茹蛸
茹だる暑さです。
“茹だる”のです。
尋常じゃ無いツラした文字です。
人間、並びに、生物は茹でると死にます。
今や過ぎた言葉じゃありませんね。
この言葉を初めに考えた人も、
心からの言葉だったのでしょう。
お見舞い申し上げます。
飲みの席
海釣りの席
スポーツの席。
体力の要る「席」が図らずも連続する盆の暮れ。
まだそんなに歳取って無いと言うのに
体力は格段に劣化しており
暑中とか関係無く、
見舞いが必要なのはお前の体なのではないかと。
こんな事を感じてるのは私だけじゃないでしょう。
でもまあまあ ここを抜ければ秋です。
すり減ったHP/MP、
少しずつでも戻していきましょう……。
ほら、面白いのが待っています。
何を食べてたらこんな独創……
なんて、今更ですよね。
こうした(これでも)デイリーピースは勿論のこと、
そのクリエイションはとっくに
【問題提起】又は【新世界の提起】に
軸足を移しているように見えます、
ジュンヤワタナベ。
肩先と袖口を無理矢理直角に設計。
肩線も平行一閃、角度無し。
ネックラインもそれに準じてほぼ平行。
ボートネック、なんて言葉が近いでしょうか。
ゆったりと確保したアームホールに始まり、
【袖】の【袖性】をビジュアル上で強調するため
肘より先はキュッと強めのニッティングで細身に。
【袖性】の強調?
我ながら滅茶苦茶な言葉を使っていますね。
造語症を代表して謝っておきます……。
しかしこうして
“ビジュアル上で”【袖性】を強調する
だけじゃあない。
→
無理矢理に“直角設計”をインポートした肩先は、
肩パッドが入っている訳でもあるまいし、
だる〜〜んと揺れ落ちて行きます。
その角張った形が残る訳では無い。
重力が作用している以上、万物の宿命。
その宿命の着地先、
歪な肩設計の最終ビジュアル。
面白い形に終着します。
【四角肩の脱け殻】ってな具合か。
ここで重要になってくるのが
前述しました肘からのスキニーフィット編み変え。
肩先にボリュームを持たせ
それを 「肘から先のスキニーフィット」で
保持/係留するシステム。
ジゴ袖 とか マトンスリーブ とか
そういう呼ばれ方もしますね。
19世紀のヨーロッパで華開いた
絢爛豪華なカッティングの山々。
それを日本的な平面理論で歪に踏襲。
ああ、これは日本で生まれるべきパンクだ。
この国から出るべくして出た反逆だ。
こうなると
ボーダーという柄チョイスは
布の【四角形】をより強く可視化するための“装置”にも思えます。
西洋服飾史に“則り”
いや
西洋服飾史を“乗っ取る”
攻撃的なデザイン。
カッコ良い なんて言葉じゃ足りないか。
ここの所の 言い表しようも無い
「 」
「感動」でも「感激」でも「衝撃」でも「衝動」でもない、「 」。
言葉の先にあるもの の表現。
充分に強い服です。
上からアウターやコート重ねるのも勿体無い。
一枚でシンプルに楽しむのを
先ずは御推奨したく。
こんな時活躍してくれるのが
この手の
「ほんのり気の利いたデザイン・スカート」。
今回のこれはモスキーノのセミカジュアルライン
【CHEAP AND CHIC】。
アセテート&ナイロンで編み立てられた
瀟洒なセミタイトスカート。
ニットウェアでありながら、“ニットウェア”に付随する野暮ったいイメージは皆無。
親しみ易い一例を出すならば
ジャージ です。
あれを洗練させて更にテロテロにした生地。
程良いストレッチも加わり、
【セミタイト&セミフレア】という
良いとこ取りのシルエットを構成。
幾重にも重なる切替の末、
この裾セクションだけがバイアスカット。
収まりの良いアダルトなイメージの最後に
小匙一杯のガーリーエッセンス。
“ハイブランドが展開するセミカジュアルライン”
としての模範解答。
全部が絶妙でしょう。
今回みたいな
「トップスが超ワガママピース」
ってケースを上手く纏めてくれるのは勿論
あらゆるケースでの活躍が否応無く浮かぶ
優秀なリアルデイリー。
(飾りでベルト巻いてますがベルトループは無し)
さて
言いたいことはこの時点で概ねバレていますでしょうか。
「ニットソロの楽しい季節が始まりますね」
ってのと
「それを楽しめる季節、案外短いので早めに準備していきましょうね」
ってのと。
この2つです。
夏バテを治せるよう
素敵な初秋ピースをピックアップして、丁寧に季節をなぞっていきますので、気になるものがありましたら是非お気軽にお問い合わせください。
カルテ
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