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明日が楽しくなるヒント~医師以外の友達をつくろう

 今回は、明日が楽しくなる小さなヒントを書いてみます。経営は、上手くいことばかりではないので、やめたくなることもありますよね。でも、私が続けてこられたのは、苦労を乗り越えた先が楽しかったからだと思います。私にとって経営とは、成長できる楽しいことなのです。

 楽しく成長しながら経営するために、必要なことを考えてみました。今回のおすすめは、医師以外の人とのゆるいつながりを持つことです。ゆるいつながりによって、視点を変え、問題解決のきっかけになることがあるのです。

 わたしは開業医の娘として生まれたので、開業医が身近な存在でした。両親の友達も開業医が多いですし、いまは自分の友人も開業医がたくさんいます。かなりの数の開業医を見てきました。ですから、私にとっては、開業医によくある価値観が「普通」です。

 そして、医師は医師同士で集まりやすい傾向があります。簡単に話が通じるし、それほど気をつかいませんし、付き合いやすいですよね。でも、医師の中にある価値観ばかりみていると、それが当たり前になって、柔軟な考えを持てない時があるのです。それではいけないと思い、私は積極的に、医師以外のお友達をつくるようにしています。お友達ができて私が良かったなと思うのは「患者さんの本音を知ることができる。」ということです。

 医師以外の友達から、医療について質問をされることがあります。その質問には、外来では言えない本音があります。患者さんが心の中でどんなことを考えているのかを、知ることができます。

 例えば、医師に質問したらムッとされてから不信感を持った、聞きたいことがあるのに先生の前にいくと言えなくなる、などです。患者さんが医師とコミュニケーションを上手くとっていくことは、難しいのです。

 そのような悩みを聞いたときは、先生にこうやって聞いてみたらどうか、など私なりに提案をします。そうすると、「そんなこと話しても大丈夫なの?」という返事が返ってくることがありました。私にとっては当たり前すぎて大丈夫にきまっていることに対して、そのような返事があって驚きました。自分の当たり前と患者さんの当たり前は、違うのですよね。

 自分が思っていたよりも、たぶん患者さんは全然理解していない、もっと手前から説明しなければならないのだと、そのとき初めて気がつきました。

 私は、たいした専門がない医師であることがコンプレックスの一つでした。医師の間では、特殊な専門分野があることが素晴らしいという価値観だったので、私は本当に何もできない人だと思っていました。でも、友達と話すうちに、多くの患者さんは「話しやすさ」を医師に求めていることを知りました。話しやすさなら、私でも提供できます。話しやすさは価値なのだと気がついて、自分にも少しは価値があるように思え希望が見えました。

 こうやって様々な価値観に触れると、自分が偏ったメガネで世界を見ていることに気がつきます。自分が見てきた世界だけではなく、いろんな生き方がある、人それぞれで良いのだと思うと、気持ちが楽になりました。

 開業医の先生たちは、経営でお悩みのことが多いと思いますが、ゆるいお友達のつながりから、解決のヒントをもらえることがあるかもしれません。様々な価値観に触れ、外の世界をみると、苦しかったことも、実はたいしたことではなかったと気がつくかもしれません。

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