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擬態書ー吹

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いきなり書にはまった。iPadを購入し、書道アプリをインストールしたのがきっかけだろう。

アップルペンシルを用いると、思いの外心地よく書ける。これなら、通常の書道もうまいこと書けるのではないかと思った。

元々書道は小学校の授業でしか教わったことがない。筆文字がうまく書けないというのが30年来のコンプレックスだった。

「やるなら今だ」という声が聞こえた気がして、筆ペンを買いに走り、ひたすら書く毎日。気づけば1月近くは続いている。デジタルからアナログへの、華麗なる転身だ。

様々な書体を試すが、うまくいったりいかなかったり。時にはあえてくずしにくずした、ぐちゃぐちゃな書体で書き、気分を紛らわせていた。

そんなことを繰り返していたある日、「欠(あくび)」の文字が、急に人のように見えてきた。見れば見るほど、人だ。

おふざけから生まれた、記念すべき処女作がこちら。

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「吹く人」

全身タイツを纏ったような、何とも情けない姿が印象的である。

調べてみたところ、「欠」は象形文字で、人型を表しているのだそう。ただし、本作品とは捉えているパーツが異なる。

象形文字から文字になり、それを象形文字に戻すような作業。それでいて、何か意味を持つ文字で終えたい。

これを「擬態書」と呼び、自らを「擬態書道家」と名乗ることに決めた。おふざけ書道家の活動が、本格的にスタートした瞬間だ。

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