ドリフの3Qレビュー(2020年4月-6月)
先々に繋がることを見越したコロナシフト。新しい仕掛けが奏功したことに加え、クラフトビールの家飲み需要が顕在化。意図して動いた分だけ報われた3Qだった。(相変わらずメモ書きだけど。)
◼︎2020年4月
4月2日 ドリフのビール便Start
免許都合で都内限定での通販をスタート。(詳細は過去記事参照)
インスタDMでのやりとりと銀行振込っていうアナログだけど、セレクトを店に任せる"For You"サブスク的な新しさを持つこの仕組み、間口は狭いがリピーターは多く、選ぶこっち側も真剣に選んでいるので自ずから良いビール選んじゃう。インスタで相手の趣味趣向を見れるのも大事。
週に数件だけど、これはもはや「リアル×通販」だ。実はサービス・機能としてはドリフ特有のものになりそうだ。
その確信と同時に、全国を対象とする通販免許の申請も行った。特にクラフトビールエントリー層の最初のセレクトには役立つと思う。慣れてくれば自分で選んで買えば良い。最初のサポートが僕らの役割。それでもビール市場内シェア2%程度のクラフトだから、当面は無限にエントリー層は増えるはず。その一助になるのが僕らの役割。
4/24(金)ドリフのオフレコ vol.1
RIDGEの黒澤さんを迎えてスタート。(詳細は別記事参照)
これもコロナ期のリモートコンテンツと、ドリフの強みである人の繋がりで、ヒトにフォーカスした、面白い情報提供と、お客さん・フォロワーとのコミュニケーションが目的だった。
事前告知も含めて、楽しみにしてくれてた人達がいたのは嬉しかった。家飲みのお供になっていたことを願う。
後半はドリフのタレント性のあるお客さん達の出演もあり、ウチらしい内容に出来たのは、この先の拡がりを感じた。
4/25(土)チャリバリー(初回は豪徳寺方面へ)
LOCAL・沿線よりももうちょっと遠くてドリフに買いに来られない人達とのコニュニケーションを保ちたくて始めた。マスク越しに久しぶりとか初めましてって言いながら春の空の下でブツの受け渡しを行う。出張ドリフ的なこの時期らしい企画。いやこれが楽しかったのだ。昔ながらの酒屋稼業をやってるみたいで。「この辺行きます」っていうと3−4件くらい手が上がる。不思議な感覚だった。小商いへのサポートの気持ちが嬉しかった。
暑い夏場は無理だけど、秋口からは運動がてら再開しようかなと。
4月末には東京都の休業協力金やら、家賃支援やらが色々と対策が続々と発表された。
時短営業は行うとしても、家賃支援の条件は前年の売上半分以下というバーがあった。
飲食店は本対策で助かったところが多いだろう。採算的には意図的にでも落としたほうが良いので休業したシチュエーションもあっただろう。
ドリフは仕掛けが奏功しているのと家飲み需要の高まりで、意図的に売上を落とさない限り半分以下にはならない。それよりも自力で動いて仕掛けていることをアウトプットしたかった。
同時に行きつけの飲食店が皆工夫をしながらやっているのを見ていたのと、この間の店の姿勢をお客さんは見ていると思っていた。
短期の採算的にはクレバーじゃないけど、お客さんとのコミュニケーションを続けることで先に繋がると迷わず判断。何せ座して待つことは苦手だし、動いているほうが断然楽しい。
結果、4月の売上は堅調。クラフトビールの家飲みシフトの流れの影響と、ビール便に支えられて、客数は1/4くらいだけど、一人当たり本数が増えていた。とは言えビール便はビール内の構成比15-20%。但ししっかりと上乗せを実感できた。
◼︎2020年5月
すっかり18-21時の営業にも慣れた。在宅勤務も含め、この暮らしも悪くないって。
近所の在宅勤務の一人暮らしの人達が「1週間リアルで誰とも話していない」って言いながらビールを買いに来てくれて、マスク越しに束の間の世間話と近況報告。「寄合所」的な機能を果たせたとすれば本望。
加えて常連さん達も遠くから理由をつけてビールの買い出しに来てくれる。みんな心配してくれてて。うん。11月の飲めないドリフとは違う。
そして改めてリアル店舗の機能としての「新手のスナック」を実感した。きっとリアルの会話を求めるのは人間の本能なんだなと。そして若年層や僕ら世代にも共通の趣味趣向や価値観で集える場所が必要とも感じた。
インスタライブを使ったPOP-UPも始動。これが出来ると、メンバーがどこにいても売場に近い情報伝達は可能だ。例えば地方に居ながらモノだけ送ってもらって展開するのもアリ。とすればやれることの幅は拡がる。(今後の展開に繋げる)
微妙だったのは、看板商品の「一二の用品店」と「CAYL」を通販したこと。
入手しにくい大人気商品。従来からブランドオーナーにユーザー像をレビュー出来るように、対面で会話をして販売していたが、外出自粛ゆえに、本来ドリフに来られるエリアの人達を対象に通販を試験的にやったけど、メッセージひとつで買われていく感じが苦手だった。
これじゃ転売みたいって思った。ただの物売りになることは嫌だし、クラフトマンの期待を託された売り手の姿ではないと思った。
改めて僕らはたくさん売ることを志向していない。価値を伝えて楽しく売りたいんだと。
今後やるとしても、意図のないやり方はいかんなと。
ビール好調に加え、すっきりしないけどギア通販が奏功。売上は絶好調だった。
事業だけを考えると伸び代は確認できたけど、節操のないやり方で売上・利益を伸ばしても楽しくないし、カッコよくない。
◼︎2020年6月
コロナ明けの方がキツかった。
6月の第一営業日の客数2名、本数2本。
過去最低売上だった。自粛明けでも角打ちには簡単には戻らない。
6/13(土)より ビール便全国配送始めます。
全国解禁後は一気に全国各地からのオーダーとなり、東京では自粛明けでタップルームに向かう人達が増えたことで、減っていたオーダーを補うに十分だった。
6/24(水) Beer Label Pouch pop-up
いやぁ、素人pop-upシリーズは凄かった。
myog(ギア自作)しているお客さん(yasuさん)の発想をカタチにした、クラフトビールのラベルをタイベック製のポーチに貼ったり縫い込んだりした。唯一無二のポーチ。その手があったか!と感動してそのままpop-upを企画。すごい反応で2週間(6日間)の予定数量が3日で完売。遊び手の発想をカタチにしたら、多くのひとの共感を得た好事例。こう言うことがしたかったんだ。
6/27(土) 商う練習リターンズ
酒販(通販)免許を取得間近のJJさんの商う練習リターンズは実質的なファイナル。
記念すべき日のイベントはJJさんの人気とVERTIGO AGEOへの期待で、僅か3時間で過去最高に近い売上を記録。様々でした。
その日のイベント後にドリフでreplicantfm (podcast)の収録。ここまで13週連続ビール便のオーダーを続けて、毎週SNSで拡散してくれたkntrくんからのオファーにもちろん即答。ドリフを理解してくれてるからこその仕切りと、トークの出来の悪さを補う編集力を目の当たりにして感動。
出演の反響は言わずもがな。明確な事実として、来店、ビール便オーダー、フォロワー数共に増えた。ドリフの認知と魅力を高めてくれた大きな出来事となった。そしてその後のドリフでは会話も拡がることになる。
毎週、面白くも気付きのある情報を発信し、リスナーを楽しませ、新たなカルチャーに目覚めるきっかけを提供し、結果として、出演者のココロを満たすだけでなく、その活動の認知と魅力を高める。
podcastの社会的価値を実感。
彼こそがペイフォワードの人だ。
それもこれもドリフを通じた人の繋がりで実現に至ったこと。改めて多くの人達に支えられている事と、その恩を少しでも多くの人達に返してく思いを強めた。
一番ビビッときたのは「ダサくないですか?」
詳しくはep124をcheckです。
6月は前半の苦戦を後半に巻き返し、従来通りの堅調だった。
数字以上に、ドリフがもっと面白い場所、面白いヒトとコンテンツがある場所になっていける気がしていた。根拠はない。だけどしんどい時期に考えて動いておいて良かった。
しかしサラリーマンとは別の小商いをやってると、世の空気感ってものをより深く感じられるもんだ。そして判断の全てを自分達で行えるスピード感ってのが楽しすぎる。