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スポーツの怪我を早く治すために
スポーツの怪我の外因と内因
スポーツの経験のある人は擦り傷や打撲、捻挫、あるいは骨折などの経験があるかもしれません。なかなか治らない、早く治したいというのが多くのスポーツ選手の悩みになると思います。また、同じ様な怪我を繰り返す、怪我をしやすいなどの悩みがある方もおられます。当院では様々な分野のスポーツ選手が関節の痛みなどの問題で来院されます。関節の部位は様々です。年齢も若い人から高齢者、地域のクラブチームで活動されている方から日本代表クラスやプロ選手もご利用いただいています。スポーツの主な怪我の原因は、大きく二つに分けることができます。一つ目は予期せぬ衝撃を受けた外因による場合、二つ目は身体のバランスの異常による内因の場合です。厳密にはバランス異常を怪我とは言えないのですが、バランス異常が原因で関節炎や疲労骨折などの構造異常を生じさせることは少なくはありません。原因は何であれ一般的に関節を痛めた場合は怪我と表現されている様です。これらの原因があると、直接的、あるいは間接的にしろ、関節への物理的なストレスが高まって構造異常や炎症などが結果として生じます。原因があって結果が生じるということです。
怪我の原因と結果の理解
早期に怪我を治すために原因と結果を理解することが大切です。予期せぬ衝撃の場合、相手と接触することが多いスポーツで、相手のコンタクトが原因だったり、バレーでジャンプした後人の足を踏んで捻挫したりするような、思わぬ変化が原因で、関節の捻挫や骨折などを生じさせることもあります。これらの原因は、いわゆる怪我なので、原因としては明確ですが、怪我の程度は同じでも症状が長引く人と早く治る人に違いが生じてしまうことがあります。原因が何なのかが分かりやすい外因と、原因が分かりにくい内因となる身体のバランス異常、すなわち身体の働きの異常が原因で関節痛を生じさせる場合があります。思い当たる原因がなくても、内因によって関節にストレスが加わって、炎症や関節の構造異常を生じさせる場合があります。例えば、陸上の選手で、普段通りに練習していて、思い当たる原因もないのに、突然、足首や膝関節の痛みが生じたりするなどです。
怪我をする以前に内因的なバランス異常がある
身体は骨系、筋肉系、神経系に大きく分けることができますが、特に筋肉系と神経系に外傷後の癖がついてしまうと機能異常、バランスの異常が生じて怪我を長引かせる原因になったりします。このような障害も一般的にスポーツの怪我と表現されることが多いのですが、前述した予期せぬ衝撃を外から受ける様な外因が怪我の原因ではないということです。それでは、何が原因なのでしょうか?それは身体のバランス異常です。すなわち身体の働きの異常や外傷後のくせなどの内因による機能異常、働きの異常が生じている状態です。スポーツ選手の疲労骨折などは外因というよりも内因的なバランス異常が原因です。調子の良い時、バランスの良い時は、足全体がクッションのよく効いた衝撃吸収が最大限に発揮された関節のバランス状態のなっているのですが、そのバランスが乱れると、足全体のクッションの役割が乏しくなり、関節自体の負荷が強くなって、ひどくなると疲労骨折のような結果になるわけです。多くの人は、練習のやりすぎが原因だと決めつけがちですが、それ以前に内因的なバランス異常があるが故に、関節に異常なストレスが生じてしまった結果ということです。
微妙な身体のバランス異常を整える
治りを遅らせる原因を考えてみましょう。外からの予期せぬ衝撃による外因なのか、それとも身体のバランス異常による内因なのかを考える必要があります。予期せず衝撃を受けて、体にキズついてしまった場合は、そのキズが自然に治るのを待つ、あるいはもしかすると外科的な手術が必要かもしれません。しかしながら、外傷を受けた後、目には見えない微妙な身体のバランス異常を整えるのかが早く治すための鍵になります。予期せぬ衝撃で関節に構造異常が生じた場合、傷の程度にもよりますが、その後に神経系のバランス異常、すなわちいかにして誤作動信号を早期に改善するかがポイントです。また、関節のずれが痛みの原因だと思っている人も少なくはありませんが、もしもズレであるならば、それはどこから生じているのか?自然発生的に生じたズレであれば、それは関節の機能異常、すなわち、筋肉やそれをコントロールしている神経の働きの異常が元の原因だと言えます。
誤作動信号のエラーを調整する
構造異常であれ、機能異常であれ、いずれにせよ機能を最大限に発揮させるための誤作動信号のエラーを調整することが必要になります。当院が行っている施術において、関節痛を改善するポイントは、先ほどご説明した身体のバランスを調整することを目的にしているので、筋肉のバランス、さらにはそれをコントロールしている神経系、すなわち誤作動信号のエラーを特定して調整することが必要です。身体全体の誤作動信号のバランス調整を行うことで、ほとんどの関節痛が改善されています。もちろん、先ほど紹介した身体的な外傷や炎症などの修復には、自然治癒のための時間が必要です。症状部位の誤作動信号のバランス調整から、身体全身のバランス調整を行うことで、早期に関節の機能回復を促します。そして、身体にバランスの良い状態を癖付けることで怪我をしにくい体質へと改善していくことが可能になります。