REM測定装置獲得のための戦略(医療機関編その2)チューブマイクロフォン挿入は怖くない #046
はじめに
大塚さんのこれまでの一連の記事から、REMの重要性やフィッティングにおけるその意義は充分に伝わったかと思います。
それでも多くの方々がREMに踏み込めない理由のひとつに、プローブマイクを挿入することへの恐怖心があります。
クライアントさんに不要な不安と痛みを与えてしまうのではないか
奥まで入れすぎて鼓膜を傷付けたり、破ってしまうんじゃないか
そこまでファインチューニングにこだわらなくても、ちゃんとできてると思うけど。。
投下するコスト考えたら、そこまでしなくてもいいように思うし・・・
と、どれも「知識不足」や「あのブドウは酸っぱい。」的な言い訳に聞こえてきます。
確かに、法規上も医師と言語聴覚士がREMを行うことは明確に記載されているのですが、認定技能者がREMすることについては、なんとなくグレーゾーンなニュアンスがただよっています。
『本当にやってもいいんですか?』
な思いが払拭できず、新しいことに踏み込めない方が多々いるようなのです。実際に医師の指示の下、REMを行っている言語聴覚士さんや先進的に器機を導入して、それを実践している販売店に勤める認定技能者さんなどとお話をすると、その手の不安や心配を必ずしもすっきりと払拭出来ていない。そんな雰囲気を感じます。
実際は、ぼくから見ればREMよりももっと危険でもっともっと不安と恐怖を感じてほしい印象採取を平気のへいさと日々こなしているわけで、なんかちぐはぐでダブスタだなと思うわけです。
なぜわたしたちは不安や恐怖心を感じるのでしょうか。
その理由について少し一緒に考えてみたいと思います。解剖学的には、ヒトが不安や恐怖心を感じるのは脳で、それも大脳辺縁系の中にある扁桃体というアーモンドくらいの小さな部位に集約されます。
そこに五感情報が流れ込むと、その頻度や繰り返しによって恐怖や不安という感情が生み出されることがわかっています。一気におびただしい量の情報がなだれ込むと感情は「キレ」てしまいます(キンドリング)。それが溢れてしまうくらいな量になると今度は半ば諦めたように無視するようになります(ワインドアップ)。
しかし、脳に入り込む情報は、辺縁系だけに流れ込むわけではありません。
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