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【正義と欲望で支配される】欲望の限界にきているこの世界
現代において物質的豊かさはいよいよ限界まで豊かになってきています。人口爆発、経済格差、民族紛争、地球温暖化、かつて人類の文明の持続可能性について言及されだしたのは、もう既に30年以上前の20世紀末期のことです、「カオスポイント」という著作を発表したアービンラズロ博士によれば、人類の文明が発展の方向性を変えなければ後戻りでいなくなるカオスポイントは2012年とのことでした。既に何十年も前のことです。現代では、新型コロナウィルスやアメリカの大統領選挙、ウクライナ戦争、わけのわからない力学で世の中が動いているようです。
日本社会を見てみると、もはや世界の潮流にのっかるのみでアメリカの言いなりの国になり下がってしまっています。戦後、日本の占領政策を担った占領軍は3S政策という3つのSが頭文字の制作を展開しました。その3つはSEX=性欲、SCREEN=画面、SPORT=娯楽の3つです。つまり、この3つを用いて国民の関心事をそれらに逸らしてしまおうという愚民化政策です。島国でもともと平和な日本の国民性にすっぽりはまり、現代はインターネットの普及でパソコン、スマートフォンを通じさらに3S政策の徹底が図られているようなものです。残念なことですが、現代日本を先人の武士道の日本人が見たら、ほんとに嘆かわしく思うものでしょう。
一方、インターネットの普及によってテレビを見る視聴者も少なくなりマスメディアの影響力がなくなってきていることも事実です。SNSを通じて有意な発信をしてくれる方たちも増えてきています。その代表者となってくれたのが、ドナルド・トランプ大統領だと思います。これからそういった正しい価値観を持ったリーダーが時代を変革していくべく登場し世の中のベクトルを変えていかなければなりません。
物質的豊かさに象徴される現代文明の繁栄はとにかくモノの欲望による繁栄です。しかしその繁栄もいきつくところまで来ています。これからはモノの欲望ではなく精神性の高い文化に変わっていくことになるでしょう。
まず、その限界の1つが金銭の欲望です。現代は、時価総額至上主義、つまり株主の価値の最大化が最も価値のあることになってしまっています。上場企業は、株主の利益のため時価総額をいかに上げるかということが至上命題、資本主義の仕組みなので仕方がありませんが、果たしてそのことにどれだけの価値があるのでしょうか。株を持たず、日々を着実に生活に根を下ろして生きている人のほうが、よほど楽しい幸せな暮らしのように思えます。
その次が、性の欲望です。インターネットの普及、オタク文化の普及で性の欲望のはけ口が画面になってしまう現代です。私の身のまわりの若者でも公然と3次元の異性は好きになれないと発言する人もいます。お一人様が増え性欲の個人消費、これでは人類は繁栄できませんね。
(株)マイナビウーマン調べでは、30代の12%は経験人数が0人だそうです。インターネットに性が氾濫しているのは社会の弊害があるところまでとっくにきてしまっています。
次がものに対する欲望です。ものが生活にあふれています。ある程度機能よくデザインの良いものが十分すぎる程あります。現代の広告キャンペーンの流行りとしては社会貢献の商品です。「SDGs」や「環境負荷低減」という文言が並びます。エシカル消費(倫理的消費)という言葉がありますが、新しい文明の方向性に向かっている一つの証左とも受け取れることです。安売り、何割引きと安価で同じ商品を求められるのはありがたいことですが、大量生産大量消費の流通では消費行動に結びつかなくなってきています。十数年前までは、まだまだ車が欲しい、時計が欲しいなど物に対する欲が世の中動かしているような感じもありましたが、現代では物を売る商売というのは苦しい環境になっていると思います。
今まで経済活動を通して文明が発展してきました。それは経済的合理性が支配する世界です。つまりものの本質的価値ではなく、儲かることが最優先されます。広告などで欲望を駆り立てて売れてしまえばそれが最善となる仕組みで、それ以上の価値を求めることはありません。ですが、その世界も徐々に限界にきているのではないでしょうか。もっと人々の尊厳が高められ、本質的価値にもとづいた社会に徐々に変わっていくことが時代の潮流のようです。