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 タチヨミ「コーヒーを飲みながら」①

コーヒーを飲みながら 第1巻 第1章 <落花生> 探す  

 どうして落花生は土に潜ったのだろうか。変わる瞬間と場面を想像してみる。
 カラスノエンドウのように寄り添い群れて茂っている生え方をしていた。大雨か台風で寄り合っていたのが離れて倒れてしまい、倒れたまま花が咲き土の上で結実した。さらに土が被さったのかもしれない。そしてその経験を記憶した。もう一つは、もともと蔓で這う形をしていた。土の中で結実するようになってから草の形になった。
 私は落花生の形を読む。植物の体は、1冊の物語だ。生き抜いてきた長い年月が形となって表れ、根の先から葉の先までで語る。みんないろんな形をしている。それぞれがそれぞれなりに生きてきた。
 美味しいコーヒーを飲みたいと思う。コーヒーの専門店でコーヒー豆を買おうと思う。けれど、毎日のこと、値段が気になる。そうすると、美味しさを減らしてしまうので、やっぱりいつものスーパーマーケットで買うのでいいや思う。美味しいコーヒーを飲むという目的に向かって歩き出したら、2極の選択に出会った。
 種(シュ)を連綿とつなぐこと、受け継がれ種(シュ)として一つの命を存続させるという目的。そこからいくつの選択肢に出会っただろう。
 コーヒー色の思考の中、植物の正体を探す。


コーヒーを飲みながら第1巻 第1章<落花生>探す より一部抜粋。
2021年8月に自費出版いたしました。コチラから購入できるようになっています。よろしければ、ご覧ください。

                             星原理沙




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