縫製工賃ーアパレルの闇➖
特に初めて事業を立ち上げる方は、今まで経営の経験がなければ、また近しいポジションにいなければ、どうすればいいのかわからないと思うんです。
これアパレル業界の闇でもありますが、工賃の考え方をざっくりと説明します。
考え方① 販売する商品の20〜25%
【全体像から割合を考える方法】
例えば10000円で洋服を販売しているブランドがあるとします。
多分縫製請負で受注する場合、工賃は2000〜2500円くらいになります、多分。
これはあくまでも元請け側の希望でして、これを受けるか否かは
デザインや縫製の仕様などで判断します。
裁断からおこなうのか否か
また送料はどっち負担か、服飾資材、生地は提供されるかの確認が重要ですね。
考え方② 原価(主に人件費)を積み上げて計算する。
【原価を積み上げていく方法】
縫製依頼が来た時、または自分がいくらで商品を売りたいかによって、この方法だといずれにも対応できます。しかし、積み上げた結果、請け負える工賃になるのか、洋服が売れるのかは市場のニーズに影響を受けるでしょう。
【計算の目安】
例えば一般的に人件費の計算すると、保険を考慮して
1時間2000〜2500円とします。人によってはもっと高いと思いますが、
計算上2000円にしてみましょう。
自分がある洋服を作る上で裁断〜縫製まで5時間かかるとします。
そうするとそれだけで5時間×2000円=10000円
10000円の人件費がかかっているのでざっくり4倍して
販売しようとすると40000円…。
これがお客様にとって価値や魅力のある商品であり、購入動機につながるかどうかはまた別の話です。
それにエキスパートの職人が縫えば3時間で終わるかもしれません。
そうすると販売価格に大きく影響していきますね。
その他、積み上げるのは1着あたりの服飾資材
生地代、電気、水道代などです。
【アパレルの闇】
上記を見て分かるように、結局人件費が原価の大きな割合を占めることになります。そうしますと大手、中堅どころのアパレル企業や商社はシビアに
「人件費の安い海外で大量生産しよう。」
「発注先の工賃を叩こう。」となるわけです。
個人レベルで起業しているブランドさんは、商品に付加価値や特別感を感じさせないと4万も5万もする洋服は売れない、でも安くできないというジレンマが生じてしまいます。
ビジネスモデル云々はさておき、私としては日本のものづくりの文化や価値観を大切にしないまま、
大量の海外生産に移行したことが大きな影響を及ぼしていることと、
お金の計算できない縫製工場がいかに多いことかということと、
安さだけを求める消費者など様々な要因が絡んで現在に至っていると思っています。
私の会社も同じくですが、あなたでなければ、あなたが作ってこその商品は何なのか、価値とは何なのかを言語化できた方がいいです。
事業を継承したり、スタートするのはそれからでも遅くはありません。
生意気言ってすみません🙇♂️