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2022年1月に公開されたHIPHOP 20曲をピックアップ

Twitterで毎日レビューを書き続け、4年目に突入したドラム師匠です。2022年の元旦から沢山のMVが公開されました。今回、2022年1月に公開された20曲をピックアップし、曲にまつわるエピソードや魅力を紹介します。

  • 最新のHIP HOPってどんな感じ?

  • 曲だけでなくラッパーのことも知りたい

なんて人にオススメの記事です。新しい音楽との出会いがありますように…

COZY ROOM / GODZZILA

2022/01/01 公開

▌このメンバーが集結したら どんなことになるのだろう…


大阪を拠点に活動する若手クルー COZY ROOM (5MC、1DJ)。2021年12月、メンバーである Leosteezkyp、KAIRI、Period ANARU がそれぞれソロシングルをリリースし、MVもアップされました。

特徴的なのは作品が多種多様なこと。ダンスチューン、シャウト系、R&Bなど、どの曲もクオリティーが高くて驚かされました。

このメンバーが集結したらどんなことになるのだろう…

そんなことを考えてた12月25日、クルーとして新しいMVを発表するとアナウンスがありました。日時は1月1日の21時、タイトルは「GODZZILA」ということで期待が高まります。

予告時間にカウントダウンから始まったMVは、ノイジーなドラムンベースで幕を開けます。凶暴なシンセが入り乱れることから、ブレイクコアに分類した方がいいでしょうね。

「I'm GODZZILA」とシャウトする勢いのあるラップですが、メンバーの個性が際立っていて飽きさせません。ソロ作品で表現を磨いてきた成果が活かされてされています。

元旦に「GODZZILA」という大型作品をドカンと提示するプロデュースセンスも上手いなと思いました。2022年は彼らがかき乱してくれそうです。幸先いいぞ、HIPHOP!


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BST / Liquid(Prod. BST)

2022/01/01 公開

▌YouTubeとは真逆の内省的な世界観


サラリーマンを辞め、ゼロからラッパーとして成功するまでをコンテンツにするラッパー / YouTuberの BST

HIPHOPの名曲をハイテンションでリアクション&解説する「仕方なく見る」シリーズは、ラッパーならではの考察と、HIPHOPへの深い愛情が感じられます。

そんなBSTの久々の新曲は、YouTubeでのコミカルさとは180度異なる内省的な世界観。そのギャップに聞き入ってしまいます。

変わっていく街並み、考えが頭の中で膨らんでいるに、変わり映えしない日常が重なってはフェイドアウトしていきます。

HOOKで繰り返される「YEAH」はアクセントになっていると言えますが、それ以上に表現者の道を選んだ不安、世間から取り残される寂しさを感じずにはいられません。


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▌続きのお話

この曲がリリースされてから1ヶ月も経たないうちに、中国人のプロデューサーからリミックスを中国でリリースてもいいかというオファーがあったみたいです。トントン拍子に話が進みすぎて戸惑うBST。このオファーに乗るべきか、断るべきか…詳細はこの動画で。

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Kamui / 疾風(Prod. 3-i)

2022/01/01 公開

▌世界を変えるのは いつもこんな奴


「それは無理だ」「そんなことできっこない」と笑われて、バカにされて。でも、その悔しさを糧に自分のやりたいことを貫き通す。

時代を変えるのはいつもこんな奴です。

ラッパー Kamui は、TENG GANG STARRやMUDOLLY RANGERSの活動を経て、'20年12月、ソロ3作目となるアルバム『YC2』をリリースします。

近未来の日本の架空の街 “ヤンデルシティ” をコンセプトにしたアルバムなだけあってサイバーパンクな内容。MV「Runtime Error」では、ターミネーターを彷彿とさせるロボット兵器を登場させるなど相当な予算をつぎ込んだ映像を作っていました。

そんなアルバム『YC2』が諸般の事情でストリーミング配信できなくなってしまいます。そこでKamuiは「内容をパワーアップさせて再び世に出すチャンスだ」と前向きにとらえ、『YC2』のデラックス版『YC2.5』の制作費とワンマンライブ開催費をクラウドファンディングで募ります。



最初の目標金額が100万円でしたが、わずか5時間で目標を達成することになります。現在聴けなくなってしまったアルバム『YC2』をもう一度聴きたい!そんなリスナーの思いが支援を集めます。

アルバム『YC2』を巡る不運や、コロナ禍でライブができないという逆風が吹いていたのに、リスナーの支援が追い風となり、Kamuiを本当の疾風にさせていています。以前よりも曲の説得力が増してカッコいいですね。

「俺は疾風 誰よりも先走る この世界の色を塗り替える」

「疾風」のリリックより引用

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Deep Leaf / 日常(feat.Pepe)

2022/01/01 公開

▌苦しさが曲を書かせ 情熱が人を熱くする


2020年8月に結成し、福岡を拠点に活動するHIP HOPクルー Deep Leaf 。メンバーは、LOX BLACK BACK / 16 / MUTA / Jeter Base / Still / Brandy Ted / dial€k / Pepeからなる8人です。

全身に色を塗ったショッキングなビジュアルでヘッズ達を驚かせたMV「LALALA」は32万回再生されています(2/3現在)。

メンバーの中でも、ラップに直線的なキレがあるPepeのソロシングルは、苦しさを曲にぶつけています。日々自分と向き合い、批判されるのは覚悟の上で世間と戦っている、これが俺の日常だと。

そしてヘイターにすら、匿名で他人を批判して得意げになる暇があるなら、やりたいことやってみせろよと鼓舞しているようにも聞こえます。

彼の情熱がリスナーの身体を動かし、心を熱くする
そんな楽曲に仕上がっています。

「敵に憎むの簡単 だけど生き残るこれ難関 Ha
 ジェットコースターバンバン
 増えてく雑魚 蹴散らすワンバース」

「日常(feat.Pepe)」のリリックより引用


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▼SoundCloudには、今後リリースされるであろう楽曲がアップされている

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BNKR街道(JUNKY & TRASH & 玉 残 党 & 超一) / 覚醒異伝(Beats by ジャッキーゲン)

2022/01/02 公開

▌カオスティックアンダーグランド


"カンフー × HIPHOP"と言えばWu-Tang Clanを連想するが、そこに孔雀王 × 歌舞伎 × お寿司 × TATOO × 過剰なサービス精神を掛け合わせれば=BNKR街道 が表れる。

寺山修司もびっくりな超ド級のアングラな世界観。カオスすぎてとっちらかりそうなものだが、腰にくるビートとラップスキルで成立させている。どこまで本気か分からないのに、なぜか真理が見出せる不思議さ。

ブルースリーの名セリフ「Don’t think, feel.」も、彼らの手にかかれば「感覚でさーせん」に変わってしまう。しかも語気強めって最高でしょ!


▼この曲が収録された4thアルバム『力の覚醒』のリリースを控えていたにも関わらず、正月に遊びの延長で楽曲制作を始めたら別アルバムが先に完成しまったという作品。嘘でしょ(笑)

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Ludywrld / BOMB (prod. DJ FRIP a.k.a. BEATLAB)

2022/01/03 公開

▌気ださを伴った低音ボイス


AbemaTV『ラップスタア誕生』ではベスト8に Tokyo GalCYBER RUI が勝ち進んだり、アンダーグランドシーンでは Henny K が頭角を表すなどフィメールラッパーの存在感が増しています。

 Ludywrld(ルディワールド)もその1人。浅草という下町育ちながらインターナショナルスクールに通い、英語・日本語・韓国語が喋れるラッパーです。

ラップを始めて1年半で1st EP『MELTDOWN』のリリースし、'21年12月26日には2nd EP『Ludywrld 1』をリリースします。

彼女は気ださを伴った低音ボイスが特徴で、「I’m the new Rap Star」と語る上昇思考が迫力あるラップを生み出しています。

消え入りそうな声でラップしていると思ったら、一気に語尾を強めたり、息継ぎなしで英語のリリックを畳みかけたりと声色を使い分ける表現力。

最後はメロディアスなフローで締め、まだ私の引き出しはあるよと余裕を残して終わるのが、次の予告編のようでカッコいいです。

「ちっさいステージから始まるワンシーン
 ゲトりにいくのはTOP!!
 I got big dreams
 着実攻めてくdopeなflowに
 飽きたることも無くtasteする毎日」

「BOMB」のリリックより引用


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Young Dalu / Regrets(Prod. KESSO)

2022/01/07 公開

▌イントロとアウトロで印象がガラリと変わる


2021年に活動を休止した Normcore Boyz のメンバーで、現在は"Tokyo Young Vision" のメンバーであるYoung Daluが、自身初となる1stアルバム 『KINGDXM HEARTS』を1月14日にリリースしました。

リード曲となるこの曲には、後悔のないように生きていけば未来が明るくなるというポジティブなメッセージが込められています。

The Weekndを彷彿とさせるヒンヤリとした質感が、ハイウェイを吹き抜ける風のようで心地いいですね。時間を売り買いするSF設定もいい。


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¥ellow Bucks / I’m Back(Prod. DJ RYOW & Space Dust Club)

2022/01/09 公開

▌ (声を大にして言いたい)不起訴ですから!


大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕された ¥ellow Bucks が不起訴になり、20日間の勾留後に生還を果たした挨拶代わりの1曲。

一部報道では、野外音楽フェス「NAMIMONOGATARI 2021」に出演した事と併記することで、"ラッパーってこんなに悪いんですよ"と悪意ある記事に仕立てていました。

そんなマスコミ報道に惑わされた人は、謝罪の一つでも期待したのかもしれません。しかし、¥ellow Bucksは「するつもりはねぇ懺悔」と一蹴し、彼を待ち望んだリスナーに向けてリリックを書いています。

そこにはリスクは承知の上で、ラッパーとして生きる覚悟が刻んでおり、何も変わっていない¥ellow Bucksの姿勢に「そうそうそう」と頷いたことでしょう。そして実感したはずです。

「オレみたいなヤツいねえとつまんねぇだろ」と。


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NEKOSOGI / RESIDENTS

2022/01/07 公開

▌ギターを持った鎮座DOPENESSか?
▌ファンキーさ増し増しのヤング長渕剛か?


正体は、ギターを叩きつけるように弾くシンガソングライター ローホー(RowHooMan)。彼が新しく結成した新バンドが NEKOSOGI です。

このMVでは健康ランドにいそうなおじさんっぽいですが、あなどるなかれ。バンドメンバーは、金子巧(Cro-magnon)、EIJI(Dachambo)、 三根星太郎(犬式)、佐久麻誠一(digda)と一流のミュージシャンが従えています。

ユーモアを交えながらガナリ立てるラップは迫力満点で、ちゃめっ気たっぷり。ブルージーなスライドギターが下町っぽさを演出し、親近感をおぼえます。

このMVにも出演している超一(from BNKR街道)とリンクするラップスタイルとドンチャン騒ぎ感が楽しめます。この曲を気に入った人は、ぜひNEKOSOGIのバンド結成を追った⬇︎のドキュメントをもチェックして下さい。このMVとは一味違うシリアスな面も見れますので。


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Joz Thomas / KID STAR

2021/01/12 公開

▌嫌な取り締まりやな ホンマに


大阪の中心地とは言えない柏原市で、HIPHOPを根付かせようとレペゼンするラッパー Joz Thomas(ジョズトーマス)。

自分の身近にあって、普段の会話で普通に使う関西弁をリリックにしているラッパーです。「カッコつけるのは苦手」というだけあって、背伸びをしていない等身大のリアリティーがあります。

これから一緒に夢を追いかける
そんな気分にさせてくれるHIPHOP。


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KAI7EI / SLY ft. 5hy 8oy(Prod. KAI7EI)

2022/01/14 公開

▌「お前の自信あるFlowよりも軽快なStep」


九州をベースにしたレーベル・7 Music & Entertainment からリリースされた1stシングル。レーベルの発起人であるKAI7EI はプロデューサーであり、 楽曲制作から映像制作までマルチにこなしています。

クラップ音が主体のパーカッシブなリズムに、サイレンが頭上で渦巻くトラック。熊本を拠点に活動するラッパー 5hy 8oy は、低音の狭いレンジの中で声を使い分け、語頭の強弱をつけることで「タタタタ」と小刻みに走っているようなグルーヴを生み出しています。ダンスを大切にしているKAI7EI だけあって、こりゃ踊れる。

YENTOWNの JNKMN が好きなら気に入るはずなので、ぜひ!


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Yvng Patra / KERBEROS feat.Young zetton(Prod. FILTHY! & AYAME)

2021/01/16 公開

▌Kérberos = ギリシャ神話に登場する三つの頭を持つ番犬


Red Bullがキュレートするマイクリレー"RASEN"の#14に出演し、俄然注目を集める Yvng Patra 。ORIGAMI、GNB AAlucarD、₩、yuoto、hxpe trash、HAKU FiFTYからなるコレクティブ・Xgang(クロスジヒトリ)に所属する新潟出身のラッパーです。

Trap Metalの第一人者Ghostemaneの影響を受けたというだけあって、ダークさがあり、毒素がしたたるようなねっとりとした低音ボイスが魅力的。

この曲は冥界の番犬になりきって歌っており、相手に噛み付くのもの正義のためというスタンス。純粋さと危うさが渾然一体となっているのがいい。


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▼レビューの参考にした貴重なインタビュー記事

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Iida Reo / 王の継承

2022/01/19 公開

▌風圧を感じる破壊力


Trap、パンク、インダストリアルメタル、シューゲイザーなど様々なジャンルからの影響を感じさせる東京のラッパー Iida Reo

1年ぶりにリリースされるシングル「王の継承」では、1フレーズ、1フレーズを地面に叩きつけるようにラップし、打楽器のようなグルーヴ感があります。特にブレイクからセカンドバースに入る際、風圧を感じるほどの破壊力があります。

不穏なシンセがいつの間にかノイズにまみれていく様は、ドス黒い雲が空を覆い尽くすかのよう。バース後に曲が展開する構成は、ロックを経由した別系譜からのHIPHOPが新しく誕生しているようでワクワクします。


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Meta Flower(from LSBOYZ) / DUTY LOVE FEAR LUST(Prod. DJ SCRATCH NICE)

2022/01/20 公開

▌「ぶちかませ 死ぬな生きろ」


Meta Flower は、YOUNG CEE・ARASHI・peedog・cocoで構成されたクルーLSBOYZ(LONG SLEEP BOYZの略称)のメンバーです。

ツイッターのプロフィール欄には、ラッパーより前に芸術家の肩書きがあるように彫刻家としての顔も持ち合わせています。圧倒的な美意識を感じるこの曲は「赤褐色」「金の棺桶」「紫に腫れた左目」など様々な色彩に彩られています。

そして、もっとも印象に残るのは血の描写。それは死を目の当たりにしたからこそ感じる生命の証であり、生きる意味を見出そうとリリックを綴っているように感じられます。Meta Flowerのラップは速さを競うのではなく、一言一言に重心をかけ、時に力強くリスナーに語りかけています。

DJ SCRATCH NICE による、ソウルミュージックからサンプリングしたストリングスとボーカルは、儚げな美しさがあります。「1年かかってでも美しい映像で撮影したかった」というMVの映像美を堪能して下さい。


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LEX / MUSIC(Prod. pilotkid)

2022/01/24 公開

▌真正面から勝負したエンターテイメント


テレビ朝日系『関ジャム 完全燃SHOW』にて、メインストリームで活躍するプロデューサーが選ぶ"2021年の年間ベスト10"に2曲セレクトされるなど、HIPHOPの枠を超えて音楽業界から大注目を集めるラッパー LEX 。

2021年9月にはリリースされた4thアルバム「LOGIC」のラストを飾るこの曲は、メジャー感のある王道ハウスのトラックでラップをしています。

注目すべきはリリックのシンプルさ。バースを言葉で埋め尽くすのではなく、無駄を削ぎ落とした歌いやすいリリックに仕上げています。

そしてHOOKでは、「Woooo」というコーラスと共に「WE LOVE YOU」をリフレインしています。これほどストレートな歌詞が近年あったでしょうか?

LEXの歌の上手さが成立させた曲とも言えますが、それ以上に彼がエンターテイナーとして多くの人を楽しませたいという想いが表れています。

これを聴いたら、"何がHIPHOPか否か" なんて論争がちっぽけだなって思いますよね。(本当にクダラナイ)

DJが1番盛り上がる時間に、この曲をかけてピークを作る
なんて想像するとニヤニヤしてしまいます。


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Hys plasma / indies

2022/01/25 公開

▌青空を迎える解放感


自身のYouTubeチャンネルでは、HIPHOPのドラムカバーを行うなどドラマーとしての顔も持つラッパー・Hys plasma (ヒスプラズマ)。

曲中で「またバンドしたいぜ」と歌っており、ロック・HIPHOPをフラットな視点でとらえているアーティストです。

トラックはギタリストをフィーチャーし、ゆったりとした伴奏にカチッとしたリズムがハマっています。

Hys plasmaによる大らかさとロックが持つ自由さがあり、両手を広げて青空を迎えるような開放的な気分にさせてくれます。

MVでは実の父親がギタリストとして出演するなど、音楽に囲まれた環境で育ったことが伺えます。ちょいワルな老夫婦にも注目。


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RhymeTube / FLOW feat FARMHOUSE

2022/01/28 公開

▌メガヒットを連発させるプロデューサー


「空音 / Hug feat. kojikoji」や「Rin音 / snow jam」などモンスター級のメガヒットを飛ばすプロデューサーRhymeTubeが、待望の1stアルバム『KOZMO』を2022年1月26日にリリースしました。

先行シングルであるこの曲には、これまで数々の共作がある FARMHOUSE 8from SUSHIBOYS)をフィーチャーしています。

彼はニートtokyoのインタビューにてカエルの鳴き声からもフローを考えると話すだけあって、生活のありとあらゆる物や、人生の浮き沈みさえもフローになると歌っています。

わずか2分35秒の短い曲ながら、アウトロにちょっと切ないメロディが挿入されていて、RhymeTubeのトラックメーカーらしい存在感が感じられます。


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YTG / ZIP ROCK(Prod. LYNN & Xanny light)

2022/01/28 公開

▌感覚がバグる心地よさ


JNKMN や ゆるふわギャング も所属する謎の音楽集団・JODYのメンバーYTG 。1998年生まれで鹿児島県奄美大島出身だが、その後、北京→東京→奄美大島と住まいを転々とし、現在は東京を拠点にしています。

声色を使い分けるラッパーは数多くいますが、YTGは言葉の巧みな強弱と、音程を上下に使い分けることでグルーヴ感を生み出す稀有な存在です。

特に小節の終わりにフッと力を抜くことで、球の軌道を見失って空振りするような感覚に襲われます。それが求心力となりグイグイと引き込まれ、また裏切られて感覚がバグる。そんな心地よさがあります。屋台ラーメンのチャルメラのような怪しげな音色もラップとマッチしています。

やり切ってしまわず余力を残しているのが実にCOOL。もっと聴きたくなる中毒性にご注意を。


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T-STONE / 言U(Prod. Anan Kaminaka & WOFFYRICH)

2022/01/29 公開

▌言いたいことを言うのが筋


「俺の友達の悪口を言えばぶっ殺す」
とショッキングなリリックから始まるこの曲を歌うのは、雑誌『日経エンタテインメント!』で "2022年の新主役100人" の1人に選出された徳島のラッパー T-STONE

言いたいことあれば、拳じゃなくて言葉で伝える。
言葉を生業にするラッパーだから当たり前と言えば当たり前なのだが、言いたいことも言えない世の中だからそこ、声高に言い切る姿が快感。

(職場で言いことがあっても、グッと飲み込んでる自分が情けない…)

「弱いものイジメしない , 皆んな助け合い」など大人びた発言もあり、人間的な成長に頼もしさを感じた矢先、中指を立てるヤンチャさがあります。やっぱりラッパーはこうでなくちゃ。


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C.O.S.A. / Sunday Freestyle feat. 仙人掌 & JJJ(Prod. JJJ)

2022/01/30 公開

▌キャリアを積んだ3MCのカッコ良さ


10年前のリリースと言われても違和感ないが、10年後にリリースされたとしても同じ感想を抱くでしょう。最新トレンドとは無関係な、普遍的なカッコ良さがこの曲にはあります。

ハイハットの波形を微妙に変化させてグルーブを作り、スネアの響きに神経を尖らせた JJJ のビートに職人技が光ります。

仙人掌の渋さ、JJJのツヤっぽさ、そしてC.O.S.A.の骨太さ。エレピのシンプル音色ゆえに、キャリアを積んだ3MCの良さが伝わります。

ラッパーの SPARTA が映像ディレクターを務めており、白黒で統一しているのもカッコいい。

心配いらねえ C.O.S.A.  J
どんな時代を生きるのか 教えてやろうぜ

「Sunday Freestyle feat. 仙人掌 & JJJ」のリリックより引用


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終わりに

最後までお付き合いありがとうございます。ヤバい曲との出会いがあったよという方は、高評価とフォローをお願いします。皆さんのアクションで一喜一憂してますので(これマジです)

最後に、この記事で紹介しきれなかった曲のプレイリストを作りました。さらに深堀したい人は、HIPHOPの沼にハマって下さい。

では次の記事でお会いしましょう!





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ドラム師匠@ヒップホップライター
HIPHOPを広めたい一心で執筆しています。とは言え、たまにこれを続ける意味があるのかと虚無感に襲われます。 このまま頑張れ!と思われた方、コーヒー1杯おごる感じでサポートお願いします。自信をつけさせて下さい。

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