ミュコーってどんなブランデー?種類・特徴・飲み方を詳しく解説
高級なブランデーの1つにミュコーがあります。
しかし、実際にミュコーを味わったことのある方は少ないかもしれませんね。
ミュコーは芳醇な香りと深い味わいを持つブランデーです。
その成り立ちや飲み方を知ることで、より一層楽しみが広がります。
この記事では、ミュコーとブランデーの背景や歴史、そして楽しみ方を詳しくご紹介します。
ミュコーはコニャックの名門ブランドの1種類
高級ブランデーとして知られる「コニャック」は、フランスのコニャック地方で作られます。
コニャックはブランドや醸造された場所によって豊富な種類があり、ブランドごとに魅力的な個性を持っています。
今回ご紹介する「ミュコー」は、深い味わいと品質をとても高いレベルで追求しています。
そして、コニャックを愛好する人々に高く評価されているブランドです。
コニャックはブランデーの1種
ミュコーを紹介する前に、まずブランデーとコニャックについて解説します。
ブランデーとは、果実を発酵させ、さらに蒸留をしたあと、樽で長期間にわたり熟成した蒸留酒のこと。
ブランデーの原料となる果実は洋梨やリンゴなどさまざまですが、その中で特にブドウを原料としたものがグレープブランデーです。
グレープブランデーの中でも、フランスのコニャック地方を産地とし、厳格な規定をクリアしたものだけがコニャックとなります。
コニャックの主な規定は下記の通りです。
●ワインを2回蒸留してアルコール度数を高める
●熟成にはリムーザン産のオーク樽を使う
●熟成年数は最低2年
●アルコール度数40度以上
コニャックの歴史
フランスやイタリアでは12世紀ごろから、ワインを蒸留して風味を高めたお酒を飲んでいたようです。
これがのちのコニャックの原型ではないかと考えられています。
フランスのコニャック地方では17世紀に入ってから、「二重蒸留」という革新的な製造方法が取り入れられました。
二重蒸留の結果、アルコール度数を高く保つことが可能となりました。
そして、高い品質を長期間に渡って維持できるようになったのです。
同じ時期に、蒸留酒は熟成期間が長期間に渡るほど、風味が良くなることも発見されました。
水で希釈して飲むことが主流だった蒸留酒は、そのままで飲むほうが風味を楽しめることが広く知られるようになりました。
この蒸留酒のことをコニャックと呼ぶようになり、水で希釈しない飲み方が定着しました。
コニャックは、このようにして生まれたのです。
コニャックの等級
コニャックは熟成の度合いを等級で表します。
この等級は「全国コニャック事務局(BNIC)」という公的機関が定めています。
ウイスキーなどは「◯◯年」という表現で熟成の度合いを表現しますが、コニャックはアルファベットの略語が用いられます。
最低2年以上の熟成期間がコニャックの条件の一つですが、ほとんどのコニャックは2年を超える熟成が行われています。
熟成される期間に応じて風味が変化するため、コニャックを選ぶ際には等級を参考にするとよいでしょう。
V.S.(Very Specialの略)
ブレンドに用いられた最も若い原酒が、2年以上の熟成期間があるコニャックのことです。
V.S.O.P.(Very Superior Old Paleの略)
ブレンドに用いられた最も若い原酒が、4年以上の熟成期間があるコニャックのことです。
Napoleon(ナポレオン)
ブレンドに用いられた最も若い原酒が、6年以上の熟成期間があるコニャックのことです。
X.O.(Extra Oldの略)
ブレンドに用いられた最も若い原酒が、10年以上の熟成期間があるコニャックのことです。
Hors d'âge(オール・ダージュ)
等級はX.O.と同基準ですが、公式な熟成の規定では計れない高品質を表現するためにメーカーが用います。
ミュコーの特徴
ミュコーはフランス・シャンパーニュ地方において、1862年に創業されたコニャックのブランドです。
長い歴史の中で伝統的な製法と品質にこだわって、独自のコニャックを作り続けています。
創業は1862年
ミュコーの創業者は、オーガスタ・クリストフとガスタベ・ミュコーの二人のロシア人です。
2人はロシア皇帝の命令で高品質のコニャックを調達するために、フランスに派遣されました。
1862年、クリストフは盟友のミュコーの名をとって、ACミュコー社を創業。
ミュコーのボトルにはミュコーを表現する象徴として、パンサー(豹=ヒョウ)が描かれています。
蒸留と熟成へのこだわり
自社のブランドイメージを高めることを重要視している、多くのコニャックメーカー。
対して、ミュコーはコニャック本来の品質を維持し、高めていくことに力を入れています。
伝統的な二重蒸留とオーク材で作られた樽での長期熟成により、ミュコーならではのテイストと風味が作り出されます。
ミュコーの特徴的なテイストは、以下のものです。
● 力強さ
● エレガントさ
● しなやかさ
● 余韻の長さ
ミュコーのおすすめの飲み方
上質なコニャックであるミュコーには、いろいろな飲み方があります。
ここではミュコー本来の味を楽しむ飲み方や、アレンジして美味しく味わう飲み方を紹介します。
ストレート
常温に保たれたミュコーを、香りを感じやすいグラスに注いで、ゆっくり楽しむ飲み方です。グラスはテイスティンググラスを選ぶとよいでしょう。
ミュコーの芳醇な風味に直接ふれられるため、はじめてミュコーを飲む際に最適な楽しみ方の1つです。
アルコール度数は40度と高いため、あらかじめチェイサーを用意して少しずつ飲みましょう。
ロック
ロックは、ストレートと同じく、ミュコーの香りと味を楽しめる飲み方です。
ロックアイスを入れたテイスティンググラスに、ミュコーを注いでゆっくりと転がします。
グラスを転がしながら色合いを目で楽しむのもおすすめです。
そうしているうちに手の温かみがグラスに移っていきます。
芳醇な香りを楽しんだのち、口にすこし含んで深い風味を味わってください。
水割り(トワイスアップ)
ストレートやロックはアルコール度数が強いため、ちょっと苦手という方もいるのではないでしょうか。
そんな方にはミュコーを水割りで飲むことをおすすめします。
水割りの方法の1つが「トワイスアップ」。
ミュコーと水を両方とも常温のままで、1対1で割ります。
トワイスアップにすることで、アルコール度数は低くなります。
ストレート以上に香りが増し、また違った風味を楽しめるでしょう。
ソーダ割り
ウイスキーのハイボールと同じように、ミュコーをソーダ(炭酸水やトニック)で割る飲み方です。
グラスに氷をたっぷり入れ、適量のミュコーを注いで、十分に冷えたソーダで割るだけで簡単に作ることができます。
ミュコーの芳醇な香りと、爽やかな口当たりの両方が楽しめる、とても優雅な飲み方です。
ホットミルク割り
常温で適量のミュコーに、温めたミルクを加えるのがホットミルク割りです。
温かいミルクのおかげで、ミュコーの香りが一層引き立ち、口当たりもまろやかです。
お好みでシナモンやバター、砂糖と加えるものよいでしょう。
寒い日に飲むと体が温まりそうです。
カクテル
ミュコーに甘みや酸味などを加えることで、さまざまなカクテルを楽しめます。自宅で簡単に作れるレシピをご紹介します。
サイドカー
ミュコーと柑橘の香りが合わさった、大人テイストのカクテルです。
ブランデーを使ったカクテルの代表格でもあります。
材料)
・ミュコー 30ml
・ホワイトキュラソー 15ml
・レモンジュース 15ml
レシピ)
1. 氷をシェイカーに3分の2入れる
2. 材料をシェイカーに入れる
3. しっかりシェイクして、カクテルグラスに注ぐ
ミュコー・プール
ミュコーの持つなめらかな甘味と、グレープフルーツのすっきりとした酸味がソーダで爽やかに弾けるカクテル。
柑橘系のカクテルを何か…というオーダーがあればぜひこちらを!
材料)
・ミュコー 40ml
・ソーダ 20ml
・グレープフルーツジュース 30ml
レシピ)
1. 氷を入れたバルーングラスにミュコーとグレープフルーツジュースを注ぐ
2. ソーダでアップ
3. お好みでガーニッシュを飾る(オレンジスライス/キュウリなど)
チャイ・ミュコー
エスニックな香りが漂う異国情緒あふれるカクテル。
アップルとシナモンという、アップルパイのようなフレーバーと、ミュコーのコクがベストマッチ。ガーニッシュには、寒い時期が旬の生リンゴをカットして使うと、より美しい見た目に。
材料)
・ミュコー 40ml
・レモンジュース 20ml
・エルダーフラワーリキュール 30ml
・アップルジュース 50ml
・チャイティーシロップ 20ml
1. すべての材料をシェイカーに入れ、強めにシェイクする
2. 氷を入れたタンブラーに注ぐ
3. お好みでガーニッシュを飾る(ドライアップル/シナモンスティックなど)
おすすめのミュコーを4種類ご紹介
ミュコーには熟成に要した期間の長さに応じて、4つの種類があります。
味わいや価格もそれぞれ異なるため、飲む場面や気分に応じて、最適なミュコーを選んでみてください。
まずはお手頃な価格から ミュコー・VS・ブラックパンサー
力強さや優雅さ、しなやかさの象徴であるパンサーをボトルにデザインしています。
フルーティさ、スパイシーさが調和した1本です。
受賞歴多数!ミュコー VSOP クリアパンサー
数々のコンペティションで多くの受賞歴を持つ、ミュコーのVSOPです。
味わい豊かで、フルーティなアロマが広がります。
圧倒的な香りと官能的な甘み ミュコー XO ゴールドパンサー
繊細で上質、香り高いグランドシャンパーニュ産原酒をベースに複数原酒をブレンド。
10年を超える超熟を経たハイクラス品です。
一度は飲んでみたい憧れのコニャック ミュコー エスプリ ド ファミーユ
高級感溢れるボトルが特徴的なエスプリ・ド・ファミーユ。
くるみやドライフルーツ、オレンジの果皮などの複雑な香りが広がります。
まとめ:ミュコーの種類を知って、より深く楽しもう
コニャックは、フランスのコニャック地方で作られる高級ブランデー。
コニャックの中でも名門とされるブランドの一つがミュコーです。
コニャックは熟成される期間の長さに応じて、下記の等級が定められています。
● V.S.
● V.S.O.P.
● Napoleon
● XO
● Hors d'âge
創業1862年以来、長い歴史があるミュコー。
コニャック本来の品質を維持し、高めていくことに力を入れています。
特に、伝統的な蒸留と熟成の方法に強いこだわりを持っています。
ミュコーには4つの種類があるため、場面や気分に応じて選んでみてください。
● お手頃な価格のミュコー VS ブラックパンサー
● 受賞歴多数!ミュコー VSOP クリアパンサー
● 圧倒的な香りと官能的な甘みのミュコー XO ゴールドパンサー
● 一度は飲んでみたい憧れのミュコー エスプリ ド ファミーユ
ミュコーの背景をより深く理解できたのではないでしょうか。
自分に合った飲み方で、ぜひ4種類のミュコーを楽しんでくださいね。
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