FFCCリマスターは存在しない方が良かった
『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター』が発売されてもう4年が経過しようというのに、私はまだこいつのことを根に持っている。
ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル(FFCC)は私が本当に、一番好きなゲームだった。
リマスター版が発売されるまでは。
小学生の頃にこのゲームを兄弟でめちゃくちゃプレイした。
静かなナレーションも、牧歌的だが少し不気味な雰囲気も、子供ながらに大好きだった。
そしてゲームキューブにゲームボーイをつないでプレイできるのも面白かったし、何よりマルチプレイがめちゃくちゃ楽しかった。兄弟でFFCCをプレイするのが本当に楽しかったのだ。
リアルに掛け声でタイミングを合わせないと技を出せない仕様が、かなり難しくも楽しいものだった。その後も数年おきに、プレイしたくなるタイミングがあり兄弟でプレイしていた。「移植版とか出ないかな〜」とずっと話もしていた。
だからこのリマスター版の発売が発表されたとき本当に嬉しかった。
しかし、蓋を開けてみればバグだらけの、リマスターとは言い難い仕様変更を経て戦闘マシーンと化したキャラバン(プレイヤー)のゲームだった。
もともと戦うのもそれなりに楽しいゲームだったので、戦闘面が変わってなければ良い、という人なら満足できるかもしれない。
ただ、このゲームはそれ以外のファンが多すぎた。
穏やかだが寂しげな雰囲気とマルチプレイの楽しさがこのゲームにたくさんのファンがいた理由である。
その良さをまるで捻り潰すかのようなリマスターで、本当に意味がわからなかった。
このゲームは思い出が鍵になってくるゲームでもある。そんなゲームなのに、私の思い出を汚されたようで、こんなものに金を払ったことをまず許せなかった。
思い出補正で面白かったゲームなどではなく、今ゲームキューブでプレイしても本当に面白いゲームだ。だからこそ、リマスター版しかプレイしたことのない人にこの程度のゲームだと思われてしまうことも悲しかった。
リマスター版が発売されると知ったとき、友達を誘って「みんなでやろう!」と意気揚々と触れ回った私の、落胆した顔をスクエニの方に見てもらいたかった。
このFFCCリマスターの件があってから、私はスクエニが主となって制作しているゲームは一切買っていない。いくら評判がよくても、もう信用できない。私が買わなかったからなんだ、という話ではあるがFFCCだけでなく他のリマスター及びリメイクなどでもスクエニは似たような炎上をしている。私はそれなりにゲームは好きだが、ゲーマーと言うほどではないので、スクエニの悪評について詳しくなかった。なのに、この件で完全に理解らされた。
このゲームはFFの名を冠しているが、マルチプレイが優れた作品だった。それこそ友達同士で、兄弟、家族で楽しめるような作品だった。ゲーマー以外の層にも好まれる作品だった。スクエニの悪評はゲーマーならば周知の事実だったのかもしれないが、このリマスターのお陰で私のような者にも伝わった。
こんなことを続けていれば私のように、スクエニのゲームは今後一切買わないという人もそれなりに出てくるのではないだろうか。なんとなくついでにスクエニから出てる漫画とかも買っていない。漫画家の方は悪くないことは分かっているが、もう私はスクエニアンチと化してしまっている。
プレイヤーをただ悲しませるだけのゲームを売る会社なんて、ゲーム会社とは私は思えない。発売前は良いことばっかり言って、実際のゲームはクソなのって本当にちゃんとした詐欺師がコンサルティングしてるんじゃないかとすら思っている。
このリマスターの発売さえなければ、私は思い出を汚されることもなかったし、評判の良いスクエニ製のゲームなら今でも購入していただろう。
今後スクエニがどういうふうに生き残っていくのかあえて楽しみにしている。