「#難聴と認知症」ってなんかミスリードなハッシュタグだよね。(その1)#018

〜認知症?難聴? いや、それただの空耳です。〜

ここ最近、ネットサーフィンしてると

#難聴と認知症

っていうハッシュタグ(#)をよく見かけます。
補聴器メーカーのチラシや某販売店チェーンのホームページとか。

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・認知症予防に補聴器をつけよう!
・補聴器で認知症を治そう❗️

みたいに読み取られかねない広告をみることがしばしばです。

ぼく的には、
これ、
「うひゃー、この人たち、なに言ってんの(~_~;)」
と思っています。

今回の記事は、

なにがうひゃーなのか、
そして、どこまで言って委員会か、

そんな話をさせていただきます。

難聴になると親父ギャグが増えてくる・・・

まずは、ぼくのお気に入りのきめことば
「難聴になると親父ギャグが増えてくる!?」
のはなしから・・・
熱心なボクのフォロワーさんは、この話は、耳たこかもしれませんが少しだけお付き合いください。

中高年のちょっとやっかいなおじさまたちの口から親父ギャグがついつい出てきてしまう理由は、難聴に伴う聞き間違いが原因です。

いわゆる、
「空耳」
ってやつがはたらいて、トンチンカンな受け答えが生まれてきます。

よく聞こえない音に対して聞こえたふりしてトップダウンで適当にことばをあてはめてしまうことでこの空耳が生じてきます。

難聴になると親父ギャグというそのメカニズムやそれにまつわる面白いエピソードは、拙著「耳の不調は脳までダメにする(講談社α新書)」に詳しく書いています。。amazonなら922円。是非お求めになり読んでみてください。

この本、書いた自分でも驚きですが、当時(2009)紹介した数多くの栄養や運動や難聴予防に関するトピックスが、いまだ内容が古くなっていないことに書いたボク自身も驚いています(自分の予見のその正しさにひたすら驚くばかり)。
と言うこともあっていまだに改訂することもなくそのまま売られています。「2009年の発行だから古いね。読まなくていいや。」は、勘違い。ぜひ手に取って読んでみてください。

「難聴になると親父ギャグが増えてくる」の台詞、
ホンマでっか!?TV に出演させていただいたときにも連発させていただきました。

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インターネット上に溢れる怪しげな言説

2015年頃に米国のリン博士が、難聴と認知症の相関を報告し、2017年に国際医学学術誌ランセットのアルツハイマー病に関する委員会から認知症に関わるリスクファクターが公表され、そこに「認知症になった人の9%は難聴という問題を抱えていた。しかも、その9%は他のどのリスク因子よりも大きな割合である。」ことが示されました。
つまり、2015年のリン先生の研究成果が広く認められたと言うことになります。しかし、2020年にはこの委員会、認知症のリスク因子についてしれっと改訂版を出しています。

これまでの経緯を整理すると・・・

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