【医師解説】間葉系幹細胞の免疫調節作用
間葉系幹細胞の重要な働きの一つにして免疫調節抑制効果が作用があります。
骨髄由来間葉系幹細胞の研究でT細胞、B細胞、NK細胞のような免疫細胞の増殖抑制効果が報告されています。
羊膜由来間葉系幹細胞がT細胞の細胞増殖を抑制している報告、あるいは脂肪組織由来間葉系幹細胞は異常免疫組織拒絶反応に対して良い結果を得ているとの報告があります。
間葉系幹細胞は抗炎症性サイトカインを傍分泌します。それにより制御性T細胞を刺激し、炎症性サイトカインの生産を抑制します。
炎症性サイトカインはTNF-α、INF-γ、免疫抑制酵素およびIL-17であり、その中のTNF-αはプロスタグランジン-E2の生成を促進することにより免疫抑制効果を増加させています。
また、INF-γは免疫抑制酵素の生成を直接促す事により免疫調節の効果を促すとの報告もあります。
間葉系幹細胞の免疫抑制は免疫抑制酵素の産生によるT細胞の増殖抑制であることが報告されています。
自己免疫疾患に対しては、間葉系幹細胞は移植片対宿主病の治療効果が知られています。また、関節リウマチ、全身性エリマトーデスに関しても間葉系幹細胞での治療効果が報告されています。
免疫性を担うエフェクターT細胞の過剰な活性化によるクローン病や潰瘍性大腸炎に対しても間葉系幹細胞療法に効果が認められています。
これらのことから、自己免疫疾患に対しての間葉系幹細胞の細胞療法は有効であることが示されています。
青山メディカルクリニック 院長 松澤 宗範
参考文献:
1) Le Blanc K, Tammik L, Sundberg B, et al. Mesenchymal stem cells inhibit and stimulate mixed lymphocyte cultures and mitogenic responses independently of themajor histocompatibility complex. Scand J Immunol.2003; 57: 11-20.
2) Bacigalupo A, Valle M, Podestá M, et al. T-cell supla pression mediated by mesenchymal stem cells is deficient in patients with severe aplastic anemia. Exp Hematol. 2005; 33: 819-827.AD
3) Groh ME, Maitra B, Szekely E, et al. Human mesen Hair chymal stem cells require monocyte-mediated activation to suppress alloreactive T cells. Exp Hematol.2005; 33: 928-934.
4)国際抗老化再生医療学会雑誌 第1号(1-20)2018 間葉系幹細胞による治療と抗老化 佐藤茂 劉效蘭
・院長プロフィール
総合内科、形成外科、美容皮膚科、美容外科。
がん診療に関しては10代の頃に母親を末期癌で亡くした経験と形成外科で癌術後の再建で患者様と日々関わることで、早期発見、予防医療の重要性を痛感し、がん検査や治療も行っている。
疾患の種類を問わず、アンチエイジングまで幅広い患者様に対応し、体の内側・外側ともに健康に綺麗にをモットーにしている。
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