あまねくエンターテインメント小説は、ハリウッド的でなければならないのか?
横綱と初顔合わせして敗北し、逆に満面の笑顔を見せる新入幕力士の気持ちが分かりました(挨拶)。
と、いうわけで、不二川です。
今日ほど痛烈に、このnoteを更新しなければ! と、変な使命感に目覚めたことはないと思う今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回の記事は、「アルティメットKO!」とかいった話です。
前回までのあらすじ
さて。少し前に、こんな記事を書かせて頂きました。
ココナラでの添削サービスを依頼する「前」に、「痛いところを突かれた!」とかいった話ですね。
本日、予定より早く、くだんの出品者さんから、正式な講評の納品がありました。
コテン&パン
前掲の記事の通り、サービスの購入前の時点で、既に致命傷レベルの指摘をされました。
はたして、どのような講評をされたのか!? ドキドキしながら、添付ファイルを開き、読みました。
「勘弁してくれえええええッ!! 俺の負けだああああッ!!」
……と、思いました。
真っ赤っかな点数!!
一言で、「100点満点中、文章表現を90点とすれば、ストーリーやプロットは5点」と言われました。
いえね? 別に僕も、「侮辱された!」とか、「人格を否定された!」とか言う意味で、怒ったりはしないんですよ。
承認欲求を得たければ、もっとマイルドな添削サービスをしてくれる出品者さんを選びます。こちとら「本気」なんですから。
実際、ストーリーの惹きも弱かったですし、ご都合主義的なところもありました。
いやあ、しかし、ストーリーの構成に関して、及第点はおろか、「ちょっと頑張ったかも知れないのび太」レベルの点数だったことには、なんかもう、「ですよねー」と、逆に全同意したくなる程度でした。
いやまあ、ヴッちゃけ、泣きそうになったんですけどね?
改善案!! だが!?
ただし、もちろんと言うべきか、ディスられっぱなしだったわけではございません。詳細に、改善、改稿の提案を頂きました。
講評を下さった方の基準は、いわゆる「ハリウッドのエンタメ脚本の法則」、ないしは、「少年ジャンプの連載作のお約束」でした。
いえ、それがすなわち悪だ! などと断ずるつもりは、毛頭ないのですよ。なんせ、読者がお金を払う以上、そこには、「お金を払うに値する面白さ」がなければならないわけですし。
まして、手に取ってもらえたはいいが、途中で読むのを止められては、どうしようもない。
講評を下さった方は、「読者を惹き付けるための、一般的なストーリーテリングの手法」を、箇条書きで提示してくださいました。
それはそれで、十分理解ができるので、素直に勉強になりました。
しかし、待てよ?
なるほど、エンターテインメント小説の場合、読者を飽きさせないために、様々な工夫が必要ではありましょう。そこには、論を待たないと思います。
ですが、ハタと疑問に思いました。
「それが全てであり、一切の逸脱は許されない」
のか?
繰り返しますように、読者を惹き付けるストーリーの構成、というものに、ある程度のお約束はあるでしょう。
何度も引き合いに出して、大変クドいのは承知なのですが、『成瀬は天下を取りにいく』。
あの作品は、お読みになった方なら分かるでしょうが、「うおお! ページをめくる手が止まらないぜメーーーン!!」という類のものではないです。
個人的な印象としては、映画でたとえるなら、「一部のミニシアターでだけ上映されていたものが、予想外の人気を博した」感じかな? と思います。
上記の比喩に異論は認めますが、あれが「ハリウッド的、あるいは、少年ジャンプ的エンタメ」か? という疑問には、恐らく、ほとんどの方が「ノー」だと言うでしょう。
「エンターテインメント小説」って何だろう?
別に僕も、講評で提示された一例に沿って改稿するのが嫌だから、こんなにクドクド言ってるわけじゃない。
ただ、「エンターテインメントとは、全て、ハリウッド的、ジャンプ的でなければならないのか?」と、思っただけなんですよ。
確かに、講評を依頼した拙作は、拙いものではありました。ハリウッド的云々にする以前の問題も、多々あります。
またあるいは、いかなる小説であれ、「華々しく売ってナンボの商品」であることを考えれば、地味であることは、イコール致命傷です。
ではあれど、そういうデーハー(死語)さこそが正義! というのは、なーんか納得がいかない。
僕は元来、その手合いのデーハー(死語)な風呂敷を広げるのが、苦手なタイプでもあります。
じゃあ、小粒な作品を書き続ける限り、俺が日の目を見ることは、今後一切ないのだろうか?
……それはそれで、切ない話ではあります。
タコのA子(過去の栄光)
そう言えば、あれは今から16年ほど前でしょうかね? 僕は、地方の小さな文学賞(秋田魁新報社主催の、「さきがけ文学賞」)で、最終選考に残った事があります。
ちなみに、当該作品は、カクヨム等に公開してますので、よろしければ。
……この作品も、特にハリウッド的ではない。むしろ、そんなことなんか、まるっきり頭になかった。
所詮、過去の栄光ではありますけれども、こういう成功例(?)がありながら、オーバーキルレベルでクソミソに評されるのって、どうなのん?
自由でありたい
……とか、もったい付けた言い方をしましたが、要するに、「骨子をいじらないレベルでの改稿案が欲しかっただけ」なんじゃあないかという、極めて都合のいいアレ。アレって何だ。
大盛りの牛丼よりも、スルメをアテにして飲む、一杯の日本酒でありたい。
などと供述しており。
んじゃまた。