【エッセイ】僕の大好きなアルバム ①「アルバム」というおとぎ話
「アルバム」という音楽コンテンツの様式に憧れがあります。
思えば人生で初めて聴き込んだアルバムはオフコースの『セレクション1978-1981』でした。母の物だったアルバムを幼い僕は繰り返し聴いていたそうです。
初めて買ったアルバムはチャゲ&飛鳥の『スーパーベスト2』でした。「SAY YES」大ヒットの興奮冷めやらない中、まだ小学生だった僕は熱狂しました。
初めて買った洋楽は中学生の時に買ったマイケル・ジャクソンの『スリラー』です。
これらはいずれもヒット曲満載のソングコレクション、といった趣きです。
そして、初めて「アルバム」という様式そのものに愛着と憧れを覚えたのは、高校時代に熱中したビートルズの『サージェント・ペパー〜』です。
「架空のバンドが繰り広げる架空のショー」というコンセプトは、僕の若くて自由な想像力を遥か彼方まで解き放ってくれました。
そこにはおとぎの国のような七色のサウンドと、美しいメロディによって語られる物語があり、さらに20世紀最高のアーティストの最高傑作にまつわる数々の魅惑的な制作秘話がありました。
そんな「アルバム」を再生すると、伝説のバンドが僕だけに語りかけてくれる様な、親密な時間が流れるのでした。
そんな訳で「アルバム」という音楽様式への偏愛と尊敬を込めて、僕の大好きなアルバムたちを紹介してみたいと思います。