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エル ブランシュさん日本ピノ会メモ
エルブランシュさんにて、日本ワインドシロウトの私めにはもったいないようなワイン会に参加させていただいたのでその模様をメモ。
メイン: 日本のピノ達
大変手に入りにくい貴重なものも含め、日本各地のピノ6種がずらりと!
ちなみに「先入観に惑わされず純粋に好みのワインを見つける」目的で、サーブされていた主催のカブさん含め完全ブラインドでの比較試飲でした。
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ぴのぴのぴの!
ラインナップと短評はこちら。
①IRENKA Pinot Noir 2021 (北海道)
アタック強め、熟したラズベリーや梅しそ系、スミレなど、華やか。程よい樽香や後味のペッパー感など、複雑性も。
果実味、タンニンともにやや控えめで酸が目立つかと思いきや、量は豊富もいい感じに丸みがあり良バランス。
日本らしい優しさを持ちつつも正統派で美味
②カーブドッチワイナリー ふらみんご 2022(新潟県)
大人しめのアタック、フレッシュラズベリーやスミレ、所謂ビオ臭も。
微発泡。酸も果実味もタンニンもかなり控えめでその分ビオ感際立つ。
所謂「ナチュール好き」な方が好きそうだなという所感
③KANATA WINERY Pinot Noir 2022 (富山県)
アタックやや強めで、おそらくMC由来と思われるキャンディ香が特徴的。
ピノとしては優しい酸、タンニンや果実味は極めて控えめ。余韻も短めか。
「このキャラが好きなら」という感じだが、個人的にはこれを求めるならMBAに行くかも
④Mie Ikeno Pinot Noir 2019 (山梨県)
外観からも熟成感が見て取れる。アタックやや強め、やや熟したラズベリー、スミレ、スパイスや土、ヴァニラなど、樽由来ニュアンスがはっきり目。酸化熟成ニュアンスも。
酸、タンニン、果実味のいずれも本日の中では高く、バランスが取れてしっかりとしたつくり。
①同様の正統派
⑤VINIQROBE Pinot Noir 2021 (長野県)
アタックやや控えめでフレッシュラズベリーやスミレなど。
香りの印象よりも味わいがしっかりしたタイプで、酸もあり、果実味やタンニンも今回のラインナップの中では高め。
個人的には香り重視派なこともあり「これ」というキャラを掴みきれなかったが、味わい重視派の方には良いかも
⑥小布施ワイナリー Pinot Noir Vigne Sans Chimie 2021
アタックやや控えめ、摘んだばかりというような極フレッシュなラズベリー、温度が上がるとシナモンや甘草、極わずかだが薄いイチゴリキュールのような甘やかなニュアンスも。
酸は高め、果実味とタンニンは控えめ。
親しみやすいスタイル
あたり前のことではあるけれども、一口に日本ワインと言ってもいろいろですねえ…。
総じて果実味タンニンが控えめ傾向にあるのは共通項だし予想通りだけれども、それよりも(それだけに?)醸造スタイルの違いが際立つ感じだなあと改めて。
日本ワインを楽しむには、ある意味他の地域以上に各作り手のスタイルを理解することが重要なのかなと思うなど。
サブ: 世界のピノたち -土壌の違いによる味わいの違い-
ここまでで6種と十分な飲み比べだったにもかかわらず、なんとさらに日本以外のピノ、かつ土壌違いでの飲み比べ企画まで。
お出しいただいたワインはこちら。
⑦セガン・マニュエル サヴィニー・レ・ボーヌ ラヴィエール2021(フランス/石灰岩土壌)
⑧ソーコル・ブロッサー ピノ・ノワール ダンディ・ヒルズ 2021(アメリカ/火山性玄武岩)
⑨ニュートン・ジョンソン・ワインズ ウォーカー・ベイ ピノ・ノワール2022(南アフリカ/花崗岩)
正直なところ私は土壌違いによる味わいの違いというのが体系的に感知できるほど自分の中でしっくり来ていないのだけれども、例えば今回で言えば②のオレゴンはかなり温暖な味だったりと、「熱の蓄えやすさ」の要素は感知しやすいのかなと改めて思ったり。
なお②のオレゴンは果実も熟熟、かつ所謂「焼けたタイヤ」の香りがあったためブラインドでは満場一致で南ア予想だったが、見事に覆されて一同ビックリという一幕も。
贅沢な持ち寄りのお料理にお祝いワインまで…!
テイスティングと食べるので忙しくて(←ヲイ)お写真全く撮れなかったけれども、実は持ち寄りのお料理もめちゃくちゃ豪華。
ノドグロの握りに始まり、まぐろ握りや肉寿司などの豪華握り攻め。
かと思えばお手製キッシュ、焼売食べ比べ、千駄木腰塚のコンビーフ、高級パン各種等々、多彩かつすんばらしいラインナップでした。
午後の会だったのだけども、お夕飯いらなくなったくらいにまんぷく!
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特に梅風味が日本PNにピッタリ!
しかも!お料理だけでなく、エルブランシュさんのリニューアルオープンお祝いとのことでSHINさんが持参されていた北信ピノノワールまで気前よく振舞ってくださり、なんとこの日計10種のピノを味わえる企画に。
北信ピノノワール、個人的にはとてもバランスよく正統派で好み。
本日の日本ワインの中だと個人的トップ3は
1. IRENKA
2. 北信ピノノワール
3. Mie Ikeno
…でした!
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大変贅沢で学びがありかつ楽しい会に参加させていただきました。
主催のカブさん、ありがとうございました!