名人は 危うきに 遊ぶ
2024年1月11日。10:00頃自宅を出て事務所(通称セミハウス)へ向かう。
シェアサイクルをポート(セブン-イレブンの駐車場に併設)に返却し、悴んだ手を擦りながら店内へ入る。
カウンター越し、馴染みの定員さんに「あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします」など挨拶をしつつ、ホットラテRサイズを注文する。いつものルーティン(のようなものだ)。
マシンに入れ、Rボタンを押す。
暫くスマートフォンをチェックしたのち、完成したラテは、いつもより少しだけ量がすくない気がする。湯気もあまり出ていない。
どうやらICEのRボタンを押したらしい。幸先のよい一日になりそうだ。
事務所(通称セミハウス)に着いて、(セミ)ホットラテを飲み終わると、本日の創作開始だ。
二年ほど前に鹿島アントラーズ30周年記念プロジェクトで製作を担当したSquare 2Ways Toteの修理に取り掛かる。
バッグを修理する際には、縫製した糸をひとつひとつ切ったり、解いたりする必要があって、なかなか骨の折れる作業工程となる。
作業に集中していると時間があっという間に経過している。お昼の時間は過ぎているけど、そこまでお腹が空いていないので今日はランチはパスすることにする(15:00頃にサンドウィッチとおにぎり二個を結局食べたけど)。
午後からは、昨年の世田谷パン祭り2023にてお披露目したCroissant Pochetteを製作することに。
六本木デザイナーズフラッグ・コンテストで使用していた生地( フラッグ)を洗い、そこから裁断をし、最後縫製をして仕上げ、完成に至る。
最後にショルダーストラップを縫い込む工程が、なかなか集中力を必要とする。いい仕上がりだ。
2011年から蝉 semiという名前で活動を続けている。
「デザインの寿命を長くする」を哲学に、掲載済みとなった屋外用の広告物(フラッグやバナー・懸垂幕と呼ばれる)を再利用して、バッグやポーチ、ピクニックシート等のデザイン・製作・販売をすべて手掛けている。
ただ単にバッグやプロダクトをデザインし、製作すること(もちろんそれ自体も素晴らしいことだけれども)以上に、使用済み・掲載済みとなった素材を探すことから、交渉をし手に入れ、汚れを落とし(ある程度)綺麗にして、裁断をし、組み合わせを考え、縫製して完成させ、愛用していただくであろう顧客に届ける、その全部をデザインし、実装することを楽しみに感じている。
そんな石川大輔。今後ともどうぞよろしく。