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次の10年を思っての抱負

靴磨きをお仕事にして10年目に入りました!

「好きなこと・自分で選んだことを仕事にしたい」という小さな祈りみたいな気持ちから始まったのが、私にとっての靴磨きの仕事でした。

なので、有名になりたいとか派手なことやりたいみたいな気持ちはなくて、
自分の中にある「好き」や自分自身を誰かに消費されないことや、
目の前のお客様や革靴・革製品に誠実に丁寧に「もっといい仕事をお届けしたい」(=喜んで欲しい)という意思を重んじてやってきたように思います。

休みの日も、靴作りに通ってみたり、染めを教わってみたり、
有給とってタンナーさんに通いつめたり、皮革技術センターの研修に参加したりイタリア旅行行ったのにずっとMANNINAにいたり。
好きな気持ちや好奇心が止まらないまま、あっという間の10年目です。


2019年の終わりころにシューケア用品メーカーを辞めることを決めて2020年2月に退社。
これからは自身のペースで細々と続けていければ…と思っていたら、コロナ禍で働き方も生活もがらっと変わりました。
そんな時勢でしたが、ありがたいことにレザーケア・シューケアのお仕事にご縁があって2024年の今でもコンスタントにお仕事をさせていただいています。
(おかげさまで今も秋の全国ツアーの真っ最中です)

振り返ると意外と長くやってきたなということで
最近は 企画展「育った革展」 をやってみたり
ワークショップをはじめてみたり
平野ブラシを仕入れてみたり…と、
新しいことを色々始めてみました。

こどもの頃の私は、革靴を自分が履くなんて考えてなかったし、
20歳の頃の私は、靴磨きを仕事にするなんて思っていなかったし、
10年前の私は、いまのような自分は想像していませんでした。

なので、これからの10年も閃きとご縁を大切にして、
いま思ってもみないような未来が待っていたら面白いなと思っていて、
具体的な絵はないのですが、点を打っているようなイメージです。
どんな絵になるかはまだわかりません。線になるかもしれないし、面になるかもしれないし、立体になるかもしれません。
わからないから、面白い。そんな風に考えてます。

靴や革に関するお仕事や活動をするにあたって抱負を最後に少しだけお話させてください。

①ワークショップ→当たり前をつくりたい
自分が使っている革のものを、”ちょっと手入れしてあげてながく愛用する”
そんなひと手間が当たり前になったらいいなと今も昔も変わらずに思っています。
レザーケアや靴磨きは、「奥が深いけど、実は入り口はそんなに難しくないよ」ということをお伝えしながら実践・体得する場を広げていきます。

②ケアサービス→「まだまだもっと愛用したい」を叶える
私がもっている知識や技術は、お客様の「これ、気に入ってるからまだ使いたいんだけど…」を叶えるために注ぎます。難しいものや高額になってしまうようなケースも、ちょうどいい落としどころをお互いの間で探っていきたいです。

③企画→「革って面白い」を伝える
良いものを作っているのに売れない、革に対して誤解がある、なんだか敬遠されている…等、レザー界隈の課題についてあちこちでお話を伺ってきました。自分なりの視点や企画で、私の身近なところから少しでも何かが変わるきっかけが作れたらと思います。
新しいことをやってパイオニアになろうとかではなく、見落とされてること・手が届いていないところに足を運んだり手を出したり、ニッチでも熱のある事をしていきます。


「好きでしてんじゃん」という姿勢が私の醍醐味であり原点です。
このままいきます。
面白がっていただければなによりです。

次の10年もよろしくおねがいします。

菊地夏美

いただいたサポートで、タンナーさんのお話を伺いに行ったり企画をしたりします!