無収入で生き延びられる期間を知る②(時間と心の余裕)
執筆日:2024年11月19日
私は、社会人生活を順調に歩めた人間ではありません。35歳からは独立自営という形で「1人会社」(代表者である私ひとりで運営している会社)を始めました。そのため、「無収入生存月数」(「無収入で生き延びられる期間を知る①」の記事にリンク)という指標は、私にとってまさに生きるか死ぬかくらいのシビアなものでした。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、小心者の私には本当にそう感じられたのです。
※補足:以前の記事にも書きましたが、日本は社会保障が厚い国です。したがって、収入が途絶えたからといって即座に人生が終わるわけではありません。気になる方は、ぜひセーフティネットについて調べてみてください。
ただ、誤解を避けるためにお伝えすると、私がこの「無収入生存月数」という概念(当時はまだこの言葉はありませんでした)を20代後半で学んだときは、もう少し前向きな捉え方でした。これは、あるベストセラー作家の先生から教わった考え方です。
例えば、「貯蓄480万円、月々の生活費20万円」のケースでいえば、「2年間の経済的自由が確保できる」という視点。そして、生活費を抑えれば、経済的自由の期間をさらに延ばせるという視点です。たとえば、月々の生活費を20万円から10万円に抑えることができれば、4年間の経済的自由が確保できる計算になります。
※注意:当時はリーマンショックの後遺症からデフレ真っ只中の時代背景がありました。現代はインフレ傾向があるため、あくまで一例としてご覧ください。金額の多寡に対する「そんなに減らせるわけない」というツッコミはご容赦を(笑)。
これで、残りの人生分の貯蓄ができれば晴れて経済自由人、つまり現代で言う「FIRE」に近い状態が実現します。経済自由人になる手段として、「貯蓄を増やす」か「配当>生活費」という形を目指すかの違いがあるだけです。
しかし、先生が教えてくれたのは、単に無収入生存月数を長くすることが目的ではありませんでした。それよりも、次のような大切なポイントがありました。
経済的自由の期間を確保することで、新しい人生へ舵を切る準備期間に充てられること。
毎月の支払いに追われて「仕事を辞められない状態」と、「いつでも辞められる状態」とでは、精神的な余裕がまったく異なること。
その当時、私はこの考え方を「憧れの状態」として受け止めていました。しかし、いつの間にか「リスクへの備え」という視点へ変わっていきました。これは、私自身の経済観念が慎重(というより、ややネガティブ)に振れやすいことの表れなのかもしれません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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