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犬猫のお薬の飲ませ方、様々な工夫を伝授!
みなさま、お薬をあげるときにうまく飲んでくれなくて困ったことはありませんか?獣医師である私が、一般的な方法から、ちょっとしたコツや工夫まで、全て伝授していこうかと思います。
①ご飯や好きなものに混ぜて与える 熟練度★☆☆☆☆
ご飯やおやつが好きな子であれば、基本的にこの方法で難なくクリアできます✌️
しかし、ドライフードに混ぜて食べてくれるなら何も困りませんが、それだとお薬だけ残してしまう子も多いかと思います。
ここにも少しコツがあるのです😊
それは、できるだけ匂いと味が強いご飯やおやつを選ぶこと。それからさらに匂いを立たせるために少し温めておくことです👌
<実際の投薬方法>
⭕️粒のお薬の場合
お団子にできるような少し硬めのウエットフードやおやつを選ぶと良いです。お団子を複数作り、まず何も入っていないものをあげます。喜んで食べてくれたら、お薬の入ったお団子と入っていないお団子を複数お皿に入れてあげてみてください。どれがお薬入りなのか分からずに食べてくれることが多いです。
⭕️粉のお薬の場合
完全にフードやおやつと混ぜるのがコツです。匂いや味が強いものだとお薬が入っていても分からずに食べてくれる子が多いと思います。
②自主的に食べない場合は強制する(怒らない子編) 熟練度★★★☆☆
上記の方法を試してもお薬を飲んでくれない子は強制的にお口の中に入れてあげる必要があります。怒らない子であれば比較的に簡単に飲ませることができます👍
<実際の投薬方法>
⭕️粒のお薬の場合
まずお口を開けて手をお口の中に突っ込み、舌の基部にお薬を押し込みます。その後お口を閉じて、鼻に息を吹きかけ、喉をさすります。そうすると比較的すぐに嚥下してくれます。
ポイントはいかに舌の基部にお薬を押し込められるかです。もう少し場所を詳しくいうと、舌を横に5等分したときに、一番奥に押し込むイメージです。
それでも器用な子は舌を使ってお薬を吐き出してしまいます。その場合は、お薬を押し込んだ後、スポイトやシリンジを用いて、お水を口を閉じたまま流し込んであげてください。口が閉じていても、犬歯(牙のところ)の後ろには隙間があるので、その隙間にスポイトなどを差し込んでお水をあげてください。
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⭕️粉のお薬の場合
粉のお薬をお水で溶くか、かなり柔らかいウエットフードやおやつなどに溶かします。この際、お水でもフードでもかなり少量のものに溶かす、ということがポイントです。
溶かしたものをシリンジに詰めたら、犬歯の後ろから少しずつ口の中へ流し込んであげてください。液体が口に流れ込んでくると自然に飲み込みます。
※怒らないが逃げてしまって口に入れられない場合は、その子の持ち方を変えてみましょう。その子の前面から飲ませようとすると後退りして逃げられてしまうことが多いかと思います。その場合はバックハグするように後ろから体をピッタリつけて、顔を固定してから(目の後ろの両側に出っ張ってる骨があり、そこを軽く持ってあげると簡単に固定できます)飲ませるとうまくいきますよ👌
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また小型犬でもこの座る方法なら1人でも投薬することが可能です。
☝️お薬の味が嫌でどうしてもうまくいかない時の工夫(①と②の場合)👆
そんな時はオブラートを使用しましょう。
粒でも粉でもオブラートに包むことでお薬の嫌な匂いや味がわからなくなり、意外とすんなり食べてくれたり、粒と同じように口の奥に押し込むことで強制できたりすることがあります。
😺猫ちゃんの場合は体が柔らかい子が多いため、大きなバスタオルに体全てを包み、顔だけを出して強制してあげると動かずに強制することが可能です!
③自主的に食べない場合は強制する(怒る子編) 熟練度★★★★★
怒ってしまう子の強制は難易度が高いです😭
まず1人では難しいと思いますので、迷わず2人で投薬していきましょう。
抱っこする人と投薬する人で分かれます。
<実際の投薬方法>
⭕️粒のお薬の場合
怒る子に手で強制はできないので、そんな時は投薬器を用いるといいです。
ただし、投薬器を用いるといっても、抱っこして頭を支える必要があるので、それができる子に限りますね。
※投薬器と調べるとネットで購入することも可能です。
⭕️粉のお薬の場合
②と同じように水にお薬を溶かして強制します。
小さいシリンジだと噛まれる恐れがあるので、大きいシリンジを用いましょう。大きいシリンジでもシリンジの口の太さは小さいものと変わらないので、意外と強制しやすいですよ。
☝️向かってくるくらい怒る子に投薬する工夫☝️
かなり攻撃的な子にはカラーを用います。
カラーも浮き輪型ではなくチューリップ型のカラーを用いてください。
カラーをなんとかつけられたら、1人が後ろから抱え込みます。
もう1人が投薬器を用いた投薬や、大きめのシリンジで強制を試みてください。
ここまで書きましたが、どうしても…どうしても攻撃的になったり逃げたりして、投薬を拒む子もいます😭
毎日の投薬がかなり双方にとってストレスになることと思います。
その場合の対処法として、一時的に必要な投薬であれば、病院で注射をしてもらったり、入院したり、病院で投薬してもらったりして乗り切る方法もあります。
生涯必要な投薬の場合は、投薬を頑張ってやってみるのはもちろんのことですが、本当にどうしようもなく双方が心身ともに疲労していき、相当なストレスがかかるのであれば、投薬をやめて他にできることを探すことも大切かと思います☺️
その子に合った方法を選び、毎日の生活をできるだけ快適に過ごせる工夫ができるといいですね😊
しっぽ塾🍀