決して達することのできない場所
From:Dr.kappa
金曜日、午後2時52分
大学、オフィスより
まず1つ書かせてください。
2週間弱、メルマガを送ることが出来なかったことに関してです。
原因はシンプルで、私が使っているメルマガスタンドにログインできませんでした。
セキュリティの観点から私は2段階認証を掛けているのですが、その一方との連携が上手くできませんでした。
(自分自身がログインできなくなる方が、第三者にログインされてしまうよりは良いと個人的に考えています笑)
最近パソコンを変えたのですが、それが原因で2段階認証に使っているアプリに正しく私を認識してもらえませんでした笑
ということで、認識してもらうまでメルマガスタンドにログインできず、したがってメルマガを送ることが出来ませんでした。
もしメールを楽しみにして下さっていたら、すみませんでした。
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さて、ここから本題です。
私が日課としている売れたセールスレターの分析。
洗練された言葉の背後にある意図を日々考察しています。
すると目が鍛えられるのか、一流のセールスコピーライターは、たった一語にも複数の意図を込めていることが見えて来ます。
いえ、言葉だけではありません。
そもそも何を語るのか。
その題材自体にも複数の意図が隠れていることが読み取れるようになって来ました。
(たった1本のレターで1800億円(ざっくりとした計算)を売り上げた天才コピーライターGary Halbert。
彼が書いたあるレターは
・少なくとも3年間、
・恐らく4年、
・もしかしたら5年以上も
利益をもたらし続けました。
今の時代にこれほど長期間、ROASが100%を上回り続ける広告がどれだけ存在するでしょうか。
大きな修正もせずに何年間も売れ続けた理由を研究したところ、素材の選択に要因があるだろうと結論しました。
つまり、顧客の声として「誰の」レビューを持って来るか。
ここに何重もの意図が隠れていることに気付いたのです。
そもそも「何を」書くか、は表面的コピーでは無い以上、コピーライティングだけを使っても見えて来ません。
そんなGary Halbertの隠れた意図にご興味がありましたら、こちらからお読み頂けます。)
関連して、最近お伝えしている手法。
事実を示すに留めること。
この方法自体も複数の効果を持っていることを今月のメインメールではお話ししたいと思います。
(ふと思い出しましたが、確かノーベル賞も取った物理学者ファインマンの言葉があります。
「一流の物理学者は1つの現象を7通りの方法で説明できる」
私はまだまだそのレベルには到達できていません。
ごく基礎的な部分でつまづくような凡な研究者なので、これからも精進を続けます。)
まずは簡単なところから見てみましょう。
ビッグアイデアの生みの親、David Ogilvy。
彼は元々リサーチ専門だったことをご存知でしょうか?
したがって、彼の本を読むと彼がどれ程のリサーチをしていたかを思い知り、「私ももっと深く調べないと」と襟を正されます。
そんな彼が本の中で繰り返し書いていることがあります。
それが他でもなく「事実を伝えるほど売れる」という主張。
彼のリサーチの深さを考えると、これは膨大なテスト結果から導かれた人間の傾向と考えて間違いありません。
したがって、説得を目的とした言葉では事実を多く伝えた方が効果的だと考えられます。
(実際、彼の有名なRolls-Royceの広告では19の事実がひたすら列挙されていますね。)
事実を伝える効果の簡単な側面を見たところで次に難しい側面。
端的には詳細度が上がること。
…と、これだけでは説明不足ですね。
もう少し説明させて下さい。
詳細度というのは文字通りどれだけ詳しいか。
どれだけ具体的か、と考えて頂いても構いません。
サークルにご参加頂いていたら4Uという基準でコピーを書く訓練をしているのでご存知だと思います。
この基準は元々Mark Fordが提唱したもの。
4つの基準の1つがUltra-specific、つまり詳細度の高い文章か?という判断基準です。
なぜ詳細度を上げると良いのか?
理由は「言っているだけ」感が薄まるからです。
説得力が上がると言っても良い。
例を挙げましょう。
(これも詳細度を上げることを狙っています。)
いま、Clayton Makepeaceの書いたプロモーションを見ながらこのメールを書いています。
彼は昨年、多くの教え子たちに惜しまれながら亡くなってしまいました。
というのも、彼はその寛容さから父親のように慕う者が多かったからです。
彼は質問者が納得するまで彼の時間を割くことを躊躇いませんでした。
彼のレターから得られる収入を時給換算するなら、想像もできない程の価値を持つ時間にも関わらず。
(もちろん、コピーライティング力が秀でていたという理由は言うまでもありません。)
彼のコピーを見ていると、非常に詳細な数字が散りばめられていることに気付きます。
例として、投資情報を提供する商品の場合。
単に「儲かった」「暴落した」などではなく、
・Nasdaqが800以下になる
・211%の利益
・最大929%の利益
などと細かな数字を見せています。
言い換えるなら、事実を示しているのです。
認識できるか否かに関わらず、これらの詳細を見せられると、私たちは「膨大な調査をしたのだろう」と感じてしまいます。
その結果、説得力が生まれるという訳です。
したがって、詳細にすればするほど、説得力が増す傾向があります。
また、説得力が加わるもう1つの理由としては、臨場感が上がるという側面もあります。
以前も書いたかもしれませんが、私たちはイメージできないことは頭に入りません。
(全く知らない言語で何かを「伝え」られても、イメージできない以上、何の意味も持たないのと同じです。)
それ故、「儲かる」「暴落」というような、抽象的な言葉だけでは全くイメージできず、頭に入りにくいのです。
頭に入らないと言うことは何も言っていないのと同じ。
説得力も何も持てる筈がありません。
最後にもう1点。
個人的に抱いているイメージを書いてみたいと思います。
それは事実と言葉の関係。
私は本業で理論物理学者という、数学を使う職業に就いているからか、次のようなイメージを持っています。
事実=図形
言葉=包絡線(ほうらくせん)
包絡線に関しては、Wikipediaにアニメーションが載っていたので、こちらを見て頂くと分かり易いかもしれません。
重要な点は、包絡線は図形に接する直線だということ。
そして、そんな直線を何本も引いていくことによって図形の輪郭を浮かび上がらせていく点です。
(原理的には無限の直線が必要になります。)
私の中では、個人的にこれは正に事実と言葉の関係に他なりません。
つまり、目の前の「事実」を何とか表現しようと、私たちは言葉を尽くして様々な側面を切り取ります。
そして、それらの切り口から「事実」の姿を立ち上がらせようと言う試みが言葉による表現だというイメージを私は持っています。
例として以前も取り上げた象を考えてみましょう。
私たちは「象」に対する特定のイメージを持っています。
そして、そのイメージを伝えるために、
・耳が大きい
・鼻が長い
・足が太い
など、様々な側面から切り口から言葉を尽くし、「象」という対象を浮かび上がらせようとします。
**
なぜ私はこのようなイメージをお話ししたのか?
メインのテーマと関連付けましょう。
「事実」を切り取るために用いる言葉は「事実」と接していなければなりません。
でなければ、図形の輪郭を(正しく)浮かび上がらせることは出来ないからです。
つまり、出来る限り「事実」に近い言葉を使わなければならないと言うこと。
では、「事実」を浮かび上がらせる為に抽象的な言葉を使えるでしょうか?
「事実」は定義からユニークです。
(言葉の使用に慣れておらず、具体を見る方々は錯視に掛かりにくいことを以前お話ししましたね。)
したがって、汎用的な抽象的な言葉を使っていては「事実」に接近することが出来ません。
目の前の具体的な1匹の象を描写するには、単に
・耳が大きい
・鼻が長い
・足が太い
などと抽象的な言葉を並べているだけでは不十分で、
・右耳の下に3cmほどの切り傷がある
・左目の方が少し丸い
・3回に2回、鼻を右曲がりにする癖がある
など、出来るだけ具体に接近する必要があるのです。
このように目の前の「事実」を伝えようとすると、必然的に詳細度を上げざるを得なくなります。
結果的にイメージしやすくなり、したがって説得力も増すということです。
主張をせず事実を示すに留めること。
この主張には以上のような意図も込めていました。
最後までお読み頂き、どうもありがとうございました。
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