も混とんとしており、誰にもあてはまる正解は無い時代です。
人生を楽に効率よく歩もうとすれば、偏差値の高い学校に入り、有名企業を目指し都会で高収入を得る生き方が合理的です。しかし、効率とか収入とかそれ以上に重要なのは心の豊かさであり、自然と共生した真に安心する生き方である、という方には、ぜひ本書に期待してもらいたいと思います。
世に言うキャリアプランも、都市一極集中となっていますが、農山漁村回帰のキャリアプランもある、ということを示したいです。
日本の農山漁村のしごとが地球を救う。と本気で思っています。
農山漁村での暮らしも視野に入れている方へ、ライフ・キャリアシフトの羅針盤となれば幸いです。
昔ながらの日本の仕事にフォーカス
私たちは、大自然や動植物、地域社会という隣人や、社会的弱者やマイノリティなどこの世界の森羅万象と共生を志向する、日本の昔ながらの仕事に魅了されています。
世界を見渡しても日本ほど長く続いている国はありません。万世一系の君主が2000年以上治める世界唯一の国。他民族による侵略や体制変革もなく天皇家という統治の仕組みがこれだけ長い期間治めている奇跡的な国です。なかでも江戸時代は大きな戦争もなく、あらゆるものを大事に使い切る究極にエコロジーな世界を実現していました。また、最近では日本の縄文時代が注目されています。狩猟採集型の発展前の未開文明社会と歴史の授業で習ってきましたが、戦争の痕跡が無く、1万年以上にもわたり平和が続いたという、実はとても高度な精神性や技術も持ちながら、あえて竪穴式住居に住み、自然、動植物と共生する暮らしを続けてきた人たちがいた、という説が浮上しています。
いずれにしても、そのような日本の土台を支えてきたのは豊かな大自然の恵みを生かし、全国津々浦々の農山漁村で営まれてきた地縁共同体で暮らし働く人々です。それらの生きる知恵と技術を絶やしたくありません。
持続可能性とかSDGsのようなサステナブルを探求するならば、本来、日本の農山漁村が最先端であり、一番に研究する対象ではないでしょうか。
日本の昔ながらの仕事にフォーカスを当てたいと思っています。
現代版にアップデート
しかしながら昔の仕事をそのままだとお金が稼げないので、非現実的です。理念だけでご飯は食べられません。
そこで日本の昔ながらの仕事の良い点を大事にしつつ、現代版にアップデートをするということが必要です。昔のことはなんでも素晴らしいと盲信するのではなく、クリティカル(批判的)に見ながら、見合ったテクノロジーを選択して活用し、学術的知見なども取り入れてアップデートするのです。それにより現代でも通用し、地球にとっても良い、稼ぎ仕事となる可能性がでてきます。
例えば、下記のような地球のしごとモデルが挙げられます。
●自然栽培農業
●自伐型林業x伝統構法大工
●森のようちえん
いずれも昔ながらの知恵や技術が詰まった農山漁村に必要な仕事です。どのように現代で稼げるような仕事に昇華していくか、それがポイントです。それらの情報も詰め込みます。
「地球のローカル仕事」3つのgoodpoint
また、地球のローカル仕事は、地球や地域社会に下記3つの利益をもたらすという点で定義し、チョイスしています。
①地域内で循環する
地域内経済循環のモデルとして、「漏れバケツ理論 」があります。
地域外から外貨を稼ぎ、地域へお金を流入させる仕事を増やし、入ってくるお金を地域内で循環させます。できるだけ地域外へ出ていく消費を減らします。つまり、域内で素材生産や仕入れを行うことを促します。地域が自立するためには、地域プレイヤーがチームとなって地域経済を回す必要が有ります。
②生態系が豊かになる
その仕事があることで人間のみならず、あらゆる生命が豊かになる仕事を重視します。虫や動植物が増える、土壌微生物が増えるなど。強く大きいものだけでなく、小さく弱い存在も活躍の場を得られる。老若男女みんなに役割を提供できるようなあらゆる生命が共存共生する場を提供する仕事となります。
③土地の気候風土・歴史・伝統文化を大事にする
その土地にしかないもの。積み重なってきた歴史。気候風土、そのなかで育まれた伝統文化。そして地域で信仰されてきた神様、行事、お祭りなどを大事にします。目に見えないご先祖様の想いや先人の視線を意識した、短期志向ではなく長期志向での継続的な営みが展開されます。
これら3つの観点を大事にした仕事を再生し、足元のローカルから変化を起こしていくことで地球全体が変わっていく。結果的に、「地球のローカル仕事」に就く人を増やすことこそが、地球のあらゆる危機の解決に向けた一番の近道だと考えています。
「地球のローカル仕事図鑑」2025年3月までには発行する予定です。ご期待ください。
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