最新HIPHOPレビュー #40 「HARDVERK / MORNING CALL feat 裂固」
少しでもHIPHOPに触れて欲しいという思いで日々連載している『日刊DiGG』です。40本目となる今回は、聴けば前向きになる曲を紹介します。
|HARDVERK / MORNING CALL feat 裂固(Prod. by sugimori)|
2021/02/10 公開
岐阜県柳ヶ瀬といえば美川憲一「柳ヶ瀬ブルース」が有名だが、ここにもHIPHOPは根付いている。ラッパー 梵頭 を中心としたクルーHIKIGANE SOUND 。その代表を勤めるのがラッパー HARDVERK (ハードバーク)だ。
ソロ名義では、2019年に発売した2ndアルバム『Fifty8Mile』以来、約1年ぶりの新作『WHITE MOON』を2月10日リリースした。
プロデュースは同じく岐阜のトラックメーカー Sugimori 。アルバム全編に渡ってクラシックなソウルミュージックからのサンプリングが散りばめられており、黒人音楽への愛情にあふれている。
この曲では、同クルーの人気若手ラッパー 裂固 が客演参加。少しハスキーで柔らかい声質のHARDVERKと、声にハリがあって硬い声質の裂固。異なるラップスタイルだが、両者ともトラックに負けないほどのHIPHOP愛に満ちている。
太いドラム、小節ごとにきっちりと韻をハメるフロー、HOOKで合わせるユニゾン、口ずさみやすいメロディなど、RHYMESTERやNaked Artzといった90s HIPHOPに通じるものがある。Sugimori氏が「流行りがどうとか、世間がどう評価するとかは知りません」とつぶやいていた通り、確かに流行りのサウンドではないが、それを凌駕する力ある楽曲。
光が差し込むようなまばゆさと爽やかな音色が後押しし、辛いこともHIPHOPのフィルターを通せばポジティブに変換させてしまう。
「俺は水を得た魚 好きに泳ぐ
地下の叫びが月に届く
これは長い年月が生んだドラマ
恥をかいた分 歌詞を書いた」
さらに深掘り
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HIPHOPを広めたい一心で執筆しています。とは言え、たまにこれを続ける意味があるのかと虚無感に襲われます。 このまま頑張れ!と思われた方、コーヒー1杯おごる感じでサポートお願いします。自信をつけさせて下さい。