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患者さんからのいただきものに、どう対応するのが正しいのか

私は外科医として働いていますが、患者さんからお金を包んだ封筒を渡されそうになることが時々あって、そのたびにドキドキします。

私はこういうときどう対応するか決めています。

まず、手術前に渡そうとしてくる場合は絶対に受け取りません。
何があってもです。
それはただのプレッシャーにしかならず、私にとっては「信頼されていないのかな」と感じてしまうからです。

もちろん、そんなことはないと頭ではわかっているのですが、どうしてもそう思ってしまいます。

ですから、手術前に渡そうとしてきた時には、「これからお金がいくらでも必要になるんだから、しまっておきなさい」と言って、受け取りません。

一方で、手術がうまくいって退院する時になって渡してこようとする方もいます。
これは感謝の気持ちからだとわかっています。

でも、本来は受け取るべきではないと思っています。
なので、私は必ず3回断ります。

それでもまだ渡そうとしてくる場合、いくつかの可能性が考えられます。
例えば、親族から託されている場合や、患者さん本人が渡さないと気が済まないと思っている場合、あるいは渡さないと怒られると感じている心理的な理由があるのかもしれません。

そういう場合は、それまでのやり取りも含めて人目につくこともあり、仕方なく受け取るようにしています。

とはいえ、大した額ではありません。具体的にいくらとは言いませんが、喫茶店に2、3回行ったら終わるくらいの金額が多いですし、中にはビール券が入っていることもあります。

一番嬉しいのはお菓子ですね。退院後に挨拶に来てくれた時に持ってきてくれるお菓子は、もう入院患者ではないので喜んで受け取ります。
そして、スタッフと一緒に分けます。
患者さんのことを思い出しながら分け合います。

これくらいは許してほしいなと思うのですが、これは私が今、民間の病院に勤めているからなのかもしれません。


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とある地方都市の某外科医
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