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カドミウム/Cd:亜鉛に対抗する毒
原子番号48の元素。
語源は、ギリシャ神話に出てくるフェニキアの伝説上の王子カドムスKadmus,Kadmosに由来するとされる。
水銀と同じく、第12族=亜鉛族の元素であり、亜鉛と間違えて体内に吸収されやすくなります。
亜鉛が必要な体内の酵素の働きも阻害する為、中毒症状だけでなく亜鉛の機能低下による様々な愁訴の原因になります。
鉱物中や土壌中などに天然に存在する重金属で、鉛・銅・亜鉛などの金属とともに存在することから、日本においては1千年以上前から鉱山開発などにより、地中から掘り出されてきた。
排水が原因で富山県で発症したイタイイタイ病の原因である。
曝露の原因
米
貝類、イカやタコなどの軟体動物や、甲殻類の内臓
タバコの煙
鉱山開発により田んぼが汚染されたことから、日本人はお米からカドミウムを最も摂取しており、4割とされている。
糠の部分にカドミウムやヒ素を含むことから、玄米の方が白米よりも重金属の含有量は高くなる。
農法の工夫でカドミウムを減らす対策がされている。
カドミウム濃度が0.4ppm以上1ppm未満の米は食用として販売禁止、1ppm以上の米は栽培することも禁止とされている。
魚よりも貝類やイカ・タコ、甲殻類の内臓に多いので、塩辛など内臓を使ったモノにも多く含まれる。
中毒症状
急性の症状としては、
悪寒や発熱といった全身症状や
腹痛や下痢といった消化器系の症状など
慢性の症状の標的臓器は、腎臓。
腎機能障害による全身のだるさや疲れやすさ、むくみ
腎性貧血
高尿酸血症からの関節痛
さらに、ビタミンDが腎臓でうまく活性化されず、骨の症状が出現する
骨粗鬆症・腰痛・背部痛・手足の骨・関節痛
これがイタイイタイ病と言われる所以である。
亜鉛の機能低下に伴う症状
疲労感・倦怠感
成長の障害
性欲減退・不妊
皮膚症状
傷の治りの悪さ
脱毛
精神症状:無気力・うつ・不安・記憶力低下
胃腸障害
免疫力低下
味覚障害
鉄欠乏性貧血
体の酸化による様々な症状