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遺跡調査を見て今昔の繋がりを想う。

先日、車で移動中に信号待ちをしている際にふと横を見ると工事をしていた。最近、街の中心部を中心に新しい建物の建設ラッシュであることは知っているけれど、中心部から離れたところでも駅近だとマンションを中心に新しい建物がたくさん作られている。

「ここにもマンションが建つんだなぁ。前は何があったかなぁ」と思いながら、囲いの掲示を眺めるともなく見ていると、「遺跡調査」とある。

ほう。こんなところにも遺跡、埋蔵文化財などがあるのだなぁ。せっかく新しくマンションを建てて、へへへ、とか思っていただろうに、まぁ、仕方ないよね。

なんて思いながら、信号が変わったのでそのまま素通りした。

すっかりそんな事を忘れていた数日後、たまたまその近くをブラブラしていて工事をしている同所を遠くから見ながら、「どんなマンションが建つのかなぁ」と近づいて、「あ、遺跡調査か!」と思い出す。横を通り眺めていると、10人程度の人たちが15坪超程度(感覚的)の土地を所狭しと、歩道から1mくらい掘ったところを30cmほど更に掘り広げて、平地の遺跡らしき地面をいろいろと調べている。

遺跡調査の様子

このnoteを書くに当たって調べてみると、このあたりはどうやらいくつかの遺跡が連なっている地域のようで、古代(弥生時代)〜中世(13-14世紀)にかけての遺構が発見されているようだ。報告書を見るに、このあたりでは、古代のものとして、銅鋳造関連遺物が出てきていたり、井戸や掘立柱建物、また10世紀後半頃だと思われる大型建物が検出され、また越州窯系青磁や緑釉陶器・瓦等が出土しているとのことで、寺院などがあったのだろうと想定されている。中世の人々が生活していた区画なども広範囲でみられるようだ。

改めて、自治体の埋蔵文化財分布マップをみると、今住んでいるところも少し遺跡の一部にかかっているようだ(別の遺跡だけれど)。

当たり前の話なのだけど、連綿と続く歴史というのがまさにそこ=底にあって、その上に僕らの生活があるのだなぁと認識させられる時間だった。

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