子が親を選べないのはこの世の理です 精神科専攻医の徒然草6
◯親子愛という幻想
「親が子を想い、子が親を想う」というのは道徳の教科書にすら今どき載らないありふれたコピーであり、世間では更に「子どもは自分で生まれる家庭を選んで生まれてきた」なんて妄言まで聞こえるところだが、実際は子どもの側は一切親を選ぶことはできない。親どころか自身の周りの環境一つさえ、自分の意思だけで選ぶことなんかできやしないのが子どもである。親子というのは親ガチャなんて言葉でさえ生ぬるい、予期せぬ衝突事故の当事者同士に近い哀れな同席者に過ぎないのだから、親子愛があ