新たなリーダーの厳しい指導
厳しい指導
私のキャリアの中で、特に印象深い約一年間についてお話しします。それは、前回から続きで、尊敬するメンターと慕う上司が休職したことから始まりました。入社後、約5~6年が経過し、私が30歳前後の時です。
メンターの休職後、私が抱えていた2つのテーマについて詳しい人間は、私だけになってしまいました。その結果、急遽新しいリーダーを迎えることになりました。新たにマネジメントを担当していただくことになったのは、50代後半の技術畑に強いベテランの方でした。ちょうど私の父親と同い年の方でした。その方は、技術的な観点では非常に鋭く、多くの経験を持っており、厳しいながらも私にとって学びの多い存在となりました。
彼は、技術的な課題に対して非常に深い洞察力を持っていましたが、私が担当しているテーマに関しては、詳細を把握していないため、何かわからないことがあると、細かい点も私に確認するようになりました。また、作成した資料についても何度も修正を求められました。厳しい指導を受けながらも、自分の知識やスキルを深める機会を得ることができました。
厳しさの中に感じた愛情
仕事は非常にハードでした。資料の作成や修正、技術的な議論の準備に追われる日々が続きました。しかし、その指導には厳しさの中にも愛情を感じました。そのリーダーは決して妥協せず、私が甘えたり、適当に流したりしないように徹底的に向き合わせてくれました。これまでの自分では考えもしなかった視点やアプローチを学ぶことができたのは、彼の厳しさゆえだと思います。
約四か月間、メンター不在の中、仕事に取り組む中で、私自身の成長を強く感じました。そしてその間、休職していた上司が無事復職することになりました。久しぶりに職場に戻った上司と顔を合わせたときには、心から安心しました。長かったようで、あっという間だった四か月間を振り返り、安心感とともに、新たなステージへ進む気持ちを抱いていました。
テーマの中止と新たな気づき
ただ、その四か月間で取り組んでいたテーマについては、再度復職したメンターと共に取り組みましたが、残念ながら課題をクリアすることができず、約一年後に検討が中止されることとなりました。ピンチヒッターとして私を指導してくれたリーダーも、そのテーマから離れることになりました。
リーダーとしての任務から降りたその方は、それまでとは打って変わって私に対して柔らかい態度を見せるようになりました。それは意外でもありましたが、同時に嬉しい変化でもありました。ある日、そのリーダーが私にこう言ってくれました。
“〇〇くん(私)は、素直だね。”
その一言を聞いた瞬間、それまでの苦しい努力が間違っていなかったと実感しました。厳しい指導の中で自分の素直さを評価してもらえたことは、大きな自信となりました。『会社人生でもう一人のメンターに会えた』と思いました。
振り返りと成長
この経験を通じて、私は「素直さ」が持つ力を再認識しました。職場では時に厳しいフィードバックを受けることがありますが、それを受け入れ、改善していく姿勢が成長につながるのだと実感しました。また、どんなに困難な状況であっても、自分の信念を持ち続けることの重要性を学びました。
さらに、この四か月間は、リーダーとの関わりを通じて自分の視野を広げる機会でもありました。それまで経験していなかった規模の課題に挑戦し、さまざまな困難を乗り越える中で、技術的なスキルだけでなく、人間としての強さも培われたと感じます。仕事を終えた後、ふと振り返ると、自分自身が以前よりも大きく成長していることに気づきました。
約一年後、テーマが中止されたことは残念ではありましたが、決して無駄な時間ではありませんでした。その経験を通じて得たスキルや考え方は、今後のキャリアや人生において必ず役立つものであると信じています。
周囲への感謝
この経験を振り返る中で感じるのは、周囲の支えがあったからこそ乗り越えられたということです。厳しい指導をしてくれたリーダー、一緒に努力してきた同僚、そして休職していた上司の復帰がもたらした安心感。それらすべてが、私にとって大きな力となりましたし、感謝しかありません。
また、素直さという自分の特性を活かしながら、これからも新しい挑戦を続けていきたいと思います。過去の経験から学んだことを胸に、次なるステージでさらに成長し、周囲に貢献できる人間でありたいと願っています。
約四か月間の厳しくも充実した日々は、私にとって大きな学びと成長の期間でした。そして、苦しい中でも努力を続けることが、最終的に周囲からの信頼や評価につながるのだということを教えてくれました。この経験は、これからのキャリアや人生において、かけがえのない財産となっています。
次回は少しプライベートな点を含めながら、お話します。
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