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タチヨミ「コーヒーを飲みながら」⑦

「コーヒーを飲みながら」第1巻 第1章<落花生>見つける

 
 電気とは不思議なもので、私の体の中でも作られ、使われている。昔、水族館で電気ウナギを見たとき、とても不思議だった。体のどこに発電所があるのだろう。内蔵の一部として持っているのだろうか。
 それから次第に、人でさえ、筋肉は体の中を流れる電気で収縮し、脳神経も電気を流していると知る。電気はどこで作られているのか。それは、植物の本を読むようになってから知った。内蔵や器官ではなく細胞の中なのだ。細胞は、分子を取り入れ分解や、合成を繰り返し分子の電子を取ったり付けたりしている。だから、電気が成長や形態を変えてしまうことがあるのではないか。と、思った。最初は。だけど、今はこう思う。変化は、ゆっくりと穏やかに、普通に起こる。ボタンの掛け違えのように。


「コーヒーを飲みながら」第1巻 第1章<落花生>見つける より、一部抜粋。

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                             星原理沙


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