見出し画像

読更かしのうた①

「ファッション・デザイナーをめざすあなたへ」
ジャン・フランコ・フェレ 著
深井晃子 訳

自宅の本棚をしっかり秩序立てて整理したので読書欲が増しつつある今日この頃。

本なり服なり、自分が読んだものをメモしていきます。

第一弾は「ファッション・デザイナーをめざすあなたへ」。

1999年発行の結構古い本。

ジャンフランコフェレ 本人が直接携わってる貴重な文献です。

皆様ご存知ですかね。

僕は個人的にこのジャンフランコフェレというデザイナーが大好きでして。
とにかく作る服が可愛いんです。
対にある、またはねじれの位置にある2つ以上の要素をミックスして上品に着地させるのが本当に上手くて。
尚且つ世界最高水準のクオリティで、西洋からみた東洋モチーフも多用してくる、当時にしては珍しいデザイナーです。

ちなみに80年代のイタリアプレタポルテを牽引した3Gの1人です。
3Gというのは↓

・Gianfranco Ferre
・Guccio Gucci
・Gianni Versace
の3人です。

フェレ、どんな人かというと

こんな…。
「王様の仕立て屋」に出てきそうな…。
悪役かと思いきや結局良い人、みたいな…。笑

さて、本書はファッションデザイナーを目指す架空の青年フェデリコと、フェレの手紙でのやり取りを対話形式で記すという、些か特殊な形式。

手紙は彼らの間を14往復、つまり14のセクションに分けられて、ファッションデザイナーを目指すフェデリコ君、ひいては志を同じくする若者へのメッセージが記されています。

内容は全体的に結構抽象的。
分かってはいるけれどうすぼんやりとしてる色んなことを、改めてしっかり文章化してくれているイメージ。

かと思えばハッとさせられるフレーズがそこかしこに。

具体的なハウツー本というよりは、心を整えて、同時に鼓舞するようなスタンス。

そしてフェレ本人に関する情報が結構しっかり載ってるのでジャンフランコフェレがそもそも好きだ!という人は結構楽しく読み進められるはず。

僕もそのはず…でした…。

というのも、一つの事柄を説明する際に使われる例えがとっても専門的で、知らない言葉が出てくるたびにGoogleに飛んでは戻りの繰り返し。

パルマ・イル・ヴィッキオ(「ラ・ベッラ」を描いた画家(今回調べましたがめちゃくちゃ素敵な絵です))も、ジョルジュ・バタイユ(「空の青み」という作品を書いた作家)も、シェーンブルン・イエロー(ウィーンのシェーンブルン宮殿の色)も、知らんわ!!!というね。

よく知らない単語が1ページに1個は出てきます。

各センテンスを解像度上げて読みたいって場合は、結構時間がかかっちゃいます…。200ページも無いのに。浅識を呪います。

ちなみに「ラ・ベッラ」はこんな絵。綺麗ですよね。

まあ文化的教養の差を実感すると同時に、古今東西にはまだまだ知らない美しい物が溢れてるんだと改めて痛感する良い機会でした…。
まあその量の夥しさには目眩がしますけれども。


と、まぁ最初の読書感想文はこんな感じですかね。

興味無いと絶対3ページで飽きるだろうなって感じの本でした。
あとはジャンフランコフェレ更に好きになりました。以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?