
yosukekosakaの事件簿ー進展ー
続いて事件簿-進展-を無料公開。
(6/18執筆分)
前回の執筆からかなり間が空いてしまったが、少しずつ事件は進展を見せている。
今しか書けない今の状態。
続きをご覧ください。
法的準備を進める
気づくと私は、PCの前で検索に明け暮れていた。
弁護士に相談しよう。
キーボードを強めに叩き、思いのたけを文章にこめた。
翌日、冷静になった状態で再度文章を見直し、相談フォームに投稿。
最近ではLINEでも相談できたりするようで、弁護士相談も随分と身近な存在になったものだと感心もした。
数日後、1件のLINEが届く。複数送った中の1人が丁寧にご返信くださった。
「住所から確認しましたが、登記の存在を確認できたので、架空の会社ではありません」
「実在している企業となるので、本案件は詐欺ではなく給料未払いの問題となります」
「かなりいい加減な管理体制であることは間違いないので、ご自身が執筆した記事の報酬は確実に押さえておいてください」
「正式な書面取り交わしがあればなおよいでしょう」
端的で的確。こんな自分でも救ってくれる存在がいたことにまずは感謝。
しかし、いきなり書面を取り交わすとなるとなかなか切り出しにくい。
そう思っていた矢先、あるトラブルが発生する。
執筆記事の緊急対応が必要なのだが…
いつものように依頼記事を書いていたが、「提出したgoogleドキュメントに編集する権限がないためすぐに対処してほしい」とクライアントに言われたそうだ。
確かに閲覧専用になっていたので、すぐさま対処。だがその旨を連絡したがなかなか返答が来ない。
「すぐに対処してほしい」案件にも関わらず、一体何をやっているのだろう。
イライラが募る中、gmailにも編集権限を求めるメールが届いていることに気付く。
権限を求めるアカウントがクライアントのメールアドレスであったため、そのアドレスに直接連絡をしてみた。
本来ならクライアントには直接連絡など許されるべき行動ではない。だが、事態の緊急性を踏まえるとこうせざるを得ない。
疑惑の仲介業者についての手がかりが何か掴めるかもしれないという思いもあった。
やがてクライアントから返信が届き、記事の修正も無事完了。その日のうちにすべき対応を済ませることができた。
翌朝、容疑者からLINEが届く。
「クライアントが閲覧はできるが編集できないと言っています」
どこで何をしていたのだろうか。そんなことはとっくに解決している。不信感は募る一方だ。
「対応はできたと思いますので、まずはご自分で編集できるか確認してみてください」
と返し、そこから再度連絡が途切れた。
痺れを切らし、ついにクライアントに切り出した。
「○○(容疑者)と連絡が取れずに困っています。今までの報酬も未払いのままで」
なりふり構わず、すがる気持ちで打ち明けてみた。
「分かりました。こちらから確認してみますね」
と回答いただき、そこから半日。
「クライアントに直接連絡されては困ります。たった1日連絡が取れないくらいでこんなことしますか?信頼関係が築けないというなら契約を解除していただいて結構です!」
念のため断っておくが、正式な契約など何もされていない。一応口約束でも契約は成り立つが、ここまでいい加減だと契約などあってないに等しい。
「緊急の事態だと思い、いけないことだと分かっていましたが直接クライアントに連絡しました。それなのに、たった1日などと言えますか?」
強気で返したLINE。容疑者からはすぐさま謝罪が返ってきた。
ここで仕掛けた。
正式な書面の取り交わしへ
「信頼という言葉が出ましたが、きちんと書面で取り交わしませんか?株式会社化もされたことですし、正式に契約書を締結しましょう」
応じれば報酬義務が、応じなければ自分で容疑者だと認めることになる。どうくるのか試してみたのだが、
「いいですよ!」
の一言。本来ならば向こう側から切り出して然るべき内容であるというのに、何という気の抜けた返事なのだろうか。
もはや呆れた。
それでも事を進めなければならない。
書面の原案を作成して送付すること、日付は最初に執筆した3月まで遡ることを提案した。
「他の方と取り交わしたことがあるのであれば使いまわしで構いません」
の文言も付け加えた。
すると
「分かりました。弁護士によるリーガルチェックも入るので1週間時間をください」
と返してきた。つまりは誰とも書面の取り交わしをしたことがないということだ。
50回はゆうに超えたであろうため息をまた吐き出した。一体私は、何と戦っているのだろうか。
約束の期日は5日後。どう出てくるか楽しみでもある。
ちなみに現時点で、報酬の振り込みは確認できていない。