MINIと、ストリートファッションド。
Fashioned
ファッションの過去形。
先日、縁あって手に入ったMINIのブルゾンを、
入手してから2~3週間経った今日、
ようやく着て外出したんですけれど
それまでずっと消化し切れず、
腹の奥の方にじりじりと溜まっていた
気持ちの悪い残り滓を
ようやく消化できて、
この服はその消化のきっかけと
なってくれたので、記念というか
そんな感じでテキストにしておきます。
良い記事になると思います。
先ずMINIについて何も説明してませんね。
すみません。
車の話ではありません。
そして
お腹の底に溜まってた残滓。
これについても説明が無いですね。
順に書いていきます。
先ず
MINI。
正しくは
MINI by XLARGE。
これは、エクストララージが
昔出していたハイエンドラインです。
あえて一枚も画像を載せていません。
今回は画像無しでいこうかなと
今のところは思っています。
エクストララージのハイエンドライン、
と聞くと
どんなブルゾンを想像されますでしょうか。
私はあなたでは無いので
完全にはその想像を想像することは叶いませんが
うーん…?
完全には、どころか
さっぱり分かりません。
もしかしてあなたも全然見当が付いていなかったり
しますかね。
答えは
シンプルな、スタンドカラーのジップブルゾン。
構えていらした方はすみません。
久しぶりに、ただの1着について
筆をとりましたが、服自体は
あまり変わったことはしていない、
とても普通の服です。
クリーンなダークネイビーの、
ポリエステルタフタ。
リブは無し。
左右のウエストポケットと、
左胸にポケットが1つ。
全てがジップ開閉。
なんの変哲もない。
本当に普通のブルゾンジャケット。
ただ、
ファスナーは全てriri社のM6、
平打ちフラットジップトップ。
品タグは紙。
製造はUSA。
文字で書いても本当に普通なので
わざわざ書きたくもないのですけれど、
その普通さが今回のテキストの肝なので
とりあえず、書いています。
文字で書いても
なんて書きましたが、
これは写真に写しても
同じように普通で。
左袖口に、非常に小さなロゴパッチが
縫い付けられている以外には
これといってグラフィックも無し。
しかしこのロゴパッチ…
かなり変な位置に付いてます。
そこに付けられてはもう1センチも
袖丈を詰められない、という
袖口端のギリギリ。
袖口のステッチの、その外側。
スマートフォンをポケットから出すときに
ふとロゴが目に付いて、
そのさり気無さが、どうしたものか
思いのほか深くまで刺さってしまい。
これ見よがし
ではない。
しかし
「お前が選んだこの服はちゃんとカッコ良い。このロゴが保証するぞ。」ってのがある。
安さを求めればいくらでも安く済ませられる
現代ファッションにおいて、
あえて(人によっては)余分な、所謂
「デザイン料」に金を落とす。落としてもらう。
そういう服をリリースするにあたって、
その服には「責任」が付き纏う。
その代金に見合うかっこよさをその身に宿す責任が。
ロゴってのは
「その責任を、俺は背負うぞ」という表明。
賛辞は勿論、その逆であろうと誹りであろうと
その責任を負うぞ、というアティテュード。
さあ、そしてそれを
どう置くのか。
ロゴそのもののデザインも勿論デザイン。
でも、それをどんなサイズで
何処に、どんな素材を使って配置するのか。
これも本当に大切な「デザイン」。
左胸にちょこん。
本当にそれがその服にとってベストか?
ロゴってこういうもん。
って慣例に流されて考えるのを放棄してないか?
王道って道は、案外狭い。
踏み外せばそれは途端に「陳腐」に裏返る。
そしてそれら王道があるからこそ、悪戯心は輝く。
して、その悪戯心は
ステッチラインを飛び越え、
崖っぷちギリギリにロゴを鎮座させることを
選んだ訳ですが
この「塩加減」の心地良さったら無い。
デイリーウェアって、
殆どの場合
シンプルで程良くカジュアルなものです。
あまり変なことをしていなくって
悪目立ちしなくて
使い回しやすかったりすると尚良い!
そんなものです。
私は着回しや使い易さなんて度外視!
アクが強かろうがデイリーウェアじゃなかろうが
デイリーに着る!トキメキ至上主義!
という方。あなたは特別です。
そんなあなたにお勧めしたい、
スペシャルなショップがありまして。
「カルテ」というヴィンテージショップなのですが…
話を戻しますと
まだ現代ほどの情報量も
多様性への配慮/理解も無かった時代、
(やや)一般的なデイリーウェアに
求められる「無難さ」ってものは
なかなかの割合を占めたことと思います。
今もそうなんですけれど。
メンズウェアとか、特にね。
そういう沢山の制約に縛られて
それでも尚、
「これくらいの捻りなら僕/私でも…」
という閾の低さと
「さり気無いけど渋い捻りが…」
というウィットを両立出来る手腕。
ポジティブな意味でのリアルウェア。
これを体現してる服が、
90-00'sのストリートウェアの中でも
特に好きです、僕。ヘクティクとかサイラスとか。
ようやくスッキリ、自分の目にも見える形で
文字起こし出来ました。
「何となく好きだけれど、どこをどう好きなのかイマイチ分からない…」っていう、
気持ち悪い状態が続いていたんです。
Blue Roomに本格的にストリートウェアを
紹介してもらって以降ずっとね。
クリエイションにおいて
ことファッションのそれにおいては特に
常人離れすること、
というか、常人離れした圧倒的な
クリエイティビティが、
その面白さであると思ってます。
しかし
いや
そして、かな
常人であること
これもめちゃくちゃ大切なんじゃないの、
という自分もいます。
それは人に寄り添えるということなので。
他のジャンルならいざ知らず、
ファッションってこの要素たちの組み合わせ、
もとい絡まり合いですものね。
ストリートウェアの
ストリート ってのは
思っていたよりもずっと
広くてニュートラルでした。
そんな事をですね
1着の古着を着て
鏡も見てないのに、ふと思いましたよ。
ちなみに
このMINI by XLARGE
Not for Sale です。
でも、これからのカジュアルウェアを紹介する際は
これまでよりちょっと解像度が上がった、
より良い御紹介の仕方が出来るんじゃないかなと
感じています。
以上、どうも商売っ気の無い長文になってしまいましたが、お読みくださりありがとうございました。
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