Carry/からう
昔からデカいバッグが嫌いだった
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色んなシーンで持たされるエナメルのショルダーバッグはUMBRO
2リットルの魔法瓶を2本入れてもまだ余裕を見せる
殆ど身体の小さい自分は
そうした
Carry
だとか
Luggage
みたいな概念を
育ちの中で潜在的に嫌っていった
ずっと両手が空いていて欲しいし
出来れば手指には何のアクセも付けず
完全フリーでいたかった
そんな中で随分久し振りに
「持ち方」とか「サイズ感」とか
アティテュードを丸ごと包括してのトレンドに揺られて
大きめのバッグをお迎えした
(少年時代からお世話になってる先輩のお店にて)
右肩の衣擦れが気になったり
バッグが寄せる服のシワが気になったり
そもそも重くて邪魔だったり
以前は神経質に毛嫌いしてた
手触り/手当たり
もとい 身体当たり
が
なかなかどうして心地良い
ネックラインから見えるインナーも
ジャケットの中で捻れるシャツの身頃も
それで良い
バッグを担ぐ事で生まれる不均整が
半ば予定調和的に決まり切った「画面」から
身体と自分を解き放ってくれるよ
余裕には形が無い
けど何故か目には見える
荷物なんか すっからかんで良い
アティテュードとして持つバッグ
感覚としてはアクセサリー
ポーズと不自由を強制するアクセサリー
「荷物は最低限」
でパッと済ませた出発準備
「最低限」を解除して
折り畳み傘と文庫本を一つずつ
フルボトルで買っちゃった香水だって持ってきゃ良い
出先のベンチが特等席になる
【担ぐ<からう】
語感で優先した言葉は
九州の方言だった
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