【エッセイ(5)】30代前半の地方公務員が進路を決めずに退職した話【第5回:最終出勤日】
こんにちは、ぼっしゅです。私は2024年の年度途中で、新卒から11年以上勤めた地方公務員を、次の進路を何も決めずに退職しました。今回は、上司へ退職意向を伝えた後、最終出勤日を迎えるまでの話です。
A美との関係性
プラダ(上司)に退職意向を伝えた日の週末、私はマッチングアプリで出会ったA美と3回目のデートをした。横浜に行って、みなとみらいでランチを食べて散歩し、夜は恵比寿のBARでお酒を飲んだ。私は2回目のデート後に告白をしていたが、恵比寿のBARで改めて告白をした。その際に、今の仕事を辞める事も伝えた。A美の答えは「イエス」だった。
仕事のモチベーション
最終出社日を決めてからも、仕事のモチベーションを維持するのは意外と難しかった。辞めると決めたからこそ、公務員特有のお作法的な業務への意義が見出せなくなり、それでも最終日までは責任を持って仕事をすると決めていたので、そのバランスが難しかった。
自分の担当業務は最終日までやる事が沢山あったので、淡々とそれをこなしていった。
後任の決定
私の最終出勤日の1週間前になった頃、プラダから呼び出された。打合せブースに行くと、2名の顔の知らない職員がいた。別部門の職員で、兼務という形で、私の業務の後任を担う職員という話だった。顔合わせ程度に軽く紹介をされ、最終出勤日までに業務の引継ぎを指示された。
後日、私は後任となる2名の職員に引き継ぎを行った。その職員たちからは「辞めるのは勿体無い気もするが、自分の人生を歩んでください」「あとは任せてください」と励ましの言葉をもらった。
最終出勤日
そして、あっという間に最終出勤日が訪れた。今回は自己都合退職であったので、退職セレモニーはしないで欲しいとお願いしていたが、総務ポジションの先輩職員から「区切りをつけるためにもやった方がいいと思う」とアドバイスされ、午後に部署内全員の前で、簡易的な挨拶の場を設けてもらった。その際、花束も頂いた。
終業時間の間際には、プラダを含めた同じチームの職員からも、ペンをプレゼントしてもらった。
業務用携帯やPCの返却などを済ませ、荷物を片付けて私は庁舎を後にした。私の11年余りの公務員生活はピリオドを打った。
A美からのお祝い
職場を後にし、私は自宅の最寄駅でA美と合流した。駅近くの居酒屋で夜ごはんを食べた後、一緒に自宅へ帰った。A美からは退職祝いとして、少し高価なビールを瓶でプレゼントしてもらった。
その時になって、ようやくホッとした感覚があった。公務員生活が終わったと実感した。
そして翌日から、何も決まっていない白紙の日々が始まる…。
(続く)