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イスラーム法研究者がサブジェクト・ライブラリアンになった件について:下積編(4)駒場先端研某図書室?

 今回は下積編の最後,アジア研究図書館での勤務と並行して進めていた駒場先端研某研究室での図書室(以下,IR研図書室)構築の話である.なお,筆者自身はこの研究室の末端の作業員であったため,研究室組織構成や,運営方針について正確な内容をここに記すものではないこと,そして未だ組織途中の図書室であるゆえに,作業過程を示す画像を示すことができないことをここで留意されたい.     さて,I先生の所謂,汚部屋の整理からこの話は始まる. 前提 I先生やその研究室とのつながりは,筆者の所属

    • イスラーム法研究者がサブジェクト・ライブラリアンになった件について:下積編(3)U-PARL特任専門職員

       今回は,2023年10月からわずか半年だが従事していた,上廣倫理財団寄付研究部門U-PARLでの特任専門職員の業務について紹介する.この組織の沿革や目的については,前回のアジア研究図書館での話を参照されたい.その意味で,以下ではまず特任専門職員という立場について紹介する. 特任専門職員について 特任専門職員という採用形態は,U-PARLに限ったものではない.筆者も大学の人事方針に詳しいわけではないが,ざっくりと,事務補佐員に分野の専門性をプラスした事務・技術系の業務を求め

      • イスラーム法研究者がサブジェクト・ライブラリアンになった件について:下積編(2)アジア研究図書館

         今回は前回に続いて,下積編の1つ,アジア研究図書館カウンタースタッフとしての業務について紹介する.表題にあるイスラーム法と筆者の関わりや問題関心については,前回の内容を参照されたい. アジア研究図書館について アジア研究図書館は2020年10月に,上廣倫理財団寄付研究部門U-PARLの運営のもと開館した.同図書館は2010年から構想されていた「新図書館計画の中核」として実現され,UPARLもまた,同図書館開館のためのアジア資料に通じた専門家実働部隊として2014年に開設さ

        • イスラーム法研究者がサブジェクト・ライブラリアンになった件について:下積編(1)文学部図書室目録係

           4月から筆者は,東京湾の内奥にある研究所附置図書館で働いている.先月までは国際学会でポスター報告したり,紀要原稿をまとめていたりしたのに,1日で世界がガラッと変わってしまったかのような感覚がある.しかし,今年度も研究報告の予定は入っていたり,まだまだ研究者として(その卵として)なすべきことは残されている.今回は,研究者の道を志した結果,図書館司書(所属機関ではその特殊性からサブジェクト・ライブラリアンという語を使うことがある.今回はそれに倣うこととする)として働くことを選択

        • イスラーム法研究者がサブジェクト・ライブラリアンになった件について:下積編(4)駒場先端研某図書室?

        • イスラーム法研究者がサブジェクト・ライブラリアンになった件について:下積編(3)U-PARL特任専門職員

        • イスラーム法研究者がサブジェクト・ライブラリアンになった件について:下積編(2)アジア研究図書館

        • イスラーム法研究者がサブジェクト・ライブラリアンになった件について:下積編(1)文学部図書室目録係

          コラム「異教徒と如何に相対すべきか」こばれ話(3):後日談ポスター報告準備編

            こすり散らしている先々月U-PARLサイト掲載のコラム「異教徒と如何に相対すべきか」のこぼれ話,今回はコラムでとりあげた,マーリク派法学における「戦争の土地への商売」と冠された議論が,偶然,学会報告の準備とつながったという四方山話でもある.  3月1-3日に東京外大のAA研に事務局がおかれている「イスラーム信頼学Islamic Trust Studies」プロジェクトの国際会議が駒場で開催された(https://connectivity.aa-ken.jp/activi

          コラム「異教徒と如何に相対すべきか」こばれ話(3):後日談ポスター報告準備編

          コラム「異教徒と如何に相対すべきか」こばれ話(2):他法学派編

           以下は,前回の「コラム「異教徒と如何に相対すべきか」こばれ話(1):あの画像編」から,さらにこぼれてしまった話題である. 先のコラムでは,マーリク派以外での渉外規定の扱いについて,「後世の各法学派のテクストのうち、「ジハード」や「スィヤル」という章節のもとで議論されるようになった」としか言及していなかった.この点を少し補足しておく.  ただし,留意すべき点として,筆者自身はハナフィー派とマーリク派の法学書の扱いには慣れているが,シャーフィイー派については大学院時代の講読ゼ

          コラム「異教徒と如何に相対すべきか」こばれ話(2):他法学派編

          コラム「異教徒と如何に相対すべきか」こぼれ話(1):あの画像編

           先日,というか2週間以上前に,所属先のサイトにコラムを掲載する機会をいただいた.「好きなこと書いていいから」という言葉を鵜呑みにしてほいほい書いてしまったものの,ネットの海の放流されてから初めて,こんなどの層に刺さるかもわからない,また要領を得ない文章が,インターネット知識人諸兄姉の慧眼に耐え得るものなのか不安になっている.以下は,その未練で書き散らしたコラムのこぼれ話である.恥の上塗りとも言う. あのチェスの絵について まずは,コラムのイメージになっているチェスの絵につ

          コラム「異教徒と如何に相対すべきか」こぼれ話(1):あの画像編