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「どんこ」「こうしん」という呼び名は、どこから?

肉厚でコロッとした「どんこ」と傘が薄くて平べったい「こうしん」。この呼び名、一体どこから来たと思いますか?
このnoteで以前お伝えしたとおり、しいたけの種類が違う訳ではないので、素材由来ではなさそうです。見た目でしょうか?それとも、育ち方や採るタイミングに関係あり?

漢字で書くと「どんこ=冬菇」「こうしん=香信」となります。「香信」はまだしも「冬菇」はパッと見で読める人は多くなさそうですよね?
ちなみに私は、ほししいたけファンクラブを名乗っておきながら全く読めませんでした(笑)。

『乾しいたけ 千年の歴史をひもとく 森からの贈りもの』(小川武廣/著、書女子栄養大学出版部/刊)によると、「どんこ」は中国語の「冬菇(トンクー)」から来ていると紹介されています。明治時代初期に神戸在住の華僑の間で椎茸のことを“トンクー”と呼んでいたのが日本語風に訛って“どんこ”になった、と。“冬菇”という字も、中国語由来だったんですね。

一方で「こうしん=香信」の語源は定かではないそうで、中国での椎茸のもう一つの呼び名「香菇(シャンクー)」の“香”と、荒れ葉を意味する「信貫」の“信”とを組み合わせたのではないかと小川氏は推察しています。

傘が開いて平べったい形の「こうしん」

また、「どんこ」の中で傘の表面に亀裂が入っているものは、その亀裂を花に見立てて「花どんこ」と呼ばれます。高級贈答品としてデパートなどで見たことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
そして、傘の表面と亀裂に色によってさらに呼び名が変わり、鮮明な白色だと「天白どんこ」、淡褐色だと「茶花どんこ」となります。「天白どんこ」は最高級ほししいたけとして香港などの海外市場で高い評価を受けていたそうです。美しい傘がお料理に映えそうですね!

表面の亀裂が美しい花どんこ



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