かけ算の九九を覚えるとは
こんにちは。
さて今回は、かけ算についてお話します。
小学校の2年生の学習のメインイベントの一つに、かけ算の九九があります。
にいちがに にさんがろく にしがはち というアレです。
九九は、古代の日本でも使われていたそうで、奈良県橿原市の飛鳥時代の藤原京の跡地から、九九が書かれた木簡が見つかったとニュースで聞いたことがあります。また万葉集にも、「八十一」と書いて「くく」と読ませたり「十六」と書いて「しし」と読ませたりしていたそうです。
1000年以上も昔から、九九が使われていたのですね。
ただ、言語によっては、語呂合わせができにくい国もあるそうで、日本のような九九が成立していないところもあるのだとか。
そういう所は、九九表を見て学習するそうです。
とはいっても、割り算や分数の足し引き算、通分やら約分やらは、掛け算が覚えられていないとできないですよね。
九九を唱えてかけ算を覚えるというのは、日本ならではの知恵の一つなのかもしれません。
子どもたちと一緒に学習していて、九九唱えができにくい子どもに出会うことがあります。
口がうまく回らないという滑舌の問題。音の聞き分けが難しくて、七と四、「しち」「し」が混乱する子ども。これは音韻の課題かもしれませんが。
反対に、九九はスラスラ言えるのに、「7×4」と「しちし、二十八」が同じものとは思えなくて答えが書けない子ども。
子どもたちが困っている理由はいろいろあって、それが起因するところもそれぞれあります。
私は、そういう場面で手助けをする仕事をしていますので、「九九を何度も唱えましょう。努力あるのみ」などとは言いません。
でも、繰り返ししなければ覚えられないことも事実ですので、繰り返し、取り組むことも推奨します。
そこが本当は、難しいところなんです。
原因を解明する、その上で、その子にあった覚え方を考える。でも繰り返し練習はする。
アニメの中で、青い猫型ロボットがポケットから「暗記パン」を取り出したことがあります。パンに覚えたいことを書いて、それを食べれば覚えられるというものでした
ただ、お腹を壊して排泄すると、全て忘れてしまうんです。
暗記パンに頼れない私たちは、覚えるしかありません。覚え方については、相談させてもらえるんですけど、努力はしてください、と2年生の子どもたちには伝えています。
努力なんで、今どき、と思う人もいるかもしれませんが、コツコツ積み上げる自分なりの方法を、こういった場面で見つけていけるのかもしれません。
暗記パンを食べて覚えるだけでは、これから生きて行く上で大事なスキルの一つを身につけることができないかもしれませんね。
九九は万葉の時代から受け継がれてきた、日本の文化の一つです。
面倒くさくて、ややこしくて。
でも、山を越えていく経験を積むという意味では、もしかすると、この「九九を覚える」ということは、これからの人生を少し切り開く力をつけてくれるのかもしれません。
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