私がAI学習を拒否する理由【独り言】
こんばんは、夜月です🐏
いよいよ2024年11月15日より執行される、Xの新しい利用規約。
すでに発表された10月の時点で多くのクリエイターが別のSNSを求めて移行をしていることでしょう。
そして、例に漏れず私も。
Xのメインアカウントが凍結されたことも、もちろんきっかけではありますが、それがなくても今日までにはBlueskyに移行していたことでしょう。
それほどに、今回のXの利用規約には危機感を覚えているのです。
本記事は記事、というよりも私の独り言のような、思考の整理をさせていただければと筆を執っております。もし、参考になる方がいたらいいな、と。
新しいXの利用規約は自動的に「作品等の使用許可」を与えることになる
この辺の詳しい解説はもうたくさんあるので、いたしません。
簡潔に言うと「Xを使う以上、X内で投稿されたものはXが自由に使うことに同意したとみなす」という利用規約なんですね。
これ自体はまぁ、よくある内容です。実際、外部への共有ではアイコンのイラストをサムネイル(OGP)として表示したりすることも、「使用する」行為に該当します。
ただ今回、問題なのはここに「AI学習」が絡んだのが大きいですね。
AI学習・生成AIに関しては、もうニュースなどでも報じられるようになり、皆さんも耳タコでしょう。そう、悪い人が作った良くないAIがたくさんありますね。
そして、同じようなコンテンツの生成ができてしまう機能が、Xにも搭載された生成AIの「Grok」です。
この機能を利用するにはサブスクライブ、つまり課金しないといけないのですが、悪いことを考える人にはそんなの関係ないようですね。
すでに、さまざまな作品や写真などが取り込まれ、悪質な生成コンテンツが出回っています。もちろん、これらが本当に許諾を得た学習データなのかは……その人のみぞ知るところ。まぁ、99.999999%ダメな学習データだと思いますが。
つまり、Xで今後、作品等をアップロードするとこれらの機能の学習に使われることに「許可」を出したことになるのです。
そして、規約内容を見ても、ユーザーがそれを「拒否」できる可能性(※)が見当たらないのです。
(※)拒否が可能ならば、規約内に「ユーザーがこれを拒否した場合は使用されない」などの文言が入ることが多いです。プライバシーポリシーとかわかりやすい例ですね。
そんなわけで、拒否ができない=Xの利用をやめるしか拒絶ができない=移行しよう、という話になっているのです。
AI学習が嫌だからって別のSNSに行っても同じでは?
それは、そう。
AI学習に関しては、何もXのGrokだけではなく、インターネットという広大な電子の海に送り出したデータは大体拾われて使われることになります。
ただ、ここで重要なのが「何も対策せずに使われた場合」と「しっかり対策をして使われた場合」で、前者は残念ながら被害を訴えても何もできません。だって、何もしなかったんですから。しかし、後者は対策をしているので、それでも使われたということが明確に証明できれば、訴えも通りやすいのです。
まぁ、残念ながらAI学習といものは大量のデータを利用するので、数枚の作品データとの同一性を証明するなどはまず難しいでしょう。
とはいえ、何もしないよりは、何かしておくことが大事です。
対策は何もAI学習のためだけではない
これも、もういろんな方が言っておりますし、AI学習の話が出るずっとずっと前から言われている「無断転載」「無断使用」「自作発言」などの、人間が行うことを食い止める、または抑止するためにも対策は必要です。
むしろ、そっちの人間による行為の方が数も頻度も多いです。それらへの対策に関しては、言わずもがな、ですね。
ウォーターマークは絶対無駄じゃない
どんな根拠か「ウォーターマークや対策は無駄だ」「そんなことやってるやつは馬鹿だ」などとおっしゃる方も散見されてきた今日この頃ですが、全くの嘘です。
そもそも、ウォーターマークとは、画像・動画・文書などのデジタルコンテンツにおいて、著作権情報や所有者情報を明示するために埋め込まれる、図形やテキストのことを言います。
別にデジタルじゃなくても、アナログのものだって、著作者や所有者を示すサインなどを入れますでしょう?幼少の頃、自分の持ち物には名前を書いていましたでしょう?今だって、ご兄弟や家族に食べられたくないプリンに名前を書いたりしますでしょう?
そう、あれと同じです。
それを無駄だなんて言うのは、おかしい話ですね。
AI対策としてのウォーターマーク
これについては、私個人としては遠くない未来、そういう意味でのウォーターマークはもしかしたら意味がなくなる可能性もあるとは思っています。
というのも、技術というのは日々進化しており、ちょっとした透かしなどは、すでに削除できるようになっているなど、結局いたちごっことなるでしょう。
なので、「AI対策のためのウォーターマーク」ではなく「この作品は自分が所有している」と明示することを意識してウォーターマークを使っていきましょう。
Xの投稿を消す方がいいのか?
今、とても悩まれている人をたくさん見ますね。
私個人の意見では「消さない方がよい場合が多い」「消す場合にはしっかりとデータを保持しておくこと」です。
Xの投稿を消さない方がよい理由
これは、単純に無断転載等の証拠として、非常に強力であるから、というものです。無断転載などがあった際、論点となるのは「どちらが先に出したオリジナルか」というところ。
その証拠として、タイムスタンプともなる投稿日時は非常に強力な証拠の一つです。
しかし「描いた本人ならそのデータの保存日とかでいいじゃない」という意見もあります。
残念ながら、手元のデータというのはいくらでも改変が可能であること、それから客観的な証拠ではないこと、そうした理由から証拠として、少々強さに欠けているのです。
その点、SNSにアップロードしたものというのは「アップロード日時」「アップロードした人」「アップロードした国」などの総合データが、他者の、第三者のサーバーに送られるので、とても客観的で改変しにくいデータである、と言えます。
そういった意味で、消さない方がよい場合も多い、と申し上げました。
Xの投稿を消す場合にはしっかりとデータを保持しておく理由
先ほどお伝えした通り、SNSへの投稿された作品は自己所有物であるという強い証拠だとお話しました。
なので、もしも元の投稿を消す必要がある場合には、それらが「そこに存在していた」という証拠を丁寧に取っておく必要があります。
投稿日時と投稿内容
投稿のURL
そのページ全体
これらの3点に注意して、証拠を保全しましょう。
スクリーンショットでもよい場合もありますが、URLが切れたり、ページ全体は写せなかったりとほんの少しの違いが、証拠の強度を大きく損なうこともあるそうです。なので、丁寧にデータを保存する必要があるのですね。
アカウント自体の削除は?
Xのアカウント自体は極力消さない方がよい、とは思います。
というのも、Xはアカウント削除後、同じIDで新たにアカウントを作ることもできなくないのです(データ保持の関係上、一定期間はできないと思いますが、時間が経てばアカウントが作れてしまうのです)
なので、アカウント自体を削除しなければ「なりすまし」の被害も防ぐことができるでしょう。
「鍵」「非公開」として保持しておくのが無難
そういったわけで、いろいろ言ってきましたが、X自体は基本触らず、焦らず。心や時間に余裕ができたときに整理するくらいの気持ちで、今は、不用意に作品が拡散されないように「鍵」つまりは「非公開」アカウントとして持っておくくらいがよろしいのではないでしょうか。
私がAI学習を拒否する理由
私がAI学習を拒否するのは、何も勝手に使われるのが嫌だから、という理由だけではありません。
前提として、私はAI技術を悪とは思っていません。人々の生活がより豊かになれる素晴らしい技術の一つだと認識しています。
しかし、現在AIを利用している方の多くが、クリエイターたちを軽んじている、蔑ろにしていることが悲しいのです。
AI技術は所詮、道具です。
それをうまく扱えたとしても、偉くもなんともありません。
しかし、多くのAI絵師・AI字書きは「もうクリエイターの手を借りなくてよい」「AIがあればいいや」「AIを使わないなんて時間の無駄」といったことをよく言っています。
そのAIが学んできたデータのはどんなものでしたか?
そのAIが生み出したコンテンツの大元はなんですか?
クリエイターたちは、
血の滲むような努力をしてきた人、
毎日毎日コツコツと歩んできた人、
基礎からしっかりと鍛錬してきた人 など
いろんな方がいます。
どの方も、たくさんの時間を費やして今、その作品を生み出しています。
命令文を書いて数秒あるいは数分で生み出したようなものではありません。
もちろん、AIのプロンプトを調整することも大変なのは理解しています。
そういう仕事にも携わっていますので。
ですが、クリエイターたちが費やした時間を軽んじるような発言、行動をするAI利用者がいる現状では、私は、私の作品をAI学習に使用されることに、酷く拒否感を示すほかなかったのです。
なお、これらはあくまで私の意見なので、例えば「あの人は対策せずに作品を出してるぞ!悪いやつだ!」ということではありません。
みんな、それぞれの考えがあるのです。十人十色。
悪と正義、良いも悪いも表裏一体。自分と違うから、と言って誰かを責めることはおやめくださいね。
さて、長い独り言でした。
恐れ入りますが、本件に関してはコメント等での議論をしたいわけではございませんので、そうしたご意見はすべてスルーさせていただきます。
どうか悪しからず。
最後までご覧いただきありがとうございました。
次は、また別のお役に立つお話ができたら良いな、と🐏