【あお】FA杯準々決勝ミドルズブラ戦、「決めきる力とエース復活の兆し」
インターナショナルマッチウィーク前最後の公式戦となったFA杯準々決勝。スパーズ、ユナイテッドを下して勝ち上がった今大会のダークホース・ミドルズブラとの対戦ということで、2部チームとは思えない緊張感を孕んだ試合になった。
結果は前半の2点を守りきっての2−0勝利。地力の差を見せつける試合になった。
ルカク復調の兆し
何と言ってもこの試合の醍醐味となったのは、不調が続いているルカクの復調だ。
不調時なぜか失われていた圧倒的フィジカルを活かしてのポストプレーが、この試合では随所で見られた。相手を押し込んだ形でのペナ内でワンタッチ、キープを選択してのポストプレーはチームの攻撃に選択肢を増やしていた。
ミドルズブラが3−4−3のディフェンスライン以外でハイプレスをかける形をとっていたため、ルカクへのパスルートは相手プレッシャーラインを越してからのラストパスが多くなった。それをしっかりと決めた先制点もとても大きかったが、それ以上に目立ったのはビルドアップに窮した時のロングポストだ。
自陣深くからのロングボールをしっかりキープして上がりを待ってからの展開は、ミドルズブラのゲームペースを大いに乱していた。
もちろん収められないこともあったが、あのロングポストを確定で抑えられるようになれば、完全なる復調と言えるのではないか。
何より84分で交代するときに、充足感たっぷりの顔でサポーターに拍手をしながらピッチを去る姿は、久しぶりに自分のプレーに満足した様子が伺えた。
地力の差が見えたプレス回避と決定力
先述した通りディフェンス3枚を残してのハイプレスをし続けたミドルズブラ。そのプレスを回避できるかどうかがこの試合のほとんどを決めていた。
数的同数なユニット対峙がサイドでいくつもできていて、その展開に持ち込めばほとんどのハイプレスは成功になる。はずだった。
チェルシーのプレス回避は左右のCBに中央のチアゴ・シウバが寄ってくる形が多かったが、型にはまらないチアゴ・シウバのポジション取りや精度の高いワンツーなどを駆使して何回もプレスを回避。地力の差を見せつけた。
手薄になったミドルズブラ陣内に侵入することはいくつかできたが、何よりも大きかったのはそれを前半のうちに2回も決めきることができたことだ。
不調を叫ばれているルカクは自身に訪れたほぼファーストチャンスを決めきり、シィエシュは得意の形とはいえ難しいシュートを決めきった。前半で決めきることができなければ、ダークホースの勢いは俄然増していて難しい試合になったことは間違いないだろう。